
パブリッククラウドとオンプレミスの連携/ID管理、データとアプリの連携に商機あり
ID管理、データとアプリの連携が深刻
パブリッククラウドとオンプレミスの連携利用を妨げる深刻な課題が、企業や組織における最適なITインフラの実現を困難にしているようだ。
IT専門調査会社のIDC Japanが2016年9月29日発表したITバイヤーへのインタビューによる「エンタープライズITインフラストラクチャーにおける新たな課題に関する調査」の結果によると、パブリッククラウドとオンプレミスの連携利用においてID管理、データ連携、アプリケーション連携、運用・管理、費用配賦(各部門への費用の割り振り)の5つの領域で課題が顕在化していると分析している。
そしてこれらの課題の中で特に深刻なのがID管理、データとアプリケーションの連携だと指摘している。
ID管理機能の統合が困難
パブリッククラウドのサービス事業者が個々に独自のID管理機能を運用しており、異なる事業者間でID管理機能と連携したり、オンプレミスのID管理機能と連携したりすることを考慮しておらず、個別に運用することを基本としている。
つまりITバイヤーがオンプレミスで利用しているシングルサインオン機能を用いても、パブリッククラウドサービス事業者のID管理を統合することができないのが実情だ。
その結果、ITバイヤーはパブリッククラウドとオンプレミスでIDの二重管理を行うか、シングルサインオン実現のために新たにID連携機能を追加導入する必要がある。
データ転送の遅延やUIの共通化も課題
このほかパブリッククラウドサービスとオンプレミスIT基盤間でのデータ転送の遅延によって、アプリケーション側の処理とデータベースアクセスのタイミングに差が生じることで、アプリケーションが異常終了したり従来実現していた処理性能が発揮できなかったりする問題も生じる。
またパブリッククラウドサービスでは事業者が個々に独自の操作画面を提供しているため、オンプレミスIT基盤上のアプリケーションの操作画面とユーザーインターフェースを共通化する場合にも課題が顕在化する。
IDC Japanが指摘しているこれらの課題はパブリッククラウドとオンプレミスの連携利用を妨げだけではなく、両者を組み合わせた最適なエンタープライズIT基盤の実現も困難にしている。
すなわちパブリッククラウドとオンプレミスの連携時には、ID管理やデータとアプリケーションの連携、UIの共通化を解決するソリューションの提案が商談の決め手になるわけだ。(レビューマガジン社 下地孝雄)
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