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コンシューマー [ Consumer ]

広範囲の位置情報を高精度に取得するGPS端末

位置情報を把握するGPSは、車載監視や人の見守りなど、多様な用途に利用される。しかし、製品によっては、位置情報の精度に問題があったり、サーバー側から検索してデータを取得する手間があったり、電波圏外の位置情報は取得できなかったりする問題点がある。リアルタイムシステムズは、そのようなGPSの問題点を解決する製品を開発した。

[2016.03.25]

端末が位置情報を自動発信しリアルタイムにトラッキング


 見守りシステムや車載監視など、様々な分野で利用されることの多いGPS。GPS情報を活用して、どこに人や車や物があるのかを把握できるのが大きなメリットと言える。しかし、従来のGPSシステムには課題がある。GPSは人工衛星を通じて、GPS発信機を持つユーザーの位置を割り出すが、GPSを活用した一般的な位置検索サービスは、サーバー側から発信機を検索しなければ、位置情報を取得できない。継続的に位置検索を行うためには、スケジュール設定によって5分ごとに検索を行うようにするなど手間がかかるのだ。


 リアルタイムシステムズの代表取締役を務める佐伯海波氏は「一般的な位置検索サービスは、継続的に位置情報を取得できないことに加え、ユーザーが携帯電波圏内にいなければ、GPS発信機に対してサーバーから指令が届かないため位置情報の取得ができません。例えば、車両の位置監視を行う場合、郊外の電波圏外エリアに入ってしまう可能性がありますが、従来の位置検索サービスでは、圏外エリアにいたときの車両の移動ルートは記録できないのです」と話す。


 運送業のトラックにGPSを搭載し、その移動経路をトラッキングしている場合、GPSの位置情報をもとに走行記録を提出することもあるだろう。しかし圏外エリアの位置情報を記録できないと、その記録に抜けが生じてしまうようになる。従業員や車両の安全管理を円滑に行うためにも、精度の高い位置情報が取得できるサービスが求められていた。
リアルタイムシステムズは、そのようなニーズに応えたGPS位置情報検索サービス「WillGPS」を提供している。本サービスは、GPS発信機であるWillGPSから発信された位置情報を、同社のクラウド上で収集し、ユーザーの管理画面上に表示することで、端末を持っている人や物の場所を把握し、軌跡を確認できる。


 製品について、佐伯氏は次のように語った。「WillGPSのGPS発信機は、サーバー側から端末を検索するのではなく、端末側からサーバーに位置情報をリアルタイムにアップしていきます。スケジューラーによる設定を行うことなく自動で発信するため、管理者の負担を抑えて運用できます。また、サーバー側から位置情報を取得する場合、一回の位置情報検索につき料金がかかるなどコスト負担が大きいのですが、WillGPSは月々固定料金で利用できるため、コスト負担を抑えられるのです」


GPSとPHSの二重測位で精度の高い位置情報を取得


 リアルタイムに位置情報を記録できるため、位置情報の精度も高い。それに加え、GPSとPHS基地局の二重測位を行うため、さらに位置情報の精度を高めている。例えば、地下鉄などのGPS測位ができない環境では、代わりにPHS基地局情報を取得する。GPSとPHS基地局の情報を分けて発信するため、互いに電波が干渉せずに位置情報を発信できるのだ。また、携帯電波圏外で移動したルートの記録も行える。


 「WillGPSには、リアルタイムに位置情報を発信するGPS発信機としての役割の以外に、GPSロガーの側面も備えています。GPSロガーとは、端末の内部にGPSによる移動経路を保存する製品のことを指します。そのため、携帯電波圏外にWillGPSがあるときはGPSロガーとして位置情報を内部に保存し、電波圏内に移動したら保存した情報をサーバーにアップするような使い分けを自動的に行うのです。例えば、3日間韓国に出張した場合、韓国で移動したルートはGPSロガーとして内部に記録され、日本に帰国したときに地図上でその移動の軌跡を確認できます。他社製品と比較して、非常に広い範囲の位置情報を取得できるのが、本製品の強みと言えます」(佐伯氏)


 このリアルタイム性と位置情報取得範囲の広さから、子供や老人の見守り用途や、運送業者の車載監視用など、幅広く導入されている。WillGPSの本体は手のひらに乗るほどコンパクトであり、携帯に困らない。また、振動センサーを搭載しており、端末を持ったユーザーの動きが停止すると、自動的にスリープモードに移行するため、電池持ちもよい。


違法投棄を防止するためGPSで処理場への搬入を確認


 導入事例としては、産業廃棄物の追跡があるという。産業廃棄物は本来、廃棄処理費用がかかるが、それを適切に処理せずに違法投棄する業者も存在する。このような違法投棄を防止するため、産業廃棄物収集、運搬と処理業者が協力して、産業廃棄物を入れた容器にWillGPSを付けることで、その廃棄物がどのルートを通り、最終的に処理場に搬入されたことを確認できるようにしたのだという。


 また、一般個人による見守り用途としても多く導入されている。本体サイズが小さいため、子供の鞄に入れても持ち歩きの負担になりにくいのだ。また、WillGPSの本体には緊急通知ボタンが搭載されている。子供がこの通知ボタンを押すと、登録したメールアドレス宛に通知されるため、非常時の連絡手段として利用できる。


 今後の製品展開としては、WillGPSに最新のGPSチップを導入することで、さらに精度と感度をアップさせる予定だ。また、新しいサービスも開始するという。「『GPSDataBank』というデータAPIを提供します。GPSDataBankを活用することで、企業がWillGPSを活用したGPSのアプリ開発を短期間で行えるようになります。現在もWillGPSを活用したGPSサービスを展開している企業はありますが、GPSDataBankによってその開発コストが約半分になります。また、位置情報と付随する画像ファイルの取り込みや、ビッグデータの活用などもGPSDataBankの導入によって行えるため、企業は幅広いサービスを展開できるようになります」と語る。GPSDataBankは数ヶ月後にリリースを行う予定だ。

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