
エーアンドエーと日本HPがコラボして快適な3D CAD利用環境を提供する
cross エーアンドエー×日本HP
CADソフトとワークステーションのコラボで 快適な3D CADの利用環境を構築する
建築・建設業や製造業などで設計支援ツールとして利用されるCADソフトは、2Dだけでなく3Dの利用も多くなっている。しかし、よりPCに高負荷がかかる3D CADデータを編集するには、相応の性能を備えたハードウェア環境が必要だ。3D CADの利用環境について、3D CADソフトのVectorworksを販売するエーアンドエー 取締役 営業本部 本部長の横田貴史氏と、ワークステーションを提供する日本HP パーソナルシステムズ事業本部 ワークステーションビジネス本部 本部長の小島 順氏に伺った。
2Dから3Dへの移行期に突入
──建築・建設業や製造業などで設計支援として利用されるケースの多いCADソフトとワークステーションですが、2016年までの市場動向を振り返りつつそれぞれの市場の動きを教えてください。
横田氏(以下、敬称略)●建築・建設業や製造業では、2Dから3DへとCADソフトの利用領域が広がっていると感じています。特に建築設計では、実施設計図の作業時間を短縮し、基本設計のデザイン検討に十分な時間を費やすことができるBIM(Building Information Modeling)が活用され始め、3Dプリンターや3Dスキャナーのように、容易に3Dデータを実体化したり実物から3Dデータを作成できたりする周辺機器も市場に出てきているため、2D CADから3D CADへの移行を検討しているユーザーが増えてきています。
当社が販売するCADソフト「Vectorworks」は、販売ライセンス数が2015年と比較して大幅に伸びています。その背景には、前述したように3D化へのニーズが増加したことで、利用ユーザーが大手建設企業だけでなく個人や中小規模の設計事務所にも広がってきていることが挙げられます。
小島氏(以下、敬称略)●3D CAD需要の増加は、ワークステーション市場にも大きな追い風となっています。現状、ワークステーションを始めとしたPC市場は、ハードウェアの利用年数が延びており、買い替えサイクルが鈍化しています。しかし、建築系ユーザーがデータの3D化などに取り組もうとした場合、より高性能なワークステーションが必要になります。そのため今後ワークステーションに対する需要は高まっていくと当社では予測しています。
当社では、建築系ユーザーを始めとした3Dデータの利用を推進するため、インテル Xeon プロセッサー E5 v4ファミリーを採用したCPUや、最大1TBメモリー搭載できる最速の性能を備えたZ840シリーズもラインアップしており、クリエイターやエンジニアの業務を強力にサポートできます。
高性能ワークステーションで作業効率を向上する
──今後さらに3D CADの需要が広がっていく中で、市場に対する両社の施策を聞かせてください。
横田●2017年から日本HPとのコラボレーションを推進していきます。コラボレーションでは、両社のテクノロジーを、使い方を含めてユーザーに提案できるような展開を進めていく方針です。具体的には、当社が1月13日から提供を開始する最新バージョン「Vectorworks 2017」と、日本HPが1月中旬頃に発売を開始するミニワークステーション「HP Z2 Mini G3 Workstation」の発売を機に、3D CADの使いやすさだけではなく、ワークスタイルの改革などにもつなげていく予定です。
──両社のCADソフトとワークステーションを組み合わせることでどのような効果が生まれるのでしょうか。
小島●当社のCADなどの高負荷作業が必要な業界向けワークステーションは、3Dモデルの設計などでも利用しやすいように開発されています。そのため3D化への移行やBIMの活用を検討しているユーザーにとって最適な作業環境を提供できるでしょう。また、当社が開発した独自圧縮技術採用のリモートアクセス・ソフトウェア「HP Remote Graphics Software」(以下、HP RGS)では、オフィスに設置したまま、社外から社内のワークステーションにアクセス可能です。こういった機能により、新しいワークスタイルの提案ができます。今回発売するHP Z2 Mini G3 Workstationは、従来の省スペースワークステーションと比較して約80%の小型化を実現しており、設置スペースが限られる学校や中小規模の建設事務所などにも設置しやすいでしょう。
横田●学校では、生徒数に対応できる設備数が必要になり、設備の設置場所が限られますが、HP Z2 Mini G3 Workstationでしたら高い性能を提供しながらも設置スペースをコンパクトに抑えられます。建築やデザイン系の学校も3D CADの利用環境の整備が求められていますので、提案のチャンスと言えるでしょう。またVectorworksには、生徒が授業以外でも予習や復習に利用できる学生版などを用意しており、自己学習や研究作品制作などに活用していただけます。日本HPのワークステーションと組み合わせて提案すれば、訴求力も高まると思います。
小島●実際に、日本HPのワークステーションも工学部など技術系の学校現場で教材用の教室端末として採用していただくケースが多いです。今後、VectorworksのCADソフトを利用したいユーザーに対して、当社のワークステーションで認証済みのCADソフトなので安心して利用できますよと提案できれば市場を広げていけるでしょう。
バンドル販売の展開も検討
──今後のビジネス展開への期待を聞かせてください。
横田●ワークスタイル改革ができるというメッセージだけでなく、VectorworksのCADソフトと日本HPのワークステーションという具体的な商材を用いて提案することで、販売店はユーザーに対して使い方の事例などを説明できるのではないかと思います。
小島●使い方の提案をするにあたって、今後Vectorworks のCADソフトと当社のワークステーションのバンドル販売といったことを検討していきたいです。
横田●当社と日本HPのコラボレーションによって、3D CADへのスムーズな対応環境を多種多様な分野のユーザーに提案できると考えています。このコラボレーションによって建築・建設業や製造業の業務をさらに効率化できるよう、今後さらに連携を強化していきたいですね。
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