
SDxへの需要が拡大を続ける ストレージがダークホース
グラフ SDS(Software-Defined Storage)の導入状況および利用意向
出所:IDC Japan
約8割の企業がSDSの認知
SDNなどSoftware-Definedの名称を冠するキーワードが注目を集め、名称の認知が広がっている。Software-Definedとはソフトウェアで制御される高度に効率化あるいは自動化された柔軟なITインフラの運用環境を意味するが、その中で需要が急拡大しそうなデータ分野、すなわちストレージのSoftware-DefinedについてIT専門調査会社のIDC Japanが調査結果を8月29日に発表した。
同社の「国内SDS(Software-Defined Storage)の需要動向」調査によると、「利用中/計画中」と「利用しないと決めている」という方針をすでに決めているユーザーが多くなり、「検討中」とするユーザーが前回2015年調査と比較して少なくなったと指摘。
これはSDSに対する理解が進み、自社に適した製品なのかどうかという判断ができるようになったユーザー企業が増えたことを表していると説明している。
ただし全体の2割以上は、依然として「わからない」とする回答であり、SDSに対する知識や関心が低いユーザーも多く残っている。
SDxによる運用の自動化よりもコスト削減
SDSの導入理由についてはコスト削減と回答したユーザーが多数を占めた。SDSではコモディティサーバーを用いてストレージインフラを構築できるため、調達コストを削減でき、保守料金も抑えるという判断だ。
一方で「上位の管理ソフトウェアで制御できる」については回答率が低い傾向にあり、運用の自動化、プロビジョニングの迅速化といったSDSのメリットについては、まだ評価するユーザーの割合が低いことを示している。
同社は今回の調査結果から、SDS導入の利点はデータ保有量の多い大企業により認識されており、コスト削減を達成できるか否かを基準に導入を判断する傾向が強く、今後の国内SDS市場は大企業を中心に発展が進むと予測している。
海外メーカー製品が国内市場を拓く
同社のエンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャー 鈴木康介氏は「ITインフラの運用自動化を進める必要性に対する国内ユーザーのコンセンサスは徐々に形成されつつある。国内ではSDS市場の形成が緩慢であるが、グローバル市場ではポジションを確立しつつあるため、外資系ベンダーのSDS製品が国内市場に浸透する」と見通しを語る。
今後、外資系ベンダーのSDS製品の国内市場投入と拡販によって、データ分野におけるビジネスチャンスが広がりそうだ。(レビューマガジン社 下地孝雄)
キーワードから記事を探す
-
第 1 位
USB Type-Cを軸にしたノートPCと外付けモニターの活用法を戸田覚が伝授
-
第 2 位
戸田覚が教えるExcelやWordでの手書き機能の使い方
-
第 3 位
戸田覚が伝授「スマホでパワポのスライドを作ろう」
-
第 4 位
Windows 10サポート終了の特需はない
-
第 5 位
PCデータをバックアップするSSD・HDDの選び方を戸田氏が指南
-
第 6 位
「オフィス作業では大画面モニターを使って仕事をさくさくこなそう」by戸田覚
-
第 7 位
PCやスマホ活用時の目に優しい画面設定について戸田覚が伝授
-
第 8 位
戸田覚が「Microsoft To-Do」を利用したセルフ働き方改革を伝授