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国内エンタープライズITインフラ市場ではクラウドが伸びるが従来型IT顧客も大切

国内エンタープライズITインフラ市場ではクラウドが伸びるが従来型IT顧客も大切

2016年12月22日更新

エンタープライズITインフラ市場は弱含み

国内エンタープライズITインフラストラクチャ市場予測(2015年~2020年)
出所:IDC Japan

国内エンタープライズITインフラ市場では従来型ITインフラからクラウドITインフラへの投資シフトが加速を続けるようだ。IT専門調査会社のIDC Japanは「国内エンタープライズITインフラストラクチャ市場の予測」を2016年11月29日に発表した。
同社が発表した調査・分析結果によると2016年の国内エンタープライズITインフラ市場は支出額ベースで前年比6.8%減の7,549億円になると予測している。
また2020年の国内エンタープライズITインフラ市場は7,037億円になると予測。2015年~2020年のCAGR(年間平均成長率)はマイナス2.8%になるという。
同社ではITインフラの構成要素のうちサーバー、エンタープライズストレージシステム(以下、ストレージ)およびデータセンター向けイーサネットスイッチ(同スイッチ)を包含した市場をエンタープライズITインフラストラクチャ市場と定義している。
また国内エンタープライズITインフラ市場は国内トラディショナルITインフラ市場と国内クラウドITインフラ市場に分類されている。

従来型ITインフラへの投資は縮小傾向

国内トラディショナルITインフラ市場では「価格性能比向上と処理能力に対する需要の弱含み」および「トラディショナルITからクラウドITへの投資シフト」による負の影響が表れている。
現時点では同市場における構成比が6割を超えるサーバーにおいて、負の影響が顕著に現れていると指摘している。さらに同様の影響がストレージやスイッチに対する支出額にも波及すると同社は分析している。
なお2016年の国内トラディショナルITインフラ市場は前年比12.4%減の5,973億円、2015年~2020年のCAGRはマイナス8.0%を見込んでいる。

クラウドITインフラへの投資が拡大

国内クラウドITインフラ市場では「トラディショナルITからクラウドITへの投資シフト」によってサーバー、ストレージ、スイッチといったすべてのコンポーネントにおいて高成長を維持すると分析し、2016年の市場規模は前年比22.9%増の1,576億円、2015年~2020年のCAGRは14.7%を見込んでいる。
しかし大手クラウドサービスプロバイダーがクラウドITインフラとして採用するコンポーネントはODMから直接調達するケースが多く、価格要件が厳しい状況にある。さらに自社運用、自前保守が主体であるため、ハードウェア販売に付随したインテグレーションサービスや保守サービスによる副次的収益を得る機会も限定的だと指摘する。
結果的に従来からエンタープライズITインフラ市場に参入していたサーバーベンダーなどにとって、クラウドITインフラ市場の大半は有効市場となりにくいビジネス構造にあると分析する。

従来型IT市場の優良顧客が大切

本調査・分析結果についてIDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ グループマネージャー 福冨里志氏は「2016年の国内エンタープライズITインフラ市場における支出額の8割弱はトラディショナルITインフラになる見込みだ。国内トラディショナルITインフラ市場における優良顧客とは、顧客が事業ドメインで過度の国際競争にさらされていないこと、ITシステムに対する信頼性、高可用性、安全性に対するコスト負担を許容していることが要件となる。ベンダーは自社の顧客ベースにおいて、これらの条件に合致する顧客と長期的かつ戦略的なエンゲージメント関係を構築し、維持する必要がある」と説明する。(レビューマガジン社 下地孝雄)

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