
PCディスプレイからケーブルが消える日。 ワイヤレスモニタ
モバイルの利便性を高めるワイヤレスモニター
Dell デジタルハイエンドシリーズ U2417HWi 24インチワイドワイヤレスモニタ
スマートフォンやモバイルPCを使っていると、どうしても欲しくなるのが大きな画面の外部モニターだ。出先でちょっとデータを見るだけならば小さな画面でもいいが、スプレッドシートなどを編集するとなれば、やはり広い画面があると便利だ。そんな利便性をワイヤレスで実現したのが、デルのワイヤレスモニターである。
2台のモバイル端末の画面を同時に表示
Dell デジタルハイエンドシリーズ U2417HWi 24インチワイドワイヤレスモニタ(以下、U2417HWi)は、その製品名の通りに、PCやスマートフォンの画面をワイヤレスで表示できるモニターだ。画面のサイズは23.8インチで解像度は1,920×1,080。HDMI入力と音声ライン出力、4個のUSB 3.0ポートを備える。白色LEDエッジライト方式で、コントラスト比は標準で1,000:1、DCRでは200万:1を実現している。ピクセル/インチは93で、視野角は水平も垂直も178度と広い。
デジタルハイエンドシリーズと銘打たれているだけあって、発色は綺麗で縁が狭いので23.8インチの画面が目の前に広がるイメージになる。普通に使うだけならば、HDMIケーブルでPCなどと接続できるので、セットアップもいらずに、配線をすればすぐに使える。それだけでも、十分に高性能なモニターとして活用できるのだが、この製品の最大の特長はWindowsにもAndroidにも対応したワイヤレス接続にある。2台のモバイルデバイスの画面をワイヤレスで投映してコンテンツ編集が可能なモニターなのだ。
U2417HWiを起動させると、最初にワイヤレス接続に関するインフォメーション画面が表示される。その画面に表示されているように、Windowsからの接続では、専用のサイト(www.dell.com/wirelessmonitors)からドライバー類をダウンロードする。2016年5月から、Windows 10、Windows 8.1、およびWindows 7をサポートし、第4世代インテル Core i5プロセッサーまたは第4世代インテルCore i7プロセッサーなどを搭載したPCからの接続を推奨している。スマートフォンやタブレットに関しては、Wi-Fi DirectおよびMiracast搭載のAndroid OSバージョン5以上に対応する。
ここでポイントになるのは、Wi-Fi Directを活用している点にある。接続方法は、そのWi-Fi Direct経由のDual Screencastになるので、この規格に対応していない機器では、製品の最大の特長であるデュアル画面を実現できない。反対に、対応するデバイスにデルの専用ドライバーをインストールすれば、モバイルPCの画面とスマートフォンの画面を一つのモニターに同時に表示できる。
一組のマウスとキーボードを共有
ワイヤレスでのデュアルスクリーンだけでもユニークな機能だが、さらにこのU2417HWiでは、一組のマウスとキーボードを共有できる機能も提供している。例えば、スマートフォンをワイヤレスで接続すると、専用アプリがマウスとキーボードの制御を自動で行うかどうかを問い合わせてくる。そこでアプリ任せにすると、モバイルPCとスマートフォンやタブレットの間を移行して、一組のマウスとキーボードで編集ができるようになる。
単にスマートフォンの画面が大型モニターに映し出されるだけでは、結局のところ、操作するために手元を見てしまう。しかし、マウスとキーボードで操作できれば、モニターの作業に集中できる。マイクロソフトが一部のWindows 10 Mobileで実現しているContinuumのような使い勝手になる。
単独でAndroid スマートフォンとU2417HWiをワイヤレス接続すると、スマートフォンを横にすればモニターいっぱいに画面が展開されるので、Googleスプレッドシートなどのアプリを効率よく編集できるようになる。2画面同時の表示も便利だが、スマートフォンでスプレッドシートを使うならば、このモニターとBluetoothマウスにキーボードという組み合わせが、個人的にはとても快適だと感じた。
書斎にあっても魅力的
U2417HWiはビジネスでの利用を中心に開発されたモニターだが、画面の発色もよく表示の反応も優れているので、HDMIでApple TVやBlue-Rayプレイヤーなどをつないでも、かなり楽しめる。その意味では、オフィスのデスクだけではなく、書斎に1台あると息抜きにも仕事にも使える便利なモニターだと思う。
なにしろ、わずらわしい配線が不要になるので、普段は仕事で持ち歩いているモバイルPCなどを持ち帰ったときに、ワイヤレスで表示できるから便利だ。また、個人の机だけではなく、会議室などにあっても便利だろう。PCだけではなく、スマートフォンやタブレットの画面を映し出せるので、会議やプレゼンテーションなどに活用できる。
専用のアプリやドライバーさえインストールしておけば、自動的に対象のモニターを認識してくれるので、接続にも時間がかからず操作も容易だ。ちなみに、Windows 10からの接続では、[設定]にある[接続]を選ぶと、Dell xxxxという表示で対象となるモニターの名前が表示される。この名前は、個々のモニターに固有の名前で、U2417HWiを起動させると画面の左上に表示されている。
接続が完了すれば、手元のPCやタブレットの画面が大きくミラーリングされて映し出される。この状態で、Windows 10のモニター設定から、ミラーリングなのか拡張なのかを切り替えると、セカンドスクリーンとしても利用できる。
ワイヤレスでセカンドスクリーンとして高解像度で使える、というだけでも、8インチのタブレットなどをビジネスで活用しているユーザーには、とてもお薦めのワイヤレスモニターだ。
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