
アクシスの強みは、必要な帯域とストレージ量を50%以下に減らすZipstream
必要な帯域とストレージ量を50%以下に低減
Axis Communications
「建設ラッシュもあり、ネットワークカメラの新規需要が増えています」——。最近のネットワークカメラ需要についてこのように手応えを語るのは、アクシスコミュニケーションズ マーケティング本部 シニアマーケティングマネージャーの佐藤秀一氏だ。商業施設の共用部分や店舗、工場内やその周りなど、多くの場所でネットワークカメラの活用が広がっている。アクシスコミュニケーションズの2016年の販売動向について、ネットワークカメラ市場の成長率を上回る実績を残したと話す佐藤氏は、「ネットワークカメラの需要が高まっているのは、世の中の安心安全への要求が強くなっているからでしょう」と分析する。
食品偽装や暮らしを脅かす事件なども頻発し、安全なイメージが強かった日本においても、手放しで安全を享受できなくなりつつある。そうした中で、企業や自治体ではさまざまな側面において、安心安全を確保する責任が生じており、その一端としてネットワークカメラの活用が拡大している。
こうした背景下において、「ネットワークカメラで撮影した映像の使われ方にも変化が生じています。映像の精度も高まっていて、例えば対象を特定するなど、より積極的な使い方が求められるようになってきたのです」と佐藤氏は解説する。それは例えば要注意人物の来店を把握して何かが起こる前に未然に防止できるようにするといった使い方を指す。来店客のクルマのナンバーを読み取って、接客に生かすような使い方もある。また、ネットワークカメラを利用した人数カウントなども実際に行われている。
ネットワークカメラが今後果たすべき役割について佐藤氏は、「これからはどんどん働き手が減っていきますが、そうした社会の中でネットワークカメラは人手不足を補う役割を果たせます」と示唆する。
ネットワークカメラ製品や画像分析システム、連携ソリューションの進化によって、ネットワークカメラはまさに機械の眼と呼んでも過言ではない働きができるようになってきた。撮影映像の内容をリアルタイムで解析し、さまざまなシステムと連携して自動的にアクションを起こす。従来人間が見て判断し、行動してきた内容を、代替できるようになってきたのだ。
映像をリアルタイムで分析して最適化
ネットワークカメラの需要が高まれば、自ずと膨大な量のデータが生み出されるようになる。ストレージを圧迫するのはもちろんだが、同時にネットワーク帯域にも大きな負荷がかかっていく。拡大するデータ容量をどうするか、これはネットワークカメラ活用における大きな課題だ。アクシスコミュニケーションズの製品の強みはこの部分で生きる。
「当社のZipstream技術を使えば、ネットワークカメラで撮影したデータの帯域幅とストレージ使用量を平均で50%以上削減できるのです」(佐藤氏)
アクシスコミュニケーションズのZipstreamは、映像をリアルタイムで分析して最適化する技術だ。映像の中で重要な部分は高画質・高解像度を維持し、その他の部分の圧縮率を高めることで、帯域幅とデータ容量の削減を実現する。映像は、内容や動き、環境光レベルなどを加味して調整される。例えば、顔やナンバープレートといった重要要素は高い画質が維持され、白い壁や芝生、植物といった重要でない部分は高い圧縮率で圧縮される。
アクシスコミュニケーションズの資料によれば、小売店など照明が明るく屋内のディテールの多いシーンで、中程度の大きさの動きがわずかにある場合などでは、Zipstreamの強度を「低」、ストレージを多く消費するIフレームの更新を回避する「ダイナミックGOP」がオフの場合で合計ビットレートを25%低減できる。また、ほとんどの時間で多くの車両の小さな動きがある市街地の監視などでは、Zipstreamの強度を「高」、ダイナミックGOPをオンにすることで合計ビットレートを50%低減できるとしている。
これからはクラウドサービスやモバイル通信を利用したネットワークカメラ活用も浸透していくと考えられるが、ネットワークの負荷を低減できるアクシスコミュニケーションズのZipstreamは、そうした環境において有効だろう。ストレージ容量も抑えられるため、コスト削減にもつながる。
アクシスコミュニケーションズでは、同社のネットワークカメラやビデオエンコーダーにインストールできるアプリケーション開発を可能にするオープンプラットフォーム「Axisカメラアプリケーションプラットフォーム(ACAP)」を展開しており、ネットワークカメラ活用を促すアプリケーション開発も推進している。例えば、カメラ側で実行できるVPNアプリケーションなどもすでに提供されている。こうしたプラットフォームから、ネットワークカメラを起点としたビジネスがさらに拡大していくのだろう。
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