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AIを搭載したコミュニケーション・ロボット「ATOM」の開発プロジェクトが始動

AIを搭載したコミュニケーション・ロボット「ATOM」の開発プロジェクトが始動

2017年03月03日更新

2月22日、銀座で講談社、手塚プロダクション、NTT ドコモ、富士ソフト、VAIOの5社によるコミュニケーション・ロボットの発表会が開催されました。誰もがよく知る“あの”ロボットが、一家に1台存在するようになるのも遠い未来ではないようです。

アトムを組み立てる?

© TEZUKA PRO / KODDANSHA
コミュニケーション・ロボット ATOM。

空をこえて ラララ 星のかなた
ゆくぞ アトム ジェットの限り
心やさし ラララ 科学の子
十万馬力だ 鉄腕アトム

この歌詞を読んで、つい頭の中でメロディーが流れてきたり、口ずさんでしまったりしましたか? そう、「鉄腕アトム」の主題歌です。
講談社、手塚プロダクション、NTTドコモ、富士ソフト、VAIOの5社は、AI時代に対応するため、日本の科学技術の象徴で、長く愛され夢を与え続けてきた日本を代表するロボット・キャラクターの鉄腕アトムの愛らしさや、人間とのコミュニケーションを目指し、キャラクターロボットを開発する「ATOM プロジェクト」をスタートしました。
鉄腕アトムは、1952年に講談社グループの光文社のコミック誌「少年」で漫画の連載が始まり、1963年にアニメの放送が始まりました。本プロジェクトでは、鉄腕アトムの世界観をベースに、ロボットというエンターテインメント・デバイスの可能性を開拓し、発話コンテンツの研究開発を行います。
まず、本プロジェクトの第一弾として講談社は、組み立て式のパートワーク「コミュニケーション・ロボット 週刊 鉄腕アトムを作ろう!」を創刊します。鉄腕アトムを元にモデリングを行った家庭用二足歩行ロボット「ATOM」をユーザーが組み立てるパートワーク全70巻を4月4日から、全国の書店で発売します。

各社の技術を集結させる

ATOMに関わる各社の役割分担。

ATOMのモデリングは手塚プロダクションが担当しました。同プロダクションは、微妙な三次元曲面を再現するため手作りの粘土塑像からCADデータを起こし、ATOMのかわいらしい表情を生み出しました。
富士ソフトは、ATOM本体の設計開発を担当しました。人が無意識で行う自然な動作を再現するための「フロントエンドAI」は、同社が開発したコミュニケーション・ロボット「PALRO」(パルロ)の技術です。ATOMにもフロントエンドAIを搭載し、顔認識で家族や友だちを12人まで認識してリアルタイムで人の表情に反応し、親和性の高いコミュニケーションを実現します。
対話をしていて、ATOM本体が認識できない言葉の場合は、音声認識でテキスト化された後クラウドへ移行し、NTT ドコモのサービス「しゃべってコンシェル」の基盤技術を活かした「自然対話プラットフォーム」で対話します。
VAIOは、ATOMに搭載されるメインボードやヘッドボードの基盤の製造を担当します。また、同社では、組み立てが苦手な人のために「ATOM組み立て代行サービス」も実施します。

ATOMに搭載されている機器の例。

講談社 代表取締役社長の野間省伸氏は、本プロジェクトのキーワードに「キャラクター性」「自然対話」「エンターテインメント」の三つを掲げました。「ATOMは一人ひとりの友だちになり、家族の一員になっていく人工知能ロボットです。ATOMを通して一家に1台進化する家庭用ロボットの普及を目指していきます」と話します。
NTTドコモ 代表取締役社長の吉澤和弘氏は「自然対話プラットフォームは、同社のクラウド上でのAI技術で、家庭用の会話データを記憶します。ATOMとユーザーが会話をすればするほど、両者の新密度は向上していきます」と解説します。
また富士ソフト 代表取締役社長執行役員の坂下智保氏は「介護施設で700台以上導入されているPALROで培ってきたテクノロジーを注いでいきます」と話します。
VAIO 代表取締役の大田義実氏は「弊社はPCメーカーですが、受託製造ビジネスを展開しており、PALROの製造も行ってきました。その経験を活かしたいです」と意気込みを語ります。

左から、富士ソフトの坂下氏、NTTドコモの吉澤氏、講談社の野間氏、ATOM、手塚プロダクションの手塚氏、VAIOの大田氏。

ATOMは130個の部品をドライバー一つで組み立てられます。手足から作っていき、2018年9月に発行する70巻で完成し、ATOMが誕生します。
講談社 アトムプロジェクト プロジェクトリーダーの奈良原敦子氏は「ATOMは、頭部に搭載されたカメラで、顔を見分け、子ども、成人男性、成人女性、お年寄りの4属性を判断します。最大12人の顔写真やニックネームなどを登録できます。登録した友達の属性に応じた会話内容や言葉の使い分けを行い、友達になってくれます」と解説します。

© TEZUKA PRO / KODDANSHA
家族と会話するATOM。

コミュニケーション・ロボット 週刊 鉄腕アトムを作ろう! は、4月4日創刊です。2月22日から定期購読や組み立て代行サービスの予約が開始されます。
ATOMが編集部の仲間になってくれたら、みんなの癒しになると思うので、編集長に直談判してみようと思います!(レビューマガジン社 松尾好江)

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