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ICT創生推進事業候補先の長野県富士見町は、動物被害対策にモニタリングシステムを構築

ICT創生推進事業候補先の長野県富士見町は、動物被害対策にモニタリングシステムを構築

2017年03月06日更新

推進事業

総務省がICTまち・ひと・しごと創生推進事業にかかわる12件の候補先を決定

総務省は1月27日、2016年度補正予算「ICTまち・ひと・しごと創生推進事業」にかかわる採択候補を決定した。


「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を踏まえ、ICTの一層の利活用により、農業、医療、防災などの各分野で地域が直面する課題解決に貢献し、各地域の産業や行政の効率化、生産性向上を通じて、地域の活性化に役立てるため、指定する要件を満たす事業を2016年11月1日から同年12月2日まで公募した。


総務省が指定する要件は二つあり、どちらか一つの条件を満たす必要がある。一つ目の要件は、これまで全国27カ所において実施してきたICTを使った街づくりの成果事例を活用し、これらの成果の事例において構築したシステムの「普及展開」「自立的」「持続的」な推進体制の整備などを通じて、農業、医療、防災など各分野で地域が直面する課題解決に貢献するとともに、地域の活性化に役立つもの。二つ目の用件は、ICTの利活用を推進し、企業活動変革による地域の業務の効率化や、地域拠点の活用などを通じて地域の産業の生産性向上に貢献するとともに、地域の活性化に役立つもの。


公募の結果、14件の提案があった。外部評価委員による評価結果を踏まえて12件の採択候補を決定した(候補先となった事業は左下の図参照)。

センサーとクラウドで鳥獣をモニタリング

長野県富士見町、徳島県佐那河内村、長崎県五島市の3市町村は、野生動物からの被害対策にICTを活用する。


例えば富士見町の事業概要は、被害を起こす野生動物の位置を把握するために、電気柵や捕獲罠の配置と稼働状況をクラウド上のGISで可視化する。その結果をもとに、専門家と連携しながら地域行政や対策従事者が効率的に野生動物被害対策を行い、鳥獣被害を効果的に低減させるというもの。


佐那河内村では、センサーネットワークを利用し、より効率的な鳥獣の捕獲および防除対策を構築することで、鳥獣被害を減少させ、地域住民の意識改革を図る。センサーが設置されている範囲に鳥獣が来るとその様子がカメラで録画され、鳥獣を威嚇するためにスピーカーから威嚇音を流したりLEDを点滅させたりする。それらの情報は関係者にメールで通知され、鳥獣の行動を共有できるようになっている。

持続可能な森林管理を津山市などに展開

北海道滝上町、滋賀県米原市、岡山県津山市、高知県本山町の4市町は、森林資源についての事業に取り組む。


滝上町は、航空レーザー計測により、詳細な地形情報や単木森林資源情報を取得し、森林GISや森林クラウドで運用して情報共有する。ICT技術を活用した高生産性林業を実施し、林業・林産業を活性化して、魅力ある産業として再生する。航空レーザーで取得した地形情報などは森林GIS・クラウドに保存される。データは森林の中での詳細な作業路網の把握と新設路網の計画、高精度な単木資源情報の整備などに利用される。解析された情報を使って、木材加工や流通まで含めた6次産業化の促進や、木質バイオマス事業への燃料の安定供給などの情報連携に利用する。滝上町はこうした取り組みによって、地域の安定雇用の創出や林業・林産業の活性化、Iターン、Uターンによる人口増加を目指す。


津山市と本山町は、岡山県真庭市の「森林ICTプラットフォーム」を活用して、地域内外の材木需要に応えるための持続可能な森林管理、ならびに森林・林業以外の分野(災害対策・鳥獣被害対策など)との情報共有を進め、地域のさらなる活性化を目指す。


真庭市の森林ICTプラットフォームは2013年度補正予算 ICT街づくり推進事業において「真庭の森林を生かすICT地域づくりプロジェクト」という事業名で実施された。事業内容は、「美作材」(みまさかざい)の産地として、ICTを活用し森林の保全と資源活用の高度な両立を目指したもの。バイオマス発電所への燃料供給確保や地域材流通の拡大などを通じて、地域経済の活性化・雇用の拡大・迅速な災害把握・復旧による資源の保全を図る。事業内容を通じて、面積の7割を森が占める日本の成熟都市を対象としたICTスマートタウンの先行モデルを形成する。


本事業では、真庭市役所と素材生産事業者(真庭森林組合)をネットワークで結び、相互の地域資源情報の共有を測る「森林林業クラウドを構築」した。また、森林資源の把握に必要な図書(真庭市役所および真庭森林組合保有)を森林林業クラウドへ電子化情報として登録して「地域資源情報のデータベース」を構築。通常の航空写真だけでなく無人飛行機などの「ロボットセンサー」から撮影した画像を利用し、地域の森林資源の賦存量を正確に把握できる「航空写真を活用した地域資源モニタリング」を可能にした。今年度のICTまち・ひと・しごと創生推進事業では、こうした真庭モデルを津山市と本山町に普及展開する。

マイナンバーを活用した母子健康支援

山梨県忍野村は、ICTを活用した母子健康支援環境の充実を実現するために、マイナンバーカードの公的個人認証機能を利用した電子母子手帳サービスおよび母子健康情報ポータルを構築する。電子母子手帳サービスや母子健康情報ポータルで、児童増に対応した安心かつ利便性の高い母子健康・子育て環境を実現する。母親はマイナンバーカードで、電子母子手帳の利用を申請することで、スマートフォンから電子母子手帳サービスや母子健康情報ポータルをまとめた「おしの子育て支援プラットフォーム」にアクセスしてさまざまな情報を入手できる。本事業によって、孤立しがちな子育てを支援する。


京都府与謝野町では、食のバリューチェーンに合わせた農業経営ステージをAIで判定し、各ステージに合わせた業務改善対策を実施することで人件費などを削減する。また、IoT技術を応用したロジスティックセンシングシステムも開発し、サプライチェーンを最適化し物流コストを削減する。

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