
携帯電話市場は端末ビジネスに加えて Pokemon GOのようなアプリが成長
国内携帯電話市場は縮小が続く
国内の携帯電話の出荷台数(従来型携帯電話とスマートフォンの合計)は減少を続けているが、スマートフォンに関しては前年同期比の出荷台数は成長しており、新たなビジネスチャンスも期待できそうだ。
IT専門調査会社のIDC Japanが2016年8月31日に発表した「国内携帯電話およびスマートフォン端末の2016年第2四半期(4月~6月)の出荷台数」によると、2016年第2四半期の国内携帯電話出荷台数(スマートフォンと従来型携帯電話の合計)は、前年同期比2.5%減の705万台だったという。
これは5四半期連続のマイナス成長となる結果だが、マイナス幅は前四半期(2016年第1四半期)の前年同期比12.1%減から大きく改善された。またスマートフォンの出荷台数は前年同期比1.8%増のプラス成長となり619万台だった。
iPhoneの出荷台数が大幅に増加
携帯電話の出荷台数が減る中でアップルが大きく成長した。iPhoneの2016年第2四半期の出荷台数は前年同期比28.8%増と大幅に成長して306万台だった。
またiPhoneは国内携帯電話市場で43.4%ものシェアを獲得している。このほかNTTドコモ、auKDDI、ソフトバンクの3社に「Xperiaシリーズ」を提供しているソニーが第2位、「AQUOSシリーズ」のシャープが第3位だった。
アプリビジネスの成長に期待
国内携帯電話市場は端末以外のビジネスに期待が持てるという。IDC JapanのPC、携帯端末&クライアントソリューション リサーチマネジャーの片山雅弘氏は「日本のスマートフォン市場は成熟期を迎えたが、スマートフォンのアプリケーション市場は今後大きな進展が期待できる。そのポテンシャルを示したのがPokemon GOだ。拡張現実(AR)とLBC(Location-Based Computing)の機能が組み込まれている。さらに近年進化を遂げた音声認識、AI、IoTがモバイルアプリケーションに組み込まれる日は近い」と指摘する。
そして「多彩な最新機能を組み込んだアプリケーションをスマートアプリケーションと呼ぶならば、それはライフスタイルにデジタルトランスフォーメーション(デジタル変革)をもたらし、スマートライフを実現する。そのときスマートフォンは、その中心的存在になる」と分析している。(レビューマガジン社 下地孝雄)