
IoTにおけるデータの可視化を機械学習の活用
IoTはデータ分析の過程が大事
IoT時代本格始動!超高速並列分散処理を利用したビッグデータ活用セミナーが、マイナビニュースセミナー運営事務局の主催で2016年6月29日に開催された。本セミナーでは、IoTにおけるビッグデータ活用を推進するため、センサーデータなどを活用したIoTの事例について講演が行われた。
講師を務めた日本マイクロソフト パートナーセールス統括本部 パートナーテクノロジー開発本部 プリンシパルテクノロジーストラテジストの北垣康成氏は、IoTによってデータを収集し可視化することで、時間の短縮や新しい価値の創造ができるようになったと説明した上で「IoTの活用によって得られる結果だけでなく、どのような過程を辿ってIoTを進めていくのかという視点も大切」と話す。
データを平均化すると問題箇所が可視化されない
北垣氏は食品の加工会社の事例を示した。生鮮食品は毎日配送されるが、配送時間が長くなると鮮度が落ちる。生鮮食品の配送遅れの原因を見つける目的でIoTを導入した。
委託先の配送業者や品物の配送時間などの項目に分けてデータを収集し、配送時間のデータを分単位で平均化した結果、特に問題となる箇所は見つけられなかったという。
北垣氏はその理由を「データを平均にしてしまうことで、最大値がわからなくなってしまうから」だと指摘する。
配送遅れの最大値をデータとして可視化することで、どのような理由で遅れたのか背景を探ることができるのだ。
統計対象を読み間違えると結果が得られない
配送が遅れた要因を探るために、業者や配送元の立地、曜日などを基に統計を行ってみたが原因は特定できなかった。ところが天候情報を加えたところ関連性が現れた。
配送元の地域や途中経路、食品加工会社の天候情報でデータを分析すると、天候の悪さによって道路が渋滞するため、配送に時間がかかってしまうことがわかったのだ。
この事例のように配送の遅れは配送業者や曜日に関係があるのではないかというユーザーの先入観によって、正しい情報を取得できないケースがある。
そして天候や過去のデータなど予測に必要なデータが判明したら、過去のデータから今後の傾向や結果などを機械学習によって予測する「Microsoft Azure Machine Learning」で予測分析ができるという。
北垣氏は「IoTの導入を検討する際は、必要なデータの収集や分析のサポートをしっかりと行ってくれる事業者を選定する必要がある」と締めくくった。
(レビューマガジン社 松尾好江)
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