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いよいよロボットが本気で働く 【その1】 ~社会やビジネス、日常生活に役立つロボットの最新動向~

新しいロボット市場の幕開け ロボットの進化が新たな段階を迎えている。その背景にあるのはITとの融合だ。 さまざまなビジネスシーンや日常生活での活躍が期待されるロボットたちの、これからのビジネスチャンスを追った。

[2016.04.11]

クルマや家電、携帯電話もロボットに


 ロボット大国日本において、新たなロボット革命が始まろうとしている。政府は5年間で1,000億円規模のプロジェクトを推進。2020年までにロボットの国内市場規模を、現在の6,500億円から2兆4,000億円に拡大させるとしている。


 ドローンなどの無人飛行型ロボットや人型のコミュニケーションロボットの話題が巷間を騒がせることが多くなってきたが、そもそもロボットとは何を指すのか。これについては、2005年に経済産業省のロボット政策研究会が発表した「ロボット政策研究会中間報告書」で触れられている。それによると、「センサー」「知能・制御系」「駆動系」の三つの要素技術があるものをロボットとすると定義されている。つまり、何らかのセンサーが搭載されていて、取得したデータを使って自らを動かせる機械ということだろう。


 それから10年が経過した今年の1月、経済産業省のロボット革命実現会議が「ロボット新戦略」を発表した。同戦略の中では、センサーや人工知能の技術進化によって従来はロボットと位置付けられてこなかったものもロボット化してきたと指摘している。クルマや家電、携帯電話や住居などがその例だ。


 それによって、製造現場だけでなく日常生活のさまざまな場面でロボットが活用されるようになり、社会課題の解決やものづくり・サービスの国際競争力の強化が実現するとしている。


 ロボットの進化のキーワードは、「自律化」「情報端末化」「ネットワーク化」の三つ。これはITとの融合を指している。ITとの融合で、さまざまな情報をクラウド経由で収集・提供し自律的に動けるロボット、それが新しいロボットの姿なのだ。


5年間で1,000億円をロボットプロジェクトに投資


 経済産業省 製造産業局 産業機械課 ロボット政策室 室長 安田 篤氏は、「少子高齢化や生産年齢人口の減少が進展している日本では課題が山積みです。ロボットは、人手不足や生産性の向上など社会課題を解決する手段となるのです」と話す。


 政府はそうした課題解決のためのロボット新戦略として、2020年までの5年間をロボット革命集中実行期間と位置付けて、官民で総額1,000億円のロボット関連プロジェクトの投資を決定した。重点分野は「ものづくり・サービス」「介護・医療」「農業」「インフラ・災害対応・建設」の四つ。これらの分野でロボットの活用を促進し、2020年までに市場規模を製造業分野で現在の2倍(6,000億円から1.2兆円)、非製造分野で20倍(600億円から1.2兆円)に拡大させることを目標としている。


 ロボットの活用を促すために、規制の緩和やルールの整備なども行う。無人ロボットを操作するために必要な電波の取り扱いについての整備や介護関係の諸制度の見直し、道路交通法・道路運送車両法の検討、無人飛行型ロボットのためのルール作り、公共インフラの維持・保守関係法令の整備など。「ロボットが利用しやすくなる“ロボットバリアフリー社会”を実現するために、必要な規制改革を実施します」(安田氏)


 グローバル展開を見据えた国際標準化への取り組みや、ロボットの開発、導入を促す実証実験フィールドの整備も行う。そうした中で、ロボットの普及の鍵を握る存在と目されているのはソフトウェア人材やSIerだ。安田氏も「ロボットの頭脳部分を作れるベンチャーを育成したい」と語るように、ロボット分野においてもソフトウェアやサービスの力が大きなポイントになる。

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