ホーム > PC-Webzineアーカイブ > AR/VRヘッドセットに長期の高い成長を期待、雇用のあり方に大変化をもたらす可能性も

AR/VRヘッドセットに長期の高い成長を期待、雇用のあり方に大変化をもたらす可能性も

AR/VRヘッドセットに長期の高い成長を期待、雇用のあり方に大変化をもたらす可能性も

2017年07月11日更新

AR/VRヘッドセットは長期にわたって高い成長を継続
AR/VRが雇用のあり方を根底から覆す大変化を引き起こす

スクリーンレスタイプのVRヘッドセットが成長を牽引

AR/VRのアミューズメント以外での活用が広がりつつある。特に危険な場所での作業のトレーニングや設備に大きなコストがかかる業務のトレーニング、さらには業務の効率化の検討など法人向けにおいて活用範囲が広がっており、新たなビジネスの創出が期待されている。

それに伴ってAR/VRを利用するためのデバイス、AR/VRヘッドセットの需要も拡大しているようだ。IT専門調査会社のIDC Japan
が2017年6月27日に発表したAR/VRヘッドセットの2021年までの世界および国内の出荷台数予測によると、2016年にはAR/VR合計で1,000万台弱であったヘッドセットの出荷台数は、2021年には1億台をわずかに下回る程度までに成長すると見込まれ、2016年~2021年のCAGR(年間平均成長率)は57.7%と著しいペースで市場が拡大すると予測している。

なおIDC Japanの発表は米IDCが発行した「Worldwide Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Tracker」の最新の予測を抄訳したものだ。
デバイスではVRヘッドセットが市場を牽引しており、このカテゴリーの中では値段の最も手頃なスクリーンレスタイプ(スマートフォンをヘッドセットにはめ込み駆動するタイプ)がリードを保っている。

2016年の下半期はPlayStation VR、HTC ViveおよびOculus Riftという三つの商品が市場の立ち上がりに寄与したという。

仮想世界と現実世界の境界が曖昧になる

米IDCでMobile Device Tracker等でシニアリサーチアナリストを務めるジテシュ・ウブラニ氏は「今後6~18カ月はPCベンダーがマイクロソフトと共にVRマーケットを刺激すると同時に、ワイヤレスタイプのVRヘッドセットが市場に登場するためVR市場もさらに活況を呈するだろう」と分析している。
また「PCのハードウェア要件が下がりヘッドセットの価格が下がることで、VRは今後より一層多くの人に手が届きやすくなるだろう。そしてモーショントラッキングと手の動きをトラッキングする技術の導入によって、デジタル仮想世界と現実との境界線は今よりも曖昧なものになるだろう」とコメントしている。

VRが先行、ARはその次のトレンド

専用デバイスという点ではARはVRより少し遅れて市場が展開すると見られる。これはARがVRよりも重要性において劣るということではなく、ARが現在は市場形成期にあることによるものだという。

IDCではAR/VR市場を量的に主導するのは今後もVRであると考えているが、ARは産業に対してより大きなインパクトを持つと考えているという。
一般消費者は専用デバイスよりもスマートフォン、あるいはタブレットを通じて最初のAR体験をする可能性が高く、昨今アップルより発表されたARKitの導入はそれを裏付けていると指摘している。

IDCは専用ARヘッドセットがビジネス用途で広い採用機会の可能性を持つと考えているという。例えばヘルスケア、製造、フィールドサービスワーカー、デザインなどの垂直市場の周辺ではその関心の規模は大きく、巨額の投資が行われているという。

これらをサポートする製品は数多く存在しており、いくつかは市販されているがほとんどが一般消費者をターゲットとしないベンダーにより開発され、投入された製品だ。

VRよりもARの方が可能性は広い

米IDCでWorldwide Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Tracker プログラム・バイス・プレジデントを務めるライアン・レイス氏は「ARとVRの両者を同一の平面で揃えて眺めると、ARのフィールドの方がより広いものであるのは明らかである」と述べている。

そして「マイクロソフトやエプソン、インテル、メタ、ODGおよびDAQRIといったベンダーはすでにリアルタイムでの動作を要求される商用プロジェクト向けに開発されたデバイスを提供しており、特筆すべきROIを実現している。これらの企業は、類似のデバイスを投入しているか、または投入の準備が整っている他の企業に先行しているといっていいだろう。そして我々は今後5年間で産業における雇用のあり方が根底から覆されるほどの大変化を目にすることになると考えている。そしてARヘッドセット市場はコンシューマー向けよりも専用開発品によるビジネス向けの方が大きい市場であると考えられる。今後5年間に出荷されるARヘッドセットのうち、ビジネス向けはその80%強を占めることになるとIDCでは予測している」と分析している。(レビューマガジン社 下地孝雄)

■世界AR/VRヘッドセット・用途別出荷台数 (2016年の実績/2021年の予測/2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR)予測)

出所:IDC Japan / IDC Worldwide Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Tracker, 6/2017

■国内AR/VRヘッドセット出荷台数(2016年の実績/2021年の予測/2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR)予測)

出所:IDC Japan / IDC Worldwide Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Tracker, 6/2017

キーワードから記事を探す