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法人向けタブレット市場は製造、金融、サービス産業が市場をけん引/文教向けではタブレットの仕様統一への取り組みが必要

法人向けタブレット市場は製造、金融、サービス産業が市場をけん引/文教向けではタブレットの仕様統一への取り組みが必要

2017年02月28日更新

今後は新たな大型案件が期待できない!?

国内法人向けタブレット市場・産業分野別 出荷台数予測(2015年~2020年)
出所:IDC Japan

2015年までのタブレット市場はB2B2C用途が市場をけん引していたが、企業の方針変更によって今後新たな大型案件が期待できないかもしれない。
IT専門調査会社のIDC Japanが2016年12月22日に発表した国内法人向けタブレット市場の2016年~2020年における産業分野別予測によると、国内法人向けタブレットの出荷台数の2015年~2020年のGAGR(年間平均成長率)はマイナス4.8%と予測している。
また企業での業務端末としてのタブレットはモバイル端末に合わせた見やすい画面設計のアプリケーションの追加などの再設計を行う必要があり、企業にとって新たな費用負担が必要となると指摘している。
PCの社外持ち出し制限を行っている企業ではタブレットも同様の制限がかけられる可能性が高く、このため企業では業務端末としてのタブレット導入に消極的になっていると考えられると分析している。なおこの予測は2016年5月時点の予測に基づいている。

2020年までの年間平均成長率は総じて堅調

産業分野別に見た2020年までのタブレットの出荷台数は製造、金融、サービスの産業分野の成長率が高いという。製造では次世代PLM(Product Lifecycle Management)システムにより生産ラインにタブレットを設置し、設計のマイナーチェンジなどの情報を即時に生産に反映させるなどの市場機会があると考えられ、2015年~2020年のCAGRは9.0%になると予測している。
金融ではすでに生命保険会社を中心にタブレットが導入されているが、2018年以降にこれらの買い替え需要が期待されると考えられ、2015年~2020年のCAGRは7.2%になると予測している。
またサービスでは日本郵便による高齢者向けタブレットや、インターネットプロバイダーなどによるモバイルコンテンツ課金などによるビジネスモデル構築のための端末としてタブレットの導入が進められることが期待され、2015年~2020年のCAGRは4.6%になると予測している。

学校向けは今後2年間で140万台の需要がある

2013年に政府により閣議決定された「第2期教育振興基本計画」では、学校のICT化を進め授業の革新を推進する方針が出されており、この計画では2018年3月までに学校(小学校~高校)の児童生徒の3.6人に対し1台のPCまたはタブレットを設置することを目指しており、今後学校(小学校~高校)でタブレットの活用が進むと見られる。
なお2016年3月時点の文部科学省が公開したデータによると6.2人/台のPCまたはタブレットが設置されており、その中でタブレットは47.7人/台が設置されているという。
2018年3月までに本計画を実現するためには今後2年間で約140万台のPCまたはタブレットを新たに導入する必要があり、この中でタブレットの導入比率が高くなると見られる。

学校と企業での課題も浮き彫りに

今後、大量のタブレット導入を進めるためにはタブレット本体のコストを下げることが必要となり、また児童生徒が転校した場合でも同じオペレーションが求められる。そのためにはタブレットベンダーと国が協調して学校タブレットの仕様について早急に取り組むことが必要だ。
IDC JapanでPC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストを務める浅野浩寿氏は「企業でのタブレット需要は一巡し、従来からのプレゼンテーション用途に加えて社外からの基幹システムとの連動やこれによる意思決定の速さによる効率的な業務を行うことが求められている。これを実現するためには各企業でのシステムの見直しとともに、ROIなどを使った投資対効果の明示が必要になる」と分析している。(レビューマガジン社 下地孝雄)

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