
国内トラディショナルPC市場はビジネス市場と家庭市場ともに安定成長
国内トラディショナルPC市場は成長基調 ビジネス市場と家庭市場ともに安定に推移
●ビジネスと家庭ともにプラス成長
デスクトップPCやポータブルPC、ワークステーションといった国内トラディショナルPC市場が飽和状態にあると指摘されて久しいが、しかしトラディショナルPCはビジネスに必須のツールであることからその実態は成長を維持しているようだ。
IT専門調査会社のIDC Japanが2017年5月23日に発表した調査結果によると、2017年第1四半期(1月~3月)の国内トラディショナルPCの出荷台数はビジネス市場が前年同期比6.3%増の193万台、家庭市場は同比6.4%増の120万台で、ビジネス市場と家庭市場が揃ってプラス成長を達成した。
●安定的な成長基調が見えてきた
国内トラディショナルPC市場全体では前年同期比6.3%増の313万台の実績だった。ビジネス市場は2016年第2四半期(4月~6月)から3四半期連続で二桁成長となった。2017年第1四半期は目立った特需のない状況で6%超の成長を達成したということで、ようやく安定的な成長基調が見えてきたとIDC Japanは分析している。
家庭市場については主にベンダーダイレクトチャネルが成長をけん引した。IDC Japanでは家庭市場は2016年で下げ止まり、2017年は徐々に回復に向う年となると予測している。
●日本HPとデルが絶好調
上位5社のベンダーシェアについては1位から順にNEC レノボ グループ、富士通、日本HP(HP Inc.)、デル、東芝となった。2016年第4四半期(10月~12月)は3位がデル、4位は日本HPだったが、2017年第1四半期は3位と4位が逆転する結果となった。
・NEC レノボ グループ
ビジネス市場で前年同期比1.0%増、家庭市場では同比3.1%減となり、全体では0.7%減となった。Lenovoブランドの好調をNECブランドの低迷が相殺する結果となっている。
・富士通
ビジネス市場で前年同期比3.0%減、家庭市場では同比9.6%増となり、全体では0.3%減となった。新モデルが富士通の家庭市場の好調をけん引した。
・日本HP(HP Inc.)
ビジネス市場で前年同期比21.5%増、家庭市場は同比8.3%増、全体では19.6%増と、ビジネス市場と家庭市場ともに勢いのある結果となった。ビジネス市場では従業員規模1,000人未満のセグメントで好調だった。
・デル
ビジネス市場で前年同期比24.7%増、家庭市場は同比38.6%増、全体では28.6%増となった。ビジネス市場と家庭市場ともに伸びが顕著でトップの成長率を達成した。ビジネス市場では従業員規模1,000人未満のセグメントが好調で、家庭市場ではベンダーダイレクトチャネルがけん引した。
・東芝
ビジネス市場で前年同期比1.3%増、家庭市場では同比13.7%減、全体では5.7%減となった。
●家庭市場はマイナスにならない水準で推移
IDC JapanでPC、携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーを務める市川和子氏は「ビジネス市場では昨年から拡大に転じていたが、家庭市場でもようやく回復のトレンドが見えてきた。しかしながら家庭市場において今後も5%~6%の伸びが続くとは見ておらず、前年比でマイナスにならない程度の水準で推移すると予測している。ビジネス市場は昨年第2四半期以降の伸びに比べると落ち着いたが、これが本来の実力だと考えている」とコメントしている。(レビューマガジン社 下地孝雄)
■2017年第1四半期 国内トラディショナルPC出荷台数トップ5ベンダーのシェア対前年成長率(実績値)
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