業務利用スマホの可能性を広げるAndroid One
Android OSが抱えるセキュリティ課題
Androidスマートフォンというと、各種メーカが工夫を凝らしたハードウェアを提供しており、法人企業の業種や活用用途に応じて選択できるのが魅力的だ。しかしAndroid OSは、提供しているメーカーやキャリアによってOSのアップデートが行われないケースがあるため、セキュリティ面が脆弱であると考えて選択しない法人企業も多かった。
しかし、Googleでは前述したようなハードウェアごとのソフトウェア品質の違いを均一にする取り組みとして「Android One」を提供している。Android Oneは標準のAndroidを採用し、Googleから直接アップデートを提供することで、ユーザーに常に最新のGoogle体験を提供するAndroid OSだ。このAndroid Oneを採用したスマートフォンが、Y!mobileから登場した。
端末はシャープ製の「507SH」。7月下旬より発売予定で、Android Oneを搭載したスマートフォンとしては日本初となる。
最新OSへの対応が約束されたAndroid One
前述したようにAndroid OneはGoogleから直接アップデートが提供されている。そのため発売より18カ月間、最低1回以上のメジャーアップデートを保証しており、常に最新のOSで端末を利用できる。すでに今年の秋にリリースを予定されている最新OS「Android N」についても対応が決まっており、Googleよりリリース後数ヶ月以内にアップデートに対応する予定だという。
また、Android Oneは最新のセキュリティ機能が自動アップデートで毎月提供されるため、脆弱性が放置されることなく安心して利用できる。UIはNexusシリーズでもよく知られたGoogle標準のUIで、利用しやすいホーム画面だ。アプリケーションもGoogleの標準アプリケーションを中心に、必要とされるアプリケーションだけを搭載している。
日本独自のハードウェア仕様にも対応
ハードウェア面では、シャープならではの日本仕様の工夫がなされている。例えばIPX5/8相当の防水機能や、IPX5相当の防塵機能、地上デジタル放送を楽しめるワンセグに対応するなど、日本市場でニーズが高い機能を多く搭載している。バッテリーは3,010mAhの大容量バッテリーを採用しており、長時間の利用が可能だ。
Androidスマートフォンというと、冒頭で述べたように、アップデートのしにくさなどの理由からセキュリティ面が脆弱であると思われがちで、法人企業で採用する場合のネックとなっていた。しかし今回の507SHを皮切りにAndroid Oneが国内のスマートフォン市場に普及すれば、法人企業がビジネスで利用するデバイスの選択肢が広がる。またAndroid Oneは各国の端末メーカーと強力してAndroidスマートフォンを開発するプログラムであるため、今回の507SHのように日本国内の需要に応えた端末がリリースされる可能性が高い。セキュリティ性が担保され、国内企業のニーズに合致したAndroid Oneスマートフォンが普及すれば、販売店にとっては法人企業に提案するスマートフォンの選択肢として有力な候補となり得る。今後のAndroid Oneの動向に注目だ。
(レビューマガジン社 松尾澪)
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