
戸田覚が付箋とデジタルを組み合わせた発想法を伝授!
テーマ 付箋+デジタルを使った発想法
アイデアは組み合わせから生まれる
アイデアを生み出す作業は、得手・不得手がはっきり分かれている。今回は誰でもすぐにできるアイデアを生み出すための手法を紹介するので、不得手な人も得意になれるはずだ。おなじみの付箋を使っていくので、いつでも手軽に作業できるのが好ましい。
付箋を利用して情報を書き出そう
僕は、新しいアイデアは、実は全くないと思っている。現在では、ほぼすべてのアイデアが既知の情報の組み合わせだ。学者などの専門家は、全く新しい発明を目指している方もいるだろう。だが、我々が「新しい売り方」「新商品」などを提案するとしても、全くの新規というケースはまずない。
すでにある商品をブラッシュアップしたり、重量や価格を下げたり、素材やデザインを変えるのが一般的だ。「今までと販路を変えてインターネットで売る」といったアイデアも、自社にとっては新しいかもしれないが、それ自体は少しも目新しくない。
つまり、頭をひねって新しいことを考える必要はないのだ。頭をひねるべきは、山のようにある既知の情報から、自分が必要なものをうまく見つけ出し、組み合わせたりアレンジしていくことだ。
そのために役立つのが付箋というわけだ。まずは、思いついたことをどんどん書いていく。この時点では、何か調べてはいけない。自分で知っていることをまず書き出す。これによって、自分が知らないことが分かりやすくなり、より発想がはかどるのだ。
まずは、情報の量よりもカテゴリーの把握ができるようにする。例えば、「新しい飲料」を提案するとしよう。まずは、自分が知っている飲料を片っ端から書いていく。もちろん、思い出せる限りでOKだ。すると、そもそも飲料にはジャンルやカテゴリーがあることが分かる。「お茶」「ジュース」などのカテゴリーが把握できると、より頭の中のアイデアを取り出しやすくなるだろう。なんとなく考えているだけとは大きく違うはずだ。
また、メモやノートと違って、付箋は貼ったりはがしたりできるので、グルーピングを変更しながら、カテゴリーを見極めていける。ここが、ポイントだ。僕は、何度も貼ったりはがしたりするので、強粘着タイプの付箋を利用している。
見やすく考えていくコツは、色を的確に変えていくことと、並べ替えだ。カテゴリーを示す付箋はいわばタイトルなので、見やすいように色を変更しよう。また、「ミルク」と「コーヒー」から連想して「ミルクコーヒー」を思い出したなら、新しい付箋を作ってもいいし、ミルクとコーヒーの付箋を重ねてもOK。そのあたりは柔軟に使っていけばよい。大量の付箋を書いて組み合わせていくと、新しいアイデアや今までにない商品が思いつくだろう。
紙の付箋をデータ化していつでもアイデアを練る
付箋による発想はとても効果的なのだが、事務所にいないときには使いづらいのがネックだ。なるべく広い壁やテーブルを利用して考えていくのがオススメなので、ノートなど貼り付けて持ち歩いても、作業性がよろしくない。
移動中に利用したいなら、専用のアプリ「Post-it Plus」を推奨する。iPhoneもしくは、iPadで利用できるアプリで、壁やテーブルに貼り付けた付箋を取り込める画期的な1本だ。僕は画面が広いので、主にiPadで利用している。一度発想を終えた付箋は捨ててしまうことになるのだが、このアプリに取り込んで保存しておけば、ずっと記録しておける。また、移動中にiPadを見て、付箋を並べ直してアイデアを考えたり、新しい付箋を追加することもできる。つまり、壁を使っていた作業が画面上でできてしまうのだ。
付箋の取り込みはとても精度が高く、驚くほどの認識率だ。ただし、取り込むためには付箋が正方形であることが条件になっている。普段から正方形の付箋を使って作業をするとよい。
付箋を追加する際には、手書きで内容を書いていく。Apple Pencilが利用できればいうことなしだが、そう細かな文字を書くわけではないので、市販のスタイラスでもOK。急遽追加したいなら指でも大丈夫だ。
新規の付箋の色を変えたいなら、アプリ内課金で「Editor's Pack」を利用する必要がある。有料アプリに抵抗がある方も少なくないだろうが、240円なのでコーヒー1杯だと思えば安いものだ。
出先でも好きな色の付箋を作れるようになるので、グルーピング作業もはかどるだろう。大量の付箋を持ち歩いて、空いた時間にちょっと発想作業をしてみるのも気分が変わってよいものだ。逆に移動中に急遽思いついたアイデアがあったら、サッと追加できるのもいい。
付箋があまりお好みではない方は、アウトラインプロセッサーを利用しても、同様の発想は可能だ。使い勝手の柔軟さは付箋には劣るものの、階層を利用したアイデアの整理ができる。アウトラインプロセッサーは、Wordでも利用できるので、工夫してみて欲しい。また、フローチャート作成アプリでも同様に組み合わせと階層を考えながら発想していける。
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