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クラウド同士の連携に販売店のビジネスチャンスが!?

クラウド同士の連携に販売店のビジネスチャンスが!?

2017年05月18日更新

クラウド化のトレンドは情報系から基幹系へシフト クラウド同士を連携させるサポート提案に需要集まる

クラウドサービスが市場に登場してから10年以上が経過し、当たり前に利用されるツールとなっている。販売店の多くも、すでにクラウドサービスを自社の商材として取り扱っているだろう。そうしたクラウドサービス普及期において、販売店は今後どのようなクラウド提案を進めていけばいいのだろうか。クラウドビジネスの現在について、クラウドサービス推進機構 理事長の松島桂樹氏に伺った内容を、全2回の記事にて解説する。

Lesson 1
すでにクラウドは当たり前に利用される存在に

プライベートやビジネスの用途を問わず、クラウドサービスの活用が活発に進められている。例えば、社内の情報共有を円滑に進めるためのグループウェアやファイル共有サービスは、社内外の場所を選ばずアクセスができる手軽さから、クラウドサービスを選択した方がメリットが高い。これらのメリットが広く知られたことにより、特に情報系のクラウドサービスを導入している企業の割合が増加している。


中小企業のクラウドサービス活用を推進するクラウドサービス推進機構の理事長を務める松島桂樹氏は、現状のクラウドサービス普及状況を次のように語る。


「少し以前ですと、新しいツールを導入する場合、クラウドサービスかオンプレミスか、といったようにユーザー企業に導入する形態を重視した提案を行っていました。しかし最近では、オンプレミス環境だけで業務を進めるという企業は減ってきており、オンプレミスとクラウドの双方を組み合わせた、ハイブリッドクラウドによる活用が当たり前になってきていると感じています」


このような状況の中、中小企業のクラウド活用が新たなステージに進んできているという。従来は情報系を中心に普及が進んできたクラウドサービスだが、昨今は基幹系のシステムもオンプレミスからクラウドサービスへ切り替え、業務で運用しているケースが増えてきているのだ。

Lesson 2
基幹系システムのクラウド化で人的リソースを有効に活用

基幹系システムとは、販売管理や人事給与といった企業のバックエンドを支えるシステムだ。基幹系システムはユーザー数が限定され、リソースが大きく変動しないため、柔軟性や従量課金などの点で利用のメリットがあるクラウドとは相性が良くないように捉えられてきた。


しかし、ハードウェアの運用・保守のコストが大幅に低減できる点や、自社で管理するよりも強固なセキュリティ環境で運用できる点など、基幹系システムをクラウド化するメリットは数多い。また、多くの中小企業は限られた従業員で業務を進めるため、営業職などフロントエンドの業務を担う従業員が販売管理などのバックエンド業務を一部負担してもらった方が、人的リソースを有効活用できる。例えば、販売管理をクラウド化することで、顧客先からオフィスへ戻ることなく、タブレットなどのモバイルデバイスから発注の入力・手配が行えるのだ。このように、基幹系システムをクラウド化することでユーザー企業は大きな利益を獲得できる。販売店にとっては、情報系だけでなく基幹系システムもクラウド提案が行えることで、提案のチャンスが広がってきていると言える。


また、クラウドサービスを利用するためには、デバイス側に相応のスペックが必要になる。販売店は基幹系クラウドの提案と合わせて、スペックの高いノートPCやタブレットの提案を行えば、ユーザー企業の業務効率向上に寄与できる。

Lesson 3
一つのアクションで複数のクラウドと情報連携を可能に

業務系システムのクラウド化が進んでいることで、ユーザー企業からは新たな要望が生まれてきていると松島氏は話す。


「オンプレミスのパッケージソフトでも、クラウドサービスでも、基本的にはベンダーが提供しているサービス以上の機能は利用できません。例えば会計ソフトと販売管理ソフトは別の製品なので、連携を行う場合はデータのインポートやエクスポートを行うなど一手間かけて情報の共有を行っていたと思います。クラウドも基本的には同様で、会計クラウドと販売管理クラウドという二つのサービスを利用しながら、一手間かけて情報を共有していたでしょう」


しかし、クラウドサービスを広くみれば、同一のクラウドサービス同士を利用する企業同士はネットワークでつながっているといえる。そこで、最近ではクラウドサービス同士をネットワークで接続し、互いのクラウドサービス同士でデータのやり取りを行える環境を構築する動きが増えてきている。このような、クラウドサービス同士がつながって新たな価値を生み出すことを「クラウド4.0」とクラウドサービス推進機構では定義している。


クラウドサービス同士がつながることで得られるメリットは、前述したようにデータのやり取りが行える点にある。例えばA社の販売管理クラウドに受注情報などを入力すれば、それが自動的にB社の会計クラウドと連携し、販売データの自動会計仕分けができるといった仕組みだ。

Lesson 4
クラウドサービス連携を実現させるサポートに新たな市場

クラウドサービス推進機構 理事長
松島桂樹 氏

このようなクラウドサービス同士が接続し、情報を相互に連携できるようになることで、ユーザーは一つのクラウドサービスに情報を入力すれば、連携する他のクラウドにも情報が共有されるようになる。


「このような電子上のデータ交換は、従来から『EDI』と呼ばれてきました。同一クラウドを利用する企業間だけでなく、クラウドサービス間も接続することで取引のリードタイムを大幅に短縮し、業務のスピードアップが狙えます。このようなクラウドサービス間を結ぶ取り組みは、多くの場合クラウドサービスベンダー同士で行われますが、このクラウドサービス同士の接続に販売店が関わることで新たなビジネスチャンスが生まれる可能性があります」と松島氏。販売店がクラウドサービス連携のサポートを行うことで、新しい市場の開拓が見込めるのだ。


また、クラウドサービス連携が活性化することにより、販売店はベンダーが異なる複数のクラウドサービスを提案しつつ、共通の業務ポータルを開発してポータルから各クラウドサービスにアクセスしてもらうような、柔軟な提案が実現できるようになる。


「そのためには、一部のベンダーだけでなく幅広いベンダーのクラウドサービスを全部取り扱いますよ、というような中立性が求められるでしょう。さまざまなクラウドサービスを熟知し、フロントエンドからの開発を行うような市場をSIerや販売店に開拓して欲しいですね」と松島氏は語った。

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