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サブスクリプションを採用したAutoCADを導入する中小企業が増加

サブスクリプションを採用したAutoCADを導入する中小企業が増加

2017年01月19日更新

オートデスク

サブスクリプションで新規顧客を獲得
地方と中小企業の需要開拓に注力する

CADソフトである「AutoCAD LT」はグローバルで業界標準の一つとなっており、国内でも、製造・建築・建設・土木などさまざまな業界の設計業務に広範囲に使われている。ところが最近、AutoCAD LTを導入・利用する企業の裾野が広がっているという。その理由は新たなライセンス体系となる「サブスクリプション」の採用だ。そこでサブスクリプションによるAutoCAD LTの市場戦略について話を伺った。

すべての製品のライセンス体系を変更
サブスクリプションで新規顧客を開拓

オートデスク チャネルセールス マネージャー 佐藤正教 氏

「CADの設計データや図面は、製造・建築・建設など『もの』を造るさまざまな産業で使われています。製品開発、建物や道路の改修などプロジェクトや案件の大小に関わらず、設計やものづくりの業務に携わっている企業であれば、AutoCADの標準フォーマットであるDWGという形式のファイルを開くニーズがあります。サブスクリプションモデルになったことで、中小規模の新しいユーザーが増えていることを実感しています」と市場の動向を説明するのは、オートデスク チャネルセールス マネージャー 佐藤正教氏だ。

“中小規模の製造業や設計事務所など新しいユーザーが使い始めています”

新しいユーザーが使い始めているとはいえ、AutoCAD LTへのニーズは以前よりあった。AutoCAD LTはCADソフトの業界標準の一つであるため、図面を扱う業務にAutoCAD LTを利用することでCADデータのやり取りが円滑に行え、メーカーや元受けとしても外注先がAutoCAD LTを利用しているほうが発注しやすいという実情がある。そのため中小規模であってもAutoCAD LTを利用しているほうが仕事を受注しやすいというわけだ。


しかしながら中小規模の設計事務所でAutoCAD LTを導入しているケースは少なかった。中小規模の企業においてもAutoCAD LTへのニーズが高いにもかかわらず、導入が少なかったのはなぜか。それは導入時の初期コストの負担の大きさが原因である。


そこでオートデスクは同社のすべてのソフトウェア製品のライセンス体系を見直し、新しいライセンス体系を導入した。それが「サブスクリプション」と呼ばれる期間ライセンスである。

AutoCAD製品の価格変更が 導入の追い風に

オートデスクは2016年9月7日から、AutoCADおよびAutoCAD LT製品の価格を大幅に値下げした。例えば、AutoCAD LT 2017のシングルユーザーの1年間の費用は、旧価格の5万7,000円に対して、新価格は3万9.900円と30%値下げした。中小規模のユーザーにも導入しやすい価格設定だ。

現在、オートデスクのソフトウェア製品のすべてが、サブスクリプションで提供されている。佐藤氏は「ライセンス体系をサブスクリプションに変更したことで、これまで当社の製品を導入していなかった、特に中小規模のお客様の新規導入が増えています。Auto
CAD LTでは個人企業も含め中小企業のお客様の新規導入が増加しています」と説明する。


オートデスクのサブスクリプションは製品を使用する期間を3カ月、1年、2年、3年から選ぶことができる。そのため初期コストを抑えることができ、例えば短期のプロジェクトで利用するなどの柔軟な導入もできる利点がある。当然、利用期間を延長して長期間利用し続けることも可能だ。


なおサブスクリプションでは従来の永久ライセンスと同様にすべての機能が利用できるのはもちろん、最新バージョンの製品が常に利用できる。サブスクリプション費用にはライセンスコストだけではなく、技術サポートや次期バージョン提供などの保守サービスも含まれる。


サブスクリプションの利点について佐藤氏は「PCの仕様やOS進化のスピードが速くなっているのと同じように、ソフトウェアも次々に便利で高度な機能が実装されています。買取式の永久ライセンスで現在の進化に追随するとコスト負担が大きくなりますが、サブスクリプションでしたら一定のコスト負担で常に最新の機能が利用でき、トータルでコストを抑えられます。ですので既存の永久ライセンスをご利用中のお客様にもサブスクリプションの導入メリットは大きいのです」と強調する。

サブスクリプションの周知に注力 地方と中小企業にビジネスチャンス

これまでAutoCAD LTのニーズはあるが導入しなかった中小規模の製造業や設計事務所などにも、サブスクリプションの提案が有効だ。


サブスクリプションは初期導入コストが永久ライセンスの3分の1ほどに抑えられる上に、限定したユーザーに短期間のみ導入することもできるため、わずかなコスト負担でトライアル導入の提案も可能だ。


佐藤氏は「実際にAutoCAD LTをサブスクリプションで導入いただいた新規のお客様からは、これまで取り扱えなかった仕事が受注できるようになったと聞いています」と話す。


さらに「旧バージョンからサブスクリプションに移行したお客様からは、常に最新バージョンが使用できるためファイルを旧バージョンに変換する手間が省けて業務が効率化した、ライセンス管理がしやすくなったなどのご評価をいただいています」と続ける。


同社では今後の拡販についてサブスクリプションの認知を高めることと更新の継続を重視している。すでにサブスクリプションは世界中の主要なソフトウェアベンダーの多くが採用し、国内でも首都圏では認知が高い。しかし地方では周知が十分ではないという。


佐藤氏は「今後はオートデスクの製品がサブスクリプションで提供されていることと、それによって低コストで導入できること、追加料金なしで常に最新バージョンが利用できること、販売店様は継続した売り上げと商機の拡大が期待できることなど、ダイワボウ情報システム(DIS)様を通じて販売店様とお客様にそれぞれのメリットを周知していきます」と説明する。


佐藤氏の説明の通り永久ライセンスは売り切りだが、サブスクリプションはユーザーと継続した関係が築ける。例えば更新時期の案内をはじめ、クラウドサービスとモバイルデバイスを組み合わせたAutoCAD LTの新しい活用提案など、ビジネスを継続させながら広げていくことも可能となる。今後オートデスクはサブスクリプションによるストックビジネスに意欲的な販売店に向けた支援策を拡充していく計画だ。特に地方と中小企業の開拓に注力する。

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