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IoTを組み合わせたActiveなネットワークカメラ活用を実現するパナソニック

IoTを組み合わせたActiveなネットワークカメラ活用を実現するパナソニック

2017年07月11日更新

AIセンシングとAI解析でアクティブに

Panasonic

「ネットワークカメラを活用したセキュリティシステムは、これまではパッシブ(受け身的)で、鮮明な映像を記録して、事後に確認する使い方が主流でした」(パナソニック システムソリューションズ ジャパン 商品マーケティングセンター セキュリティシステム推進部 畑 利広氏)

国内の監視カメラ市場を牽引してきたパナソニックは、ネットワークカメラを利用した情報取得と活用のこれまでの在り方をこのように評する。監視用途などで利用されるネットワークカメラは記録に重点が置かれていて、不測の事態が生じた際に、その状況や原因把握のために録画されたデータが活用されるという仕組みが、多くの場合用いられてきた。しかし、これからはこうした情報の取得と活用の在り方を変えていくと畑氏は話す。「IoTを組み合わせたアクティブ(積極的)な情報の取得と活用を、当社のネットワークカメラソリューションで実現していきます」

パナソニック システムソリューションズ ジャパン 商品マーケティングセンター セキュリティシステム推進部 マーケティング課 商品研修係 係長 畑 利広 氏

その核となるのが、「AIセンシング」と「AI解析」だ。ネットワークカメラとセンサーによって、必要な情報をアクティブに取得していくのがAIセンシング、そして、AI解析によって取得した情報を統合してリアルタイムに活用していく。AIセンシングとAI解析によって、さまざまな情報をネットワークカメラで取得できるようになり、さらにそれらの情報のリアルタイム分析によって、事後の原因究明だけではなく、事故の未然防止や現在進行形の対応が可能になるのだ。

その活用例としてパナソニックでは、企業などにおける一般的な監視用途では、監視の自動化による監視コストの削減や、監視情報を利用したマーケティング、在庫・資産管理、作業改善などを挙げる。また、公共利用では、事故の未然防止やインフラの健康管理、事故処理の迅速化、流動調査に役立てられるという。公安用途では、事件の早期解決、証拠管理業務の効率化、新たな脅威の検知と未然防止も可能になる。

「AIセンシングとAI解析を用いたネットワークカメラソリューションで、安全で安心、そして快適な社会をつくっていきます」(畑氏)

リアルタイムで設定を自動調整

それではAIセンシングとAI解析をどのように実現していくのか。同社のネットワークカメラセキュリティソリューション「i-PRO」シリーズの3世代目である「i-PRO EXTREME」では、「Extreme Visibility」(究めた高画質)、「Extreme Reliability」(究めた高信頼・高耐久)、「Extreme Compression」(究めた高圧縮)、「Extreme Analytics」(究めたデータ解析)、「Extreme Data Security」(究めたデータセキュリティ)という五つのコンセプトを掲げ、アクティブな情報取得と情報活用を目指している。

必要な情報を取得するためにこれまで課題だったのは、情報が認識できなかったり、そもそも情報取得に耐えられる機材が不足していたことだ。そこでパナソニックでは、さまざまなシーンを自動で認識して設定を最適化させる「iA(インテリジェントオート)」という機能をi-PRO EXTREMEに採用している。「昼や夜、移動物体の速度、人物の顔、逆光状況などを自動で認識して、シャッタースピードや絞りの調整、逆光補正などを自動で行います。変化するシーンにおいて、常に最適に調整された映像を取得できるようになるのです。当社のデジタルカメラ『LUMIX』の技術の応用で実現しています」と畑氏は説明する。実際、走行するクルマの車種やナンバープレート、暗い状況での撮影対象の識別の精度などが従来カメラよりも向上している。

パナソニック「WV-S1531LNJ」
フルHD H.265コーデック、スマートコーディング技術を搭載した屋外ハウジング一体型ネットワークカメラ。

取得した情報の解析やリアルタイムの活用という側面では、増大するデータへの対応が不可欠になる。設置されるカメラの台数が増加し、映像の解像度も今後さらに高まることが予測されるため、膨れあがるデータ量への対処が求められるからだ。そこでパナソニックでは、H.265規格の高圧縮技術の採用と独自の「スマートコーディング」技術によって、最大50%のデータ削減を実現した。「スマートコーディングは、クラウドサービスやネットワークの負荷軽減に貢献します。映像内の顔を検知して顔以外の部分のデータ量を削減できる『スマートフェイシャルコーディング』によって、さらに効率的なデータ圧縮が可能です。また、カメラ側とクラウド側でのデータの分散処理による高速データ解析も実現しています」(畑氏)

顔の照合においては、5月10日に世界最高水準の顔照合技術を開発したとパナソニックは発表している(米国立標準技術研究所が公開しているベンチマークデータセットにおいて)。ディープラーニングの応用によって、横向きやサングラスをかけた顔の照合も可能にしたという。同社は同技術の商用化を進めている最中である。

IoT時代に突入している現在では、ネットワークにつながるデバイス側のセキュリティ対策も必須となるが、i-PRO EXTREMEシリーズは、シマンテックのデバイス証明を搭載していて、脆弱性対策も実施済みだ。情報漏洩対策としては、カメラからレコーダーそしてモニターまでのエンドtoエンドでの暗号化通信も可能にしている。

パナソニック「WV-S2531LN」
インテリジェントオート機能で識別性を向上させた屋外対応ドームネットワークカメラ。

販売パートナー向けの研修会も実施

最新のi-PRO EXTREMEシリーズは、今年の3月に発表されたばかりだ。ネットワークカメラ20機種とネットワークディスクレコーダー、映像監視ソフトウェアがラインアップされた。屋内型、屋外型、パン・チルト・ズーム型などを多数揃えており、さまざまな環境でAIセンシングとAI解析を用いたネットワークカメラ活用を実現させていく。「確実に映像を撮影し続けられるカメラのラインアップを用意できるのがパナソニックの強みです」(畑氏)

同社のネットワークカメラソリューションについては、販売パートナー向けの研修会も用意されている。「基礎研修、ベーシック研修、テクニカル研修の3コースで、各1日または2日、東京、大阪、名古屋の3会場で年2回定期開催しています。2016年度の実績は約100社、270名に受講していただきました。パートナーさま先に出向いて行う研修も用意しており、新製品説明やリクエストに応じた内容で開催しています。こちらも2016年度の実績で約70社、450名に受講していただきました」(畑氏)

パナソニックが開催しているパートナー向けのネットワークカメラ研修会の様子。

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