
国内コピー/プリント関連市場に変革期が訪れる
複数のプリンティング技術を融合した価値創造が必要
2020年までの年間平均成長率はマイナス
モバイルやクラウドの普及、IT活用の広がりに伴うペーパーレス志向、コスト削減を目的とした紙出力の縮小など、国内のコピーやプリント市場は厳しい状況にある。2016年9月5日に国内コピー/プリント関連市場の調査・予測を発表したIT専門調査会社のIDC Japanのイメージング、プリンティング&ドキュメントソリューション グループマネージャー 石田英次氏は「国内コピー/プリント産業は、ほとんどの分野でマイナス成長が予測される厳しい状況だ。複数のプリンティング技術の壁を越えて融合するなど、プリンティング分野に新たな価値を提供することが今こそ必要」と分析している。
そして同社の調査・予測では国内コピー/プリント関連ハードウェア市場と国内ページボリュームの両方において、2015年~2020年のCAGR(年間平均成長率:Compound Annual Growth Rate)がマイナスになると見ている。
国内コピー/プリント関連ハードウェア市場売上予測(2011年~2020年)
2015年は前年比プラス成長だったが・・・
IDC Japanでは国内コピー/プリント関連ハードウェア市場の2015年~2020年のCAGRをマイナス1.4%、2020年の市場規模を8,624億円と予測している。また国内ページボリュームの2015年~2020年のCAGRをマイナス2.0%、2020年には3,046億ページになると予測している。
これはレーザーMFPの高速機へのシフト、国内景気の緩やかな回復などのプラス要因があるものの、モバイル/クラウドの普及、ペーパーレス活動、ドキュメントワークフロー普及による紙出力の縮小、MPS(Managed Print Services)による出力量抑制などのマイナス要因の方がページボリュームに与える影響が大きいと考えているためだ。
なお2015年の国内コピー/プリント関連のハードウェア総売上額は前年比1.4%成長の9,234億円、2015年の国内ページボリュームは前年比0.9%増の3,366億ページだったという。
国内ページボリューム予測(2011年~2020年)
レーザー複合機が約76%を占める
国内コピー/プリント関連市場における2015年のハードウェア売上額の内訳を見ると、レーザーMFP(複合機)が7,020億円と最も大きな比率を占めている。そしてインクジェット機器の911億円、レーザープリンターの750億円と続く。
さらにLFP(Large Format Printer)は277億円、ラインプリンター/シリアルドットマトリックスプリンターは202億円、スキャナーは74億円だったという。
同社はレーザーMFPの2015年~2020年のCAGRをマイナス0.7%、レーザープリンターのCAGRをマイナス6.7%、インクジェット機器のCAGRをマイナス0.9%と予測している。
ハードウェア売上額およびページボリュームが減少する中で、今後コピー/プリント関連産業が成長を維持するためには、レーザー機器、LFP、スキャナー等を組み合わせてユーザーのマーケティング活動を支援するといった新たな価値提供やハードウェア販売方法の変革が必要となると同社は提言する。(レビューマガジン社 下地孝雄)
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