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デスクトップPCがボトル型でバッテリーも内蔵しているだと?

デスクトップPCがボトル型でバッテリーも内蔵しているだと?

2016年12月09日更新

四角くないPC

Diginnos DG-CANPC

サードウェーブデジノスが提供している「Diginnos DG-CANPC」は、円筒形のユニークなデザインのWindows 10ボトル型PC。バッテリーも内蔵しているので、モバイル型の据え置きPCという使い方も可能だ。オフィスや会議室にあっても、PCを意識させないスタイリッシュなデザインは、新しいニーズを開拓する魅力を持っている。

小さなボトルに必要な機能を搭載

PCといえば四角いもの、という常識を覆したデザインのボトル型PC Diginnos DG-CANPCは、どのように誕生したのだろうか。その開発秘話について、開発元のサードウェーブデジノスの鈴木英祐氏は「置いたときの見栄えを意識してデザインしました」と話す。その言葉が示すように、Diginnos DG-CANPCにはモバイルでも使える機能が惜しみなく搭載されている。


まず、プロセッサーには、Bay Trail世代からグラフィクス性能が向上したCherry Trail世代のインテル Atom x7-Z8700 プロセッサーを採用している。クアッドコアで定格1.60GHz、最大2.40GHz、キャッシュは2MBだ。インテルHDグラフィックスも内蔵されている。メインメモリーは4GB DDR3Lで、ストレージには32GBのeMMCが採用されている。接続インターフェースはUSB 3.0×2、HDMIポート×1、ステレオミニプラグ×1だ。


ネットワークはIEEE 802.11 a/b/g/n/acの無線LANに、Bluetooth 4.0。100MピクセルのWebカメラとモノラルのスピーカー、マイクも備えている。バッテリーは3,800mAhで、約6時間の駆動が可能だ。スペックとしては、モバイル系Windows PCとして充分な性能だろう。実際に、Youtubeで1,920×1,080のフルHD動画を再生しても、コマ落ちすることなく快適に鑑賞できる。

スティック型PCから進化

(左)525ml入りのペットボトルとの比較。(右)上部に配置されたWebカメラは角度の調整も可能。

Diginnos DG-CANPCの型番をよく読むと、「CANPC」(缶PC)となっている。その名の通り、350mmのドリンク缶を意識した直径になっていて、手にとった雰囲気もPCというよりはビールの500mm缶の感覚に近い。「デザインにこだわった」という鈴木氏の言葉に込められた背景を聞いてみると、そもそものきっかけは、同社が開発したスティック型PCにルーツがあるという。


HDMIポートに直接差し込んで使えるスティック型PCは注目を集めた。そして購入者から寄せられた要望を元に、同社では専用のドッキングステーションまで開発した。その過程で「せっかくならば、マイクやスピーカー、Webカメラなども付けられないか」と考えるようになったという。そして「どうせならば、車の中で缶ホルダーに挿したまま、Webカメラで運転している自分の姿を撮れるように、モバイルで使えるPCにしたらどうだろう」というアイデアから、6時間のバッテリー駆動も実現した。完成してみると、缶PCはこれまでにありそうでなかった新製品になった。

「国内だけではなく海外からも注目を集めています。また、音声アシスタントのCortanaと連携させることで、これまでのPCやモバイルデバイスにはなかった新しい使い方ができるのではないかとマイクロソフトからも期待されています」と同社の大内 実氏は話す。


そんなDiginnos DG-CANPCを使うために必要な周辺機器は、HDMIケーブルで接続できる高解像度のモニターと、USBで接続できるキーボードとマウス。もちろんBluetoothデバイスにも対応しているが、最初のセットアップ時だけは、ケーブルで接続できる入力装置が必要になる。本体のバッテリーが充分に充電されていれば、電源ケーブルをつなぐ必要もない。モニターとマウスなどをつないだら、すぐにWindows 10を使えるようになる。Diginnos DG-CANPCの上部にある電源ボタンを押して、青く光ればシステムは起動する。ちなみに、このボタンは充電中は赤く点灯する。


電源を入れてからWindows 10を使えるようになるまでの時間はかなり速い。最初にセットアップを行う必要があるが、必要な登録やアップデートが終了すれば、日常的な起動はとても快適になる。また、HDMIで接続したモニターにスピーカーが装備されていると、音声もそちらから再生される。ストレージは32GBと少なめだが、microSDが使えるので実用的なデータの保存で困ることはない。

サイネージやWeb会議用の端末に

ボトル型PCという新しいデバイスには、どのようなニーズがあるのか。大内氏は、「デジタルサイネージ用途としてビジネスで活用したり、インテリアに凝るショップなどでカウンターやレジに置いたり、PCを意識させないPCとして需要が広がると考えています」と指摘する。ボトル型PCにはこれまでの常識を覆すポテンシャルがあるようだ。


PCを活用したレジやPOSシステムなどにもこのボトル型PCを提案すれば、ブティックやインテリアショップなどデザインと雰囲気を重視する「場」にもフィットする。また、Web会議システム用の端末としても利用可能だ。その高いデザイン性は、既存の業務向けPCのリプレース案件にも適しているかもしれない。PCといえば、四角くで無機質なもの、という既成概念を壊すことで、パーソナルだけではなく、新たなビジネスの可能性も引き出せる。


「すでにビジネスでの引き合いや、こんな機能や性能が欲しい、という要望も集まってきています。そうした意見を元に、今後も改良に取り組むと同時に、新たな市場を開拓していきたいと考えています」と大内氏は抱負を語る。

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