
マイクロソフトAzureを家電IoT分野にも展開/まずはコインランドリー店向けサービスを開発
2016年9月7日に開催された日本マイクロソフトの経営者向けイベント「Microsoft Foresight」で対談する アクア株式会社 アクア日本代表 執行役員 山口仁史氏(右)と日本マイクロソフト株式会社 代表取締役社長 平野拓也氏。
AQUAブランドの洗濯機や冷蔵庫、業務用洗濯機を中心に事業を展開する中国家電大手のハイアール傘下のアクアと日本マイクロソフトは、家電とクラウドを組み合わせた家電IoTサービスの開発で協業することを2016年9月7日発表した。
「AQUA ITランドリー」をクラウド化
アクアではAQUAブランドの業務用洗濯機を導入しているコインランドリー店の管理者が、機器の稼働状況や売り上げ情報、故障などのトラブルに関する情報を確認できる「AQUA ITランドリー」を提供している。
またAQUA ITランドリーの会員ユーザーはコインランドリーの空き情報を確認したり洗濯終了メールやキャンペーン情報などのDMを受信できたりするサービスが利用できる。
AQUA ITランドリーを導入しているコインランドリー店は全国1,252店舗(2016年8月末現在)で、約1万6,000台以上の機器が稼働している。アクアはこのシステムを刷新して「次世代AQUA クラウドITランドリー」(仮称)を構築する。
AQUA ITランドリーのシステムと保有データはオンプレミスで構築された環境で運用している。このシステムとデータをマイクロソフトのパブリッククラウド基盤であるAzureに移行する。
2017年より順次テストマーケティングを開始
スケジュールについては、まず次世代AQUA クラウドITランドリーの一次開発フェーズとしてビッグデータの蓄積、分析を通じてUIをUX(ユーザーエクスペリエンス)に改善するとともに、AQUA ITランドリー会員ユーザー向けに地図サービスやSNSとの連携、電子マネーや他業種ポイントサービスとの連携など、スマートフォンからも便利に利用できるさまざまなサービスを2017年より順次テストマーケティングを開始する計画だ。
またAzure上ではビッグデータ分析やコグニティブなどの家電IoTの実現に必要な機能が利用できる。これらの機能を利用してAQUA ITランドリーで蓄積されるデータを使用状況やパターンなどのさまざまな角度から分析することで、顧客の潜在的なニーズを見える化して製品やサービスの開発・提供に活かしたり、コインランドリー店オーナーの事業拡大や業界の活性化を支援するコンサルティングサービスを提供したりすることも目指す。
家電とクラウドで互いにビジネスを拡大
さらに機械学習による故障予測の精度を向上させるほか、異業種コラボレーションによるまったく新しいサービスも開発する。またAQUA クラウドITランドリーの取り組みから得られたノウハウを他のAQUA製品にも展開することで、クラウドと連携した新製品や新たなサービスを開発し、家電IoTビジネスをリードしたい模様だ。
日本マイクロソフトは2016年2月9日に東京エレクトロンデバイスとIoTビジネスの推進およびAzureを利用したIoTソリューションの開発の促進を目指す団体「IoTビジネス共創ラボ」を設立している。AQUA クラウドITランドリーの開発でもIoTパートナーと連携し、家電分野におけるIoT市場の開拓とエコシステムの構築に取り組み新たなビジネス領域を拡大する目論見だ。(レビューマガジン社 下地孝雄)
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