
IT部門と業務部門の両者にIT教育が必要
デジタルトランスフォーメーションの本格化には
IT部門と業務部門の両者にIT教育が必要と認識
IT部門と業務部門の結びつきが必要
各市場の成熟や少子高齢化の進行など経済や社会の問題への対応策として企業ではデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に向けた取り組みが進められている。しかしITやセキュリティの人材不足など、多くの課題があるのが実情だ。
そこでIT専門調査会社のIDC Japanは国内企業におけるDXの実現に向けた人材の状況や課題に関する調査を実施し、2017年6月28日にその結果を発表した。
同社によるとDXの実現にはIT部門だけでなく事業部門、間接部門など業務部門(非IT部門)におけるデジタル技術知識やスキルの習得が重要度を増していると分析している。
なぜならDXとはデジタル技術、データを活用してビジネスの変革を行うことであり、IT部門と業務部門の協業に基づく全社的な取り組みが必須となるからだ。
その場合、IT部門では自社ビジネスの理解や変革方法の学習が必要になる。一方の業務部門ではデジタル技術をどのように自らの業務変革に結び付けるかの知識も必要となる。
業務部門のDX関与が強まっていく
IDC Japanでは正社員数300人以上の国内企業のIT部門マネージャー、および非IT部門マネージャーの計434人にDXに向けた社内IT人材の状況や課題などについてのアンケート調査を実施したほか、5名に対して直接ヒアリングを行った。
その調査結果によるとIT部門においては71.0%、業務部門においても51.0%の回答者が「業務部門においても新たなデジタル技術の概要教育が必要」または「新たなデジタル技術を、業務部門で導入できる程度まで教育が必要」と回答しており、いずれも回答者の半数を上回った。
さらに両部門とも「概要教育が必要」と回答した割合(IT部門で32.1%、業務部門で21.0%)よりも「業務部門側で導入できる程度まで教育が必要」とした割合が高かった(IT部門で38.9%、業務部門で30.0%)。これは今後ますます業務部門のDX関与が強まっていくことを示唆している結果と言えよう。
IT部門では既存業務で忙殺される
IT部門の中には「IT部門人材が既存システムの開発、運用で多忙なため新しいことを行う時間がない」ことを、課題に挙げた回答者も多く存在する。IT部門マネージャーを対象に行ったヒアリングにおいては、社内のIT部門で「既存システムを担当する人材」と「DXプロジェクトに関わる人材」の間で、モチベーションの二極化が進んでいるといった回答が見られた。DXを成功に導くためには、既存システムを担当しているIT部門人材の再活性化も必要となるとIDCではみています。
人材育成の支援がビジネスチャンス
今後DXが企業内で本格的に進められていく中でビジネスを理解したIT部門と、ITを理解した業務部門との協業が組織の成功の鍵になると見られる。
IDC Japanでリサーチ第3ユニット グループディレクターを務める寄藤幸治氏は「顧客企業のDX実現のためにベンダー、SIerは人材育成の面からも支援するべきである。そのためにはIT部門における新たなデジタル技術へのスキル転換、業務部門におけるDX教育プログラムの提供を行っていく必要がある」とコメントしている。(レビューマガジン社 下地孝雄)
■業務部門(非IT部門)のIT教育の必要性
(問)IT部門以外の社員に対するIT教育の必要性の有無をどのように考えますか?
キーワードから記事を探す
-
第 1 位
USB Type-Cを軸にしたノートPCと外付けモニターの活用法を戸田覚が伝授
-
第 2 位
戸田覚が教えるExcelやWordでの手書き機能の使い方
-
第 3 位
戸田覚が伝授「スマホでパワポのスライドを作ろう」
-
第 4 位
Windows 10サポート終了の特需はない
-
第 5 位
PCデータをバックアップするSSD・HDDの選び方を戸田氏が指南
-
第 6 位
「オフィス作業では大画面モニターを使って仕事をさくさくこなそう」by戸田覚
-
第 7 位
PCやスマホ活用時の目に優しい画面設定について戸田覚が伝授
-
第 8 位
戸田覚が「Microsoft To-Do」を利用したセルフ働き方改革を伝授