
労働人口不足がドライバーとなりSMBでもITの利活用が進展
第3のプラットフォーム市場は企業分野と公的分野が伸びる 労働人口不足がドライバーとなりSMBでもITの利活用が進展
●有望市場は安定した成長期に入る
ITビジネスにおいて幅広い分野や領域で新たなビジネスチャンスが創造できることが期待されているデジタルトランスフォーメーション(DX)。その実現に向けた仕組みを担うのがIT専門調査会社のIDCが提唱している第3のプラットフォームだ。
その第3のプラットフォームに関する国内市場についてIDC Japanが産業分野別および企業規模別の予測を2017年6月7日に発表した。
発表によると2017年の国内第3のプラットフォーム市場規模(支出額ベース)は前年比6.1%増の13兆2,126億円を見込んでいるという。また2016年~2021年のCAGR(年間平均成長率)は4.3%で、2021年の同市場規模は15兆3,460億円と予測している。
また企業分野のCAGRは7.4%、公的分野のCAGRは6.7%、消費者市場のCAGRは0.3%で、いずれの分野も堅調に拡大を続けるものの前年比で二桁増になる分野はなく、2017年以降、国内第3のプラットフォーム市場は安定した成長期に入ると分析している。
●第3のプラットフォーム支出が拡大する分野
産業分野別では金融、製造、小売、運輸/運輸サービス、公共/公益分野、官公庁が高い前年比成長率で推移すると予測。金融分野ではリスク管理/顧客サポートの領域でのコグニティブ/AIシステムの活用が進むほか、「FinTech」のサービス化フェーズへの移行、製造業のIoT技術の実装といった第3のプラットフォーム技術を相互的に活用するユースケースが市場を牽引すると見られる。
また国内企業が直面する労働人口不足という喫緊の課題がドライバーとなり、ITの利活用が進む。特に小売、運輸/運輸サービス分野では「オムニチャネル」「インバウンド需要」と併せてモビリティやソーシャル技術のほか、ロボティクスやAR/VR、コグニティブ/AIシステムといったイノベーションアクセラレーターの業務支援を目的とした導入が進み、それらが第3のプラットフォーム投資の促進要因となるという。
公共/公益においては電力およびガスの小売自由化、設置が進むスマートメーターなどが投資を促進し、官公庁においては東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えて防災、渋滞緩和などを目的にした社会インフラ関連整備への支出が見込まれる。
●SMBでもソーシャルやクラウドの活用が進む
企業規模別の第3のプラットフォーム市場は従業員規模1,000人以上の大企業のCAGRが8.5%と最も高く、大企業が投資を牽引する。ただしソーシャル技術やクラウドを中心に一部の小企業、小規模企業においてその価値を見出し積極的に導入している例が見られると指摘する。
第3のプラットフォームテクノロジー市場のサプライヤーが個人事業主やSMB(Small and Medium Business:中堅中小企業)向けに無料または価格を抑えたソリューションを展開していることもその背景にある。
一方でビッグデータ/アナリティクス市場は大手企業や一部の中堅企業を中心に導入が進み、産業分野ごとに多様なユースケースが生まれているという。
IDC JapanでITスペンディンググループ シニアマーケットアナリストを務める岩本直子氏は「今後、実証実験後の実装フェーズをいかに推進していけるかが国内の第3のプラットフォーム市場のさらなる拡大の鍵となる。ユーザー企業のステークホルダーを巻き込みプロジェクトを推進できるITサプライヤーが本市場の競争優位を獲得する」と述べている。(レビューマガジン社 下地孝雄)
■国内第3のプラットフォーム市場・支出額予測(2016年~2021年)
※数値は2016年は実績、2017年以降は予測。
出所:IDC Japan
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