
データの断捨離を勧めるベリタス/データの溜め込みに伴うリスクの解決策
情報管理のリーダー企業を謳うベリタステクノロジーズは2016年12月1日に、世界13カ国における「データ溜め込み傾向」を示す「データホーディングレポート」を発表し、データホーディング(データの溜め込み)の実態とそのリスク、解決策となるデータの断捨離を実施するための同社のソリューションについて説明会を実施した。
データホーディング(データの溜め込み)の実態を説明するベリタステクノロジーズ合同会社 常務執行役員 テクノロジーセールス&サービス統括本部 高井隆太氏。
データの溜め込みが常態化している
ベリタステクノロジーズはすでに情報管理に重要となるデータゲノム(データの本質)を把握し、深刻化するデータ増大に取り組む世界中の企業やデータサイエンティストなどの専門家と、その知見を共有することを目的と「Data Genomics Project」を実施している。
Data Genomics Projectでは顧客の実際のシステムにおける非構造化データ環境に含まれる数百億におよぶファイルとその属性を調査し、その結果を「Veritas Data Genomics Index」で発表している。
今回発表された「データホーディングレポート」は外部機関(Wakefield Research)に調査を依頼して世界13カ国、10,022 人のホワイトカラーとIT意思決定者を対象に、データの管理方法に関するアンケートを実施してデータ保存に関する傾向を分析したものとなる。
その結果データを溜め込む習慣が世界中のあらゆる企業に蔓延していることがわかったという。そしてデータの溜め込みは生産性の低下や情報漏えいなどのリスクをもたらすと指摘した。
役員が問題の深刻さを理解していない
説明会ではベリタステクノロジーズ合同会社 常務執行役員 テクノロジーセールス&サービス統括本部 高井隆太氏がデータホーディングレポートの調査結果や問題点、解決策などについて解説した。
まず高井氏は「国内企業ではデータの溜め込みが常態化している」と指摘した。調査結果によると日本のIT意思決定者は自身が作成した全データのうち平均54%(世界全体でも54%)を保存しているという。
特に日本ではIT意思決定者の45%、ホワイトカラーの37%が10 年以上保存しているファイルがあると回答したという。この割合は13カ国の中で最多となる。ちなみに世界全体ではそれぞれ25%と26%だ。
こうした実情について日本のIT意思決定者の73%(世界全体では78%)が自社にデータを溜め込みすぎていると認めているという。しかしながらIT担当以外の役員のうち、日本では78%(世界全体では82%)がこの問題の深刻さを理解していないという。
不要な保存データがもたらすリスク
データの溜め込みが常態化している理由についても同社は調査している。その結果「溜め込んでいるデータがいつか必要になるかもしれない」や「どのファイルを保管または削除すればよいのかわからない」「自分のファイルが問題の原因となるとは考えていない」「ファイルの削除に時間がかかりすぎる」などの理由が多かったという。
また日本のIT意思決定者の72%(世界全体では73%)が自社のデータ管理ポリシーを履行するための十分な時間とリソースがないと答えているほか、日本のホワイトカラーの47%(世界全体では69%)が古いファイルの整理や削除が大変で断念したと答えている。
ではデータの溜め込みはどのような問題を引き起こすのだろうか。高井氏は「データが管理できていないことで情報漏えいのリスクが高くなる。また無駄なデータがサーバー容量を圧迫し、その管理に無駄なコストと手間がかかっている」などを指摘する。
調査結果でも日本のIT意思決定者の81%(世界全体では86%)が保存するデータが増え続けると、情報漏えいが起きた際の対応にかかる時間がさらに長くなると懸念している。
また保存しているデータ自体がリスクをもたらす可能性もあり、のIT意思決定者の65%(世界全体では86%)が自社や自身のキャリアにとって好ましくないデータを保存していると認めている。
さらに高井氏は「日本では89%(世界全体では96%)が不要な個人用ファイルを保存していると回答しており、企業の無駄な保存データの大部分を個人用ファイルが占めているいる」と説明する。
データの断捨離で溜め込みを解決
データの溜め込みが企業のリソースの無駄な消費や情報漏えいなどのセキュリティリスクとなっていると強調するベリタステクノロジーズでは、その解決策としてデータの断捨離を提唱する。
高井氏はデータの溜め込みの解決策として従業員の意識改革、連携や責任の範囲の明確化といった人的取り組みをはじめ、保存データの可視化、分類、削除、リスクの特定を挙げる。そして企業が行うべき情報管理のフレームワークとして「ベリタス情報ガバナンスモデル」を示した。
そしてエンタープライズデータ管理を全方向で支援するベリタスのソリューションの中で、企業が保有する非構造データを可視化してデータ管理にお意思決定を支援する「Information Map」を新たに発表した。
Information MapはNetBackupのメタデータを活用して非構造データを可視化して不要なデータを破棄したり長期間保存されて使用頻度が低いデータの管理場所を移動したりするなど、データを適正かつ安全に管理するためのツールだ。
NetBackupはオンプレミスや仮想、クラウドなど異なる環境で管理されているデータを一元的に保護できるため、そのメタデータを活用するInformation Mapは分散した非構造データを可視化できる。
現在、Information Mapの利用はNetBackupを導入済みの企業が対象となるが「今後は対応製品および対応クラウドを拡大する」(高井氏)としており、企業の情報管理の合理化とデータ保護の強化を支援するとともに、新たなビジネスの創出も期待しているようだ。
Information Mapによって企業が保有するデータの棚卸が容易になれば、より細かくデータの管理や保護のソリューションの提案や、調査やアドバイスなどのサービス提供ができるようになるからだ。(レビューマガジン社 下地孝雄)
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