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ソフト、アプライアンス、サービス、クラウドの全方位でサイバーセキュリティは魅力的な市場

ソフト、アプライアンス、サービス、クラウドの全方位でサイバーセキュリティは魅力的な市場

2017年06月13日更新

●セキュリティ市場全般で成長を継続

ランサムウェアなどによる情報セキュリティへの脅威が深刻化する中、サイバーセキュリティ関連ビジネスが活性化している。IT専門調査会社のIDC Japanが2016年6月5日に発表した国内情報セキュリティ市場の調査結果によると、ソフトウェア製品とアプライアンス製品を合わせたセキュリティ製品の市場は、2016年~2021年のCAGR(年間平均成長率)が4.1%で、市場規模は2016年の2,839億円(前年比5.1%増)から2021年には3,477億円に拡大すると予測している。


なおIDC Japanではセキュリティ市場を「セキュリティソフトウェア市場」「セキュリティアプライアンス市場」の「セキュリティ製品市場」と「セキュリティサービス市場」のセグメントに分類して調査、分析を行っている。

●法規制や脅威の高度化でソフト市場は好調を維持

2017年の国内セキュリティソフトウェア市場は2017年5月30日に全面施行された改正個人情報保護法などの法規制や、ランサムウェア攻撃などの高度化するサイバー攻撃の対策需要によってセキュリティソフトウェア市場全般でニーズが高まると予測されることから、前年比3.2%で成長するという。


2018年~2020年は2019年に開催されるラグビーワールドカップや2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでの重要な社会インフラへのサイバー攻撃の対策需要と、マイナンバー法や改正個人情報保護法の法規制による個人情報への保護対策強化によって、同市場での需要拡大が期待できる。


ただし2021年は2020年の需要拡大の反動から同市場への需要が軟化しそうだ。これらの分析から同市場の2016年~2021年におけるCAGRは4.0%で、市場規模は2016年の2,364億円から2021年には2,875億円に拡大すると予測している。

●UTMとIDS/IPSがアプライアンス市場をけん引

2017年の国内セキュリティアプライアンス市場は高度化するサイバー攻撃の対策需要が引き続き高く、多層防御機能を備えたUTMと不正侵入を防御するIDS/IPSが市場をけん引し、前年比3.9%で成長すると予測している。


2018年~2020年はセキュリティソフトウェア市場と同様、重要社会インフラへのサイバー攻撃の対策需要と個人情報への保護対策強化によって、同市場に対する需要が拡大する。そして2021年は2020年の需要拡大の反動から同市場への需要が軟化する。


これらの分析の結果、同市場の2016年~2021年におけるCAGRは4.9%で、市場規模は2016年の475億円から2021年には602億円に拡大すると予測している。

●製品移行に伴うセキュリティサービスの需要が拡大

2017年の国内セキュリティサービス市場は高度化するサイバー攻撃によって、従来のシグネチャーによる外部脅威対策製品からの移行が顕著になるという。


サンドボックスエミュレーション技術やコグニティブ/AIシステムなどを活用したアンチマルウェア製品やマルウェア侵入検知/分析製品、ネットワーク層からアプリケーション層まで対応する多層防御機能を備えた製品への移行だ。


そのため導入設計から運用に至るまで高度な専門知識を必要とするセキュリティサービスへのニーズが高まり、前年比5.3%の成長が見込まれる。


またコンサルティングやシステム構築、運用管理、教育/トレーニングサービスを含むセキュリティサービス市場は、2016年~2021年のCAGRが5.6%で、市場規模は2016年の7,190億円(前年比5.1%増)から2021年には9,434億円に拡大すると予測している。

●クラウド環境のセキュリティ需要も活性化

2018年以降はオンプレミス環境とクラウド環境の両方を組み合わせたハイブリッド環境の進展によって、クラウド環境へのセキュリティ対策の導入/構築/運用サービスの需要も拡大するという。

■国内情報セキュリティ製品市場・製品セグメント別売上額予測(2014年~2021年)

出所:IDC Japan

また2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックと大規模なイベントでの標的型サイバー攻撃の多発が予測されており、脅威の予知/予見を行う脅威インテリジェンスを活用したマネージドセキュリティサービスやインシデントレスポンスサービスなどのセキュリティサービスの需要拡大も見込める。


その結果、同市場の2016年~2021年におけるCAGRは5.6%で、市場規模は2016年の7,190億円から2021年には9,434億円に拡大すると予測している。

●脅威インテリジェンスの共有が必要

高度化するサイバー攻撃ではセキュリティ侵害を完全に防ぐことは難しく、セキュリティ侵害が起きたとしても速やかにセキュリティ侵害を検知し、対処することが必要となる。


そのためセキュリティ機器などからのログ情報と脅威情報を分析し、セキュリティ脅威の予知/予見や先進的な脅威防御に利用できる情報に取りまとめた脅威インテリジェンスの構築と活用が求められる。しかし脅威インテリジェンスの構築をユーザー企業だけで行うのは困難だ。


IDC Japanでソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーを務める登坂恒夫氏は「セキュリティ製品サプライヤーやサービスプロバイダーは、脅威インテリジェンスのデータフィードサービスや脅威インテリジェンス共有基盤の製品やサービスの提供を推進すべきだ。脅威インテリジェンス共有基盤を活用して構築した脅威インテリジェンスを活用することで、重大なセキュリティ脅威を早期に検知しリスクを軽減できる。またグループ企業内で脅威インテリジェンスを共有することでセキュリティリスクをグループ企業内で低減し、サプライチェーンリスクへの対応を強化できるようになる」と提言している。(レビューマガジン社 下地孝雄)

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