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国内IT市場全体に占める事業部門IT支出は3割強

国内IT市場全体に占める事業部門IT支出は3割強

2017年05月23日更新

事業・業務部門IT支出はIT部門支出の成長率を上回る

事業・業務部門のIT支出の成長率が伸びる

国内IT市場ではIT部門よりも事業・業務部門におけるIT支出の成長率の方が高いようだ。IT専門調査会社のIDC Japanが2017年4月13日発表した調査結果によると、2017年の国内IT市場における事業・業務部門によるIT支出は全体の32.1%を占め3兆7,697億円になると予測。一方でIT部門によるIT支出は67.9%を占め7兆9,562億円となる模様だ。
ただしそれぞれの2015年~2020年のCAGR(年間平均成長率)は事業・業務部門が3.1%、IT部門が1.3%と予測しており、事業・業務部門におけるIT支出の成長率が上回るという。

IT部門と事業・業務部門の共同プロジェクトが増加

国内企業において事業・業務部門のIT支出が進む業務領域がある一方で、IT部門が標準化を進めてガバナンス強化を図る領域が共存する構図があると分析している。またIT部門と事業・業務部門が連携し新たなIT活用やビジネスモデルの展開が推進され、両部門が対峙するのではなく共同で推進するITプロジェクトが今後増加すると見ている。
なおIDC Japanでは国内IT支出における支出元がIT部門と事業・業務部門で分析し、事業・業務部門によるIT支出を17の産業分野別と四つの従業員規模別、さらに研究開発やマーケティングなど12の職務機能別に分析した。

産業別、企業規模別の傾向

事業・業務部門のIT支出の割合が高い産業分野は組立製造、プロセス製造、小売、情報サービス、建設/土木分野だった。製造業と建設業においてはエンジニアリングおよび産業固有のオペレーション業務領域のソリューション導入の決定権が事業部にある傾向が強いことと、小売と情報サービスにおけるマーケティングやカスタマーサービス、営業支援の領域を中心に、事業・業務部門が主導的に導入する傾向が強いことが背景にあるようだ。
企業規模別では従業員規模100人未満の小規模企業が最も事業・業務部門IT支出の比率が高く7割前後で推移し、企業規模が大きくなると割合が減少し、従業員規模1,000人以上の大企業においてはIT部門による支出が7割以上を占めると予測している。
また最も事業・業務部門のIT支出の割合が高い職務機能はエンジニアリング/アーキテクチャー/リサーチ、マーケティング、営業、サプライチェーンで、IT支出全体の4~5割を占め、特に事業・業務部門主導でシステム選定と導入が進められていく業務領域であると分析している。

部門単独でのプロジェクトは成功しない!?

国内IT市場における支出元別のIT支出額予測(2016年~2020年)
※Business Fundedは事業・業務部門、IT FundedはIT部門。
※金額は非企業分野である官公庁、教育、一般消費者市場を含まない。
出所:IDC Japan

IDC Japanは昨今のIoTやコグニティブ/AIシステム、AR/VRをはじめとするイノベーションアクセラレーターの取り組みにおいて「実証実験で終了し、その先に進まない」ことが課題として挙がっている。それはこれらのプロジェクトが事業部門単独でIT部門や他部門の積極的な関与がなく、小規模に実施されていることと関連していると指摘している。
IDC JapanでITスペンディング シニアマーケットアナリストを務める岩本直子氏は「実証実験を事業・業務部門と共に進めるITサプライヤーは、そのプロジェクトが継続的な価値を企業にもたらし顧客が目指すデジタルトランスフォーメーションの実現に貢献するためには、実証実験の提案段階からユーザー企業の組織内でのビジビリティ(可視性)を高める支援を含めるべきだ」と提言する。
(レビューマガジン社 下地孝雄)

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