menu
ネタと話題 [ Story and Topics ]

いよいよロボットが本気で働く 【その3】 ~社会やビジネス、日常生活に役立つロボットの最新動向~

無人飛行型ロボット発進 ロボットの進化が新たな段階を迎えている。その背景にあるのはITとの融合だ。 さまざまなビジネスシーンや日常生活での活躍が期待されるロボットたちの、これからのビジネスチャンスを追った。

[2016.04.13]

人が作業できない場所で活躍


 ドローンや無人飛行機と呼ばれる無人飛行型ロボットの市場にも注目が集まっている。無人で飛行し、モノを運搬したり搭載するセンサーやカメラでさまざまなデータを記録できたりする点から、多くのビジネスシーンで活用が期待されているのだ。例えば、救助活動が困難な災害現場における救援物資の運搬や状況の調査用途、建設現場や農地などでのデータ収集、販売物の輸送用途、橋梁などの点検目的、さらに空からの監視用途など、その活用範囲は幅広い。


 すでにヤマハは、農薬の散布などが行える無人ヘリコプターを開発している。コマツは無人ヘリコプターを活用した現場の測量ソリューションを用意した。東日本高速道路では、ITや機械化などを積極的に導入して道路インフラの安全を維持していく「スマートメンテナンスハイウェイ」という構想の下、無人航空機を活用した災害状況の早期把握や橋梁点検などを進めている。調査会社のシード・プランニングによれば、産業用無人飛行機・ヘリコプターの市場は、2015年に16億円、2020年に186億円にまで成長すると予測している。


 市場拡大の障壁となるのは飛行時のルールになりそうだ。落下の危険がある無人飛行機を安全に活用するために、現在法規制やガイドラインの見直しが進められている。すでに航空法の一部が改正されて、無人航空機を飛行させる際の基本的なルールの遵守が12月10日から義務化される。例えば、150m以上の高さの空域、人口集中地区や空港などの周辺の上空での飛行は禁止された。これらの空域で飛行させようとする場合には、国土交通大臣の許可を受ける必要がある。


 どこで飛行させていいのか、そしてどのように飛行させることができるのか。安全を担保しつつ産業の創出を促すガイドラインの制定が急がれている。


“操縦者不要”の自律型飛行で安全を確保


 無人飛行型ロボットのビジネスモデルとしては、無人航空機の販売やレンタル、無人航空機用のサービス提供、そして、無人航空機を活用した自社サービスの提供などが考えられる。前述した通り、そうしたビジネスをすでに進めている企業もある。


 無人航空機とクラウドサービスを組み合わせた産業用ソリューションの提供を予定しているのは、今年の8月に始動したエアロセンスだ。同社は、ソニーモバイルコミュニケーションズとZMPの合弁会社。強みはソニーのカメラ、センシング、通信、ロボット分野における技術と、ZMPが培ってきた自動運転やロボット技術となる。


 同社 取締役 事業推進担当の嶋田 悟氏は、「エアロセンスは自社製の無人航空機を利用したサービス、そしてそのプラットフォームまでをトータルで提供する点が大きな強みです」と語る。同社製の無人航空機はソニーのセンシング技術とZMPの自動運転技術を生かして完全な自律運転を実現する。飛行エリアや目的地を設定するだけで自律的に飛行するのだ。「無人航空機を人間が完璧に操縦することはかなり困難です。完全に自動化することで人為的なミスや目的地以外での飛行を防ぎ、規則に則った利用を実現します。顧客側では、無人航空機を操縦する必要がなくなります」(嶋田氏)


クラウドと連携して計測データをリアルタイム解析


 エアロセンスでは、無人航空機を活用してさまざまなデータの計測や物の運搬を行うサービスの提供を予定している。ソニーのセンシング技術による精細なデータ収集と高速無線によるデータアップロードでクラウドサービスと連携させる。そして、クラウドサービス上でデータを同時に処理してリアルタイムでサービス利用者に提供する。


 「例えば建築土木分野でのサービス提供を想定しています。上空から現場の状況を撮影し、クラウド上で処理して2Dマップや3Dモデルなどを作成します。それらのデータを顧客はクラウドサービス上でいつでもどこでもリアルタイムで確認できるのです。作業チーム内でのシームレスなデータ共有も可能になります」と嶋田氏は話す。実際に取得する画像や動画、その後の自動解析工程は各産業分野のニーズに応じてカスタマイズして提供する。物の運搬の領域では、薬の輸送なども想定している。


 「無人航空機は、人が行うと大きな手間がかかったり危険だったりした作業や、これまで実現できなかった作業を可能にします。測量やモニタリング、管理、物流などにおいて大きなビジネスチャンスを見込んでいます」(嶋田氏)


 同社は2016年中に無人航空機100機体を活用したサービスの提供を予定。2020年に100億円の売上を目標としている。

キーワードから記事を探す