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ネタと話題 [ Story and Topics ]

“いつでも会議”を可能にするコミュニケーションツール

これまでの連載で、ワーキング革命を支える基盤としてのクラウドサービスや具体的なツールの数々を紹介してきた。その多くは、デバイスとアプリケーションが中心だったが、今月は少し方向性を変えて考えていきたい。おそらく、クラウドサービスとデバイスを用意すれば、すぐに働き方が変わると期待されているだろう。しかし、現実にはコミュニケーションの基本である目と耳と口をサポートする製品を整備しなければ、働き方は変えられない。

[2016.03.31]

場所や時間に縛られないための
実践的な業務環境づくりとは


 「Skype for Business」やGoogleの「ハングアウト」を利用すれば、いつでもどこからでもインターネットを介してコミュニケーションがとれる。その利便性を活用すれば、時間や場所に縛られない働き方が可能になる。それがワーキング革命の基本だが、現実に推進しようとすれば、より実践的な利用環境を整えていく必要がある。


  具体的には、個人で使うヘッドセットや会議室に置くミーティング用システムになる。これまで会議用のシステムといえば、高価なテレビ会議製品が主流だった。だが、ここ数年でSkype for Businessやハングアウトでの利用に適したリーズナブルな製品も登場してきている。こうした最新の製品を提案することも、ワーキング革命を商材として売り込むチャンスとなるのだ。


  そこで、もう少し具体的に製品を検討していこう。最初に考えるのは、会議室などで利用する製品だ。この分野では、かつてマイクロソフトが「Round Table」という製品を販売していた。まだ製品の紹介サイトは残っているが、2009年からポリコムが「CX5000」として販売しているという。


  一方で、Googleは「Chromebox for meetings」というセット製品を用意している。日本ではASUSなどが取り扱っているが、ChromeboxとHDカメラ、マイク、スピーカー、そしてリモコンがセットになった製品になる。Chromebox for meetingsは、Googleのハングアウトを利用したテレビ会議システムなので、この製品を紹介するということは、そのままGoogleのクラウドサービスの導入提案にもつながる。


 「テレビ会議は、あれば便利だけど高いから」と悩んでいる経営者がいたら、Chromebox for meetingsは絶好の商材となる。なぜなら、Chromebox for meetingsによるテレビ会議は、単に遠隔地の会議室同士を結ぶのではなく、PCやスマートデバイスを持ち歩いている人たちとも、同時にミーティングを実現できる便利な製品だからだ。


  最大で15人までの参加が可能であり、会議室にいなくてもミーティングが行える。その便利さは、なかなか口頭で伝えるのは難しいかもしれないが、一度体験すると会議に対する考え方を変えるほどのインパクトがある。


用意してあると便利な
ヘッドセットやWebカメラ


  会議室での製品の導入に加えて、個人の利用する環境にも配慮が必要だ。なぜなら、日本のオフィスは欧米のようなパーティションで仕切られた余裕のある空間ではないので、職場でSkype for BusinessやGoogle ハングアウトを使うとなると、周りへの気遣いが生じる。それが重なると、だんだんと会話で使うのが億劫になり、最後は使われなくなってしまう。


  そうならないためには、自席で快適に通話のできるグッズを取り揃えておきたい。その一つが、ヘッドセットになる。ケーブル式のものであれば、それほど高額ではないが、モバイルでも利用することを考えると、Bluetooth方式のものが望ましい。


  ヘッドセットがあれば、通話している音声が外に漏れることはなく、それほど大きな声を出さなくても会議に参加できるので、自席からでも抵抗が少ない。さらに、あると便利なのがWebカメラだろう。PCの機種によっては、モニターの上部にWebカメラが搭載されているので、場合によっては機種の更新のタイミングで、そういうモデルを提案するのもいいかも知れない。


  もちろん、スマートフォンで自撮り機能があるモデルならば、自分の顔を写しながらオンラインの会議に参加できる。会議の目的の一つは、互いの表情を確認して、議題に対する同意や意見を求めることにもあるので、やはり参加者全員の顔が見えるかどうかは大切になる。離れていても「顔」と「声」で参加できれば、誰もが安心するのだ。


“これまでの会議”を減らして
真に有意義な会議を増やす


  さて、テレビ会議システムと各自が使う製品環境が整った段階で、どのようなオンライン会議やワーキング革命が起こるのだろうか。その真のゴールとして、Google Apps for Workのサイトでは「会議を減らすこと」が提案されている。


  矛盾しているように感じられるだろうか? Google ハングアウトやSkype for Businessは、そもそもがビジネスのコミュニケーションを加速する道具になる。それを会議に活用すれば、よりコミュニケーションは活発になり、発展性のある意見交換が頻繁に行われるようになる、と考えるのが道理かも知れない。それなのに、なぜ会議を減らすのか。


  その答えは、「会議の内容」にある。Googleのサイトでも言及されているように、減らすべきは「これまでの会議」なのだ。資料の作成や印刷に時間をかけて、全員が集まる日時を手間暇かけて調整し、その内容は資料の読み上げと確認だけに終わる。そんな会議を数多く行っても、時間と紙と人件費の無駄だというわけだ。


  それに対して、Googleが提唱する会議は、Googleハングアウトと「Google プレゼンテーション」「Google ドライブ」を活用した、新しい会議のスタイルになる。例えば、プレゼンテーションの資料は、会議の前にオンラインで全員が共有し、あらかじめ内容を把握しておく。各自がPCやタブレットでスライドを閲覧できるので、印刷などの準備は不要になる。


  もちろん、会議にはGoogleハングアウトを使うので、綿密なスケジュールの調整もいらない。その場にいる人たちだけが会議室に集まり、あとはモバイルで参加すればいい。それだけで、移動時間も大幅に削減される。そして、すでに議論するべき内容は事前に把握しているので、会議の場では「意見」や「提案」が出てくるようになる。


  こうした会議のスタイルが定着していけば、もはや会議室という「場」は不要になるだろう。いつでもどこでも、誰とでも、必要なときにオンラインで議論を交わせるようになる。それこそが、上述した製品で実現するワーキング革命の一つとなるのだ。

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