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コラボレーション市場はクラウドシフトが進む

コラボレーション市場はクラウドシフトが進む

2016年12月08日更新

企業のコミュニケーションを加速させるグループウェア市場やWeb会議などのコラボレーション市場に変化が訪れている。市場拡大の背景には製品のクラウドシフトが進んでいることが挙げられる。今回は三つの市場調査をもとに、最新の市場動向に迫っていきたい。

Groupware

導入済SaaS形態グループウェアのシェアは9.0%から29.7%に拡大
グループウェアはクラウドシフトが進む!?

ノークリサーチは、「2016年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」を発表した。レポートによると、2016年の中堅・中小企業におけるグループウェアの導入社数シェアの上位3製品は、サイボウズ「サイボウズOffice」、日本マイクロソフト「Office365/Exchange Online」、日本IBM「IBM Notes/Domino」となった。


昨年まで「サイボウズOffice」「IBM Notes/Domino」「Microsoft Exchange Server」が上位3位に位置付けられる状況が長く続いてきたが、IBM Notes/Dominoが3位に、Microsoft Exchange Serverが7位に落ち込んだ結果となる。


変化の中で目立ったのは、「Office365/Exchange Online」や「Google Apps for Work」などのSaaS形態のグループウェアが導入社数シェアの上位に進出した点だ。


「導入済みの最も主要なグループウェア製品/サービスの運用形態」の調査によれば、「ASP/SaaS利用」の割合は2015年の9.0%から2016年の29.7%と大幅に増加したという。半面、パッケージ(社内設置)は2015年の53.0%から2016年の割合は36.6%、パッケージ(データセンター設置)では2015年の15.8%から2016年には11.6%に下がっている。


割合が上がったのはIaaSやPaaS、SaaSの運用形態の製品で、クラウド利用が進んでいることが予想できる。

小規模な企業でも価格よりも機能性を求める

ノークリサーチは、グループウェアの導入者数シェアの変動が起きている状況を受け、改めてユーザー企業がグループウェアに求める機能について調査を行った。調査は年商5億円未満、年商5億円以上から10億円未満、年商10億円以上から20億円未満の三つの年商帯においてのグループウェア製品/サービスが持つべき機能や特徴についての回答を集めた。


これら三つの年商帯は、中堅・中小企業の中でも規模が小さな年商帯であるが、「導入時の初期費用が安価である」という項目への回答数と比較して、「独自のアプリケーションを自社で作成することができる」「ワークフロー関連の機能が含有されている」といった項目の回答割合が高くなる結果となった。特に年商5億円未満の企業は独自のアプリケーションが作成できる点を重視し、年商5億円以上?4点10億円未満の企業はワークフロー関連の機能が含有されている点を重視している傾向にある。


つまり、小規模な企業であっても「初期費用が安ければ良い」という訳ではなく、独自アプリケーション作成やワークフロー活用といった機能を求めていることがわかる。


冒頭に述べた導入社数のシェアの変動を「初期費用が安価なSaaS形態が伸びている」と単純に捉えることはせず、ユーザー企業の今後のニーズを踏まえた対策を講じていくことが重要だとノークサーチは指摘した。

Collaborative & Contents Application

ファイル同期/共有ソフトウェア市場のクラウド成長が拡大

IDC Japanは、「国内コラボレーティブ/コンテンツアプリケーション市場予測」を発表した。同調査ではコラボレーティブ/コンテンツアプリケーション市場を、eメールアプリケーション/会議アプリケーションなどを含む「コラボレーティブアプリケーション市場」と、コンテンツ管理ソフトウェア/エンタープライズポータルなどを含む「コンテンツアプリケーション市場」に分類して調査を行っている。


2015年国内コラボレーティブ/コンテンツアプリケーション市場規模は、前年比成長率5.4%、3,860億9,400万円となった。その要因として、コラボレーティブアプリケーション市場でのクラウド移行、特にファイル同期/共有ソフトウェア市場のクラウド成長が著しかったことが挙げられた。2016年の国内コラボレーティブ/コンテンツアプリケーション市場は、企業のデジタルトランスフォーメーションの進行によって市場拡大継続が見込まれており、前年比成長率3.4%になると同社は予測した。

2016年以降の同市場については、2015?2020年の年間平均成長率は2.9%で推移し、2020年には4,458億2,700万円の規模になると予測している。市場の成長要因としてクラウドによる機能提供の拡大、コグニティブシステムの業種ソリューションへの浸透などを見込んでいる。

Collaboration & Contents Mobile Administration

BYOD需要でMAM市場は前年比145.5%増

ミック経済研究所は、「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理ソフトの市場展望2016 年度版」を発刊した。


調査によると、11分野から構成されるコラボレーション/コンテンツ・モバイル管理市場の内、2015年度のコラボレーション市場の割合は75.7%。クラウド利用の拡大からWeb会議、ワークフロー及びソーシャル機能/SNSが前年比110%を超え、市場を牽引した。


コンテンツ管理市場では、文書管理はリプレース需要中心ながら、e-文書法対応需要の取り込みを図り、ECMは企業内の各種コンテンツや情報の一元管理のニーズをベースに情報共有基盤の見直しが進んでいるという。


中でも最も高い伸びを示したのはモバイル管理市場で、前年比132.2%、128.4億円市場に拡大している。MDM(モバイルデバイス管理)、MCM(モバイルコンテンツ管理)、MAM(モバイルアプリケーション管理)ともにクラウドをベースに成長を続けているという。中でもアプリケーションとデータを管理するMAMは、個人のデータとは切り離して、業務に必要なアプリケーションにだけ対策を施せるため、BYODを意識している企業から需要が高く、前年比145.5%と大きな成長を遂げた。


2016年度のコラボレーション/コンテンツ・モバイル管理ソフトの総市場規模は、前年比112.7%の1,160億円と引き続き拡大が見込まれ、東京オリンピック開催の2020年度には1,670億円の市場規模になることが予測された。

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