
デルがひとり情シス向けの9つの打ち手を用意
SOLUTION FOR A MANPOWER SHORTAGE
「ひとり情シス」「無人情シス」を救え!
企業の競争力の源泉として位置づけられるようになったITだが、それらを管理する情報システム部門の人員不足は深刻だ。特に中堅・中小企業では、「ひとり情シス」や「無人情シス」の状態も珍しくはない。そこで本特集では、そうした情報システム部門の窮地を救うソリューションについて考察していく。
人員不足を補うソリューションを提案
情報システム部門の人員が足りない
企業の情報システム部門を取り巻く環境が、IT環境の進化に合わせて変化している。業務の効率化、生産性の向上といったIT活用の旧来的な目的はもちろん健在だが、それ以上に企業の競争力を生み出す新たなサービスの創造や製品の開発などにITが活用されるようになってきているからだ。実際、仮想化やクラウドサービス、ビッグデータ、IoTなど新たな技術やサービスも登場し、IT活用の高度化や多様化が進む中で、情報システム部門に求められる役割は多様化している。
コストセンターとみられがちだった情報システム部門では、費用削減による担当者の負担増が継続していたりするが、一方で、情報の管理だけでなく活用が求められていたり、セキュリティ脅威への対応などが必要になるなど、従来以上に業務の範囲は拡大し、責任も重くなっているのは間違いない。とはいえ、人員を容易に増やせるわけでもなく、慢性的な人員不足に陥っている企業が少なくないのだ。
このような状況下で、経済産業省が国内のIT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果を昨年の6月に発表している。同調査では、IT企業とユーザー企業の情報システム部門に所属する人材数は91.9万人で、不足数は約17万人と推計されている。2020年には所属人数は92.3万人とさほど変わらないが、不足人数は36.9万に増加する見通しが立てられている。
ユーザー企業の情報システム部門に所属する人材数だけに焦点を絞ると、調査時点の人材数は25.2万人で不足数は3.9万人、2020年には所属人材数は25.4万人で不足数は7.3万人と倍増を予測する。
同調査では、IoTやビッグデータ、AIなどの先端的なITを扱える人材や情報セキュリティ人材など、これから特にニーズが高まる人材についても不足数が拡大するとしている。例えば、先端IT人材については調査時で人材数は9.7万人、不足数は1.5万人だったが、2020年には人材数は12.9万人に増えるが、不足数も4.8万人に拡大する。情報セキュリティ人材についても、調査時の人材数は28.1万人で不足数は13.2万人だったが、2020年には人材数は37.1万人に増えるが、不足数も19.3万人になると予測する。
中堅企業でも3割弱はひとり情シス、無人情シス
デルが行った「IT動向調査」(2016年12月?2017年1月)でも、情報システム部門の人員不足が顕著になった。デルの中堅企業(従業員100?999名)の顧客400社以上を対象とした同調査では、中堅企業の80%以上がIT人材を10名未満としていて、全体の14%はひとり情シス状態、13%は専任担当者なしという無人情シス状態であることがわかった。
この数値は従業員規模が小さくなるほど拡大する。従業員数が100?199名の規模の企業では、ひとり情シスの割合は20%、無人情シスの割合は24%にものぼる。こうしたひとり情シス、無人情シス企業の中で10%は情報システム部門の増員を検討しているが、90%は業績の状況に関わらず現状維持の予定だという。
デルの調査では中堅企業の3割弱がひとり情シスや無人情シス環境にあることがわかったが、これが中小企業になると、ひとり情シスや無人情シス環境はさらに増えることは予想に難くない。今後も現状維持という企業数は中堅企業と比較すると増加するだろう。デルの調査では、IT運用・保守が複雑となってシステムの障害やトラブル対応にも負荷がかかるため、少人数体制でも運用できるソリューションを求める声が多数あったという。
ちなみにセキュリティ人材の充足状況について調査したNRIセキュアテクノロジーズの「企業における情報セキュリティ実態調査 2017」(東証一部・二部上場企業を中心とする3,000社の情報システム・情報セキュリティ担当者を対象にしたアンケート結果をもとにまとめた)では、情報セキュリティ人材が、「不足している」「どちらかといえば不足している」と考える企業は89.5%。昨年までの同調査でもこの数値は3年連続で8割を超えていたが、最新の調査では9割近くに増加した結果となった。同社では、「昨今のセキュリティ脅威の深刻化で、セキュリティ対策業務の量が増加したことや、仕事の質の向上も求められるという二つの側面から、人材の不足を感じる企業が多い」と推察している。
デルはひとり情シス向けの9つの打ち手を提供
多くの企業にとって、情報システム部門の人員は増やしたくてもなかなか増やせないのが実情だ。それならば、サプライヤー側としては、人員不足を補えるソリューションを提供していくべきである。そうした観点からデルでは、“ひとり情シスソリューション”の提供を開始している。そのコンセプトは以下になる。
・人員は増やせない
最新技術を採用し徹底的な自動化を実現
・検討時間を費やせない
デルの経験に基づいた利用想定で仕様化プロセスを省略
・Start Smallは実際には存在しない
段階ごとに評価可能な導入単位を低コストで具現化
・社内に持つべきコア技術が分からない
社内に持つべき技術を取り込んだソリューションを提供
・グローバル展開は予期していない
グローバル展開を視野に入れてもシステム構成の再検討が不要
実際のソリューション提供の考え方としては、「事前導入/予防による負荷低減」「トラブル対応の仕組み化」「経営課題解決のためのコミュニティ活用」「管理の自動化」「コア業務の内製化によるスキルアップ」「ITと経営の一体化」となり、次の9つの打ち手を展開するという。
・クローニング支援
・自動故障通知
・VDI+セフルポータル化
・クラウドDRとデータ保護
・セミナー、ユーザー情報会
・HCI(ハイパーコンバージドインフラ)+ハイブリッドクラウド
・シンプルで高パフォーマンスなユニファイドストレージ
・ハイブリッド
・ITコンシェルジュ
デルのこうした取り組みは、中堅企業だけでなく中小企業へのソリューション提案の大きな参考になるだろう。
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