menu
ネタと話題 [ Story and Topics ]

グーグルが推奨するクラウドベースの働き方「Google Atmosphere Tokyo 2015」レポート

ワーキング革命が世界的に求められている背景には、日本の現状とは少し異なる理由 がある。海外では「守る」ための取り組みというよりも、ビジネスそのものを推進して いくための「攻め」として捉えている。その意識や価値観の違い、求められるテクノロ ジーやサービスについて、クラウド企業のリーダーといえるグーグルから学んでみよう。

[2016.04.10]

テクノロジーが世界をより狭くしている


 グーグルが2015年6月に開催したイベント「Google Atmosphere Tokyo 2015」のテーマは、『「働き方のこれから」が、ここで見つかる。』だった。基調講演に登壇したGoogle for Work担当社長のアミット・シング氏は、スライドを提示しつつ「テクノロジーによって、世界はより狭くなっている」と語った。


 グーグルは、テレビでもよく取り上げられる自動運転をはじめとして、ヴァーチャルリアリティやウェアラブテクノロジー、そして今年のCES 2016でも話題の中心だったモノのインターネット化(IoT)、人工知能、機械学習を推進している。これらのテクノロジーは、ほんの数年前までは少し先の未来の話と思われていた。だが、その多くが実証実験や実用段階を経て、法整備が求められるレベルにまで達してきている。こうしたテクノロジーの進化と普及は、まさに世界をより狭くするものであり、ビジネスのスピードや構造の変化をもたらす。


 そんな激動の時代にあってシング氏は、「レガシーシステムは重荷だ」と指摘する。グーグルの分析によれば、ITへの支出の8割が、レガシーシステムに費やされているというのだ。その証拠として、基調講演のユーザー事例として紹介されたJTBでは、オンプレミスのメールサーバーを5年間運用するコストが20億円になると試算し、全面的にGmailへリプレースしたという。レガシーシステムにしがみついていると、コラボレーションや競争という面でも時代に取り残されてしまうのだ。


従業員の意識が変わる


 グーグルは、テクノロジーによって従業員の意識も変わると話す。例えば、Googleのクラウドサービスやスマートフォンのアプリに慣れ親しんだ学生が、企業に就職してレガシーな技術を使うことになり、失望してしまうだけではなく、離職してしまうケースもありえる。「働くことに対するグーグルのビジョンは、仕事に最高のグーグルを提供することです」とシング氏は訴求する。そのためにGoogle for Workはデザインされているという。


 シング氏の後に登壇したAndroid and Chrome GBU for Workand Education ルネー・ニーミ ディレクターは、「従業員の45%は、好きな端末で仕事ができるのであれば給料が下がってもかまわないと考えている」とスライドを使って説明した。


 日本ではそこまで極端ではないと思うが、企業が優秀な人材をひきつけて維持するために、テクノロジーの重要性は無視できなくなっている。実際に、Google for Workを使いこなす社員が多ければ多いほど、コラボレーションと情報共有は加速する。その結果、共有し蓄積されるデータから新たな知見が導き出されるようになり、市場における差別化や競争の優位性を維持できる。


 さらに、社員が上司からの指示を待つのではなく、自らが意思決定を行っていく最適な働き方を実現できる。こうした効果を得るためにも、テクノロジーの積極的な活用は必要になるのだ。ニーミ氏によれば、「仕事とは、もはや朝に出勤して開始するものではなく、私達が取り組み、完了させるもの」だという。


 ある働き方のモデルケースによれば、オフィスのデスクで作業をしている時間よりも、客先や現場で行う仕事の割合が増えている。このような働き方は、米国に限ったものではない。やはり事例として紹介されたミサワホームでは、グループ企業がばらばらのITを導入して現場が混乱していた。そこで、システムへの重複投資を排除するためにもGoogle for Workを採用した。その結果、建設現場など、どこでも仕事ができる仕組みが構築でき、コンシューマーITの便利さとセキュアな環境の両立を実現したという。


すべての従業員をモビリティ化


 ワーキング革命のためのテクノロジーへの取り組みは、「すべての従業員のモビリティ化と職場での選択肢」がポイントになるとニーミ氏は指摘する。まず、いつでも、どこでも、すべてのデバイスで作業できるクラウドサービスは必須となる。グーグルであれば、それがGoogle for WorkとAndroid for Workになる。


 そして、モビリティの選択肢においては、幅広い価格帯のデバイスとアプリの存在も不可欠だ。ビジネスの競争力を維持するためにも、社員が自由に端末を選べるだけではなく、コストパフォーマンスに優れたデバイスの多様性が重要になる。実際のところ、Googleのクラウドサービスを利用するには、iOSやWindows Mobileよりも、Androidの親和性が秀でている。


 利用においては「シームレスな接続」を実現しなければならない。企業の内部や外部でのシームレスな環境と、端末やアカウント間での簡単な共有や切り替え、そして、アプリやデータの一元管理体制も必要になる。これらの要件をGoogle for WorkとAndroid for Workは満たしているというのが、グーグルの提案となる。


 さらに、ビジネスプロセスへのモバイルの統合や、イノベーションを拡大するためのオープンなフレームワークに、従業員のデスク以外での仕事を認めることが、「ビジネスアジリティ」につながる。


 これらの条件を整えることで、社員の働き方が変わるだけではなく、仕事への意識や意欲の変化も期待できる。また、その必要性や競争力の維持につながる理由などを提案できるようになれば、Google for Workと関連するデバイスを商材として積極的に薦められるようになるのだ。

キーワードから記事を探す