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仮想デスクトップ基盤のバックアップシステムにネットアップのFASシステムを採用「広島市立大学」

仮想化技術をいち早く採用してシステムの統合と運用の効率化を進めている広島市立大学が、仮想デスクトップ基盤のストレージシステムとしてネットアップのFASシステムを採用した。GPU仮想化技術を取り入れた仮想デスクトップ環境における厳しい性能要件に応えるFASシステムが、バックアップの効率化やファイルサーバーの統合にも貢献している。

[2016.03.30]

GPU仮想化技術を取り入れた
仮想デスクトップ基盤を構築


 「科学と芸術を軸に世界平和と地域に貢献する国際的な大学」を建学の基本理念に掲げる広島市立大学は、国際学部、情報科学部、芸術学部の3学部と、大学院博士前期・後期課程として、国際学研究科、情報科学研究科、芸術学研究科を有する総合大学だ。


  広島市立大学では、従来から学生や教職員の教育・研究を支える情報基盤として「HUNET(Hiroshima City University Information Network)」を運用している。HUNETでは講義を支えるクライアント環境や履修登録、遠隔講義システムなどが稼働。近年は、プライベートクラウド上で学内サーバーの仮想化統合やデスクトップの仮想化などによって、システムの統合と運用の効率化が進められている。


  デスクトップの仮想化は、事務用の端末から着手されている。以前はPCの統合的な管理が行われておらず、データの保管やバックアップは各職員に任せられていたため、データの損失や情報漏洩のリスクを抱えていた。そこで、デスクトップの仮想化を採用し、それらの課題を一気に解決したのだ。サテライトキャンパスの端末環境も同じ仮想デスクトップ基盤に収容し、遠隔管理の実現によってIT専属要員の不足を補った。これらの成果もあり、教育用端末の仮想化も行うことになった。


  教育用端末ではPhotoshopやIllustratorなどの編集ソフトに加えて、Shadeなどの3DCGアプリケーションも利用される。そのため、GPU仮想化技術を取り入れた仮想デスクトップ基盤の構築が目指された。同時に、学内で散在していたファイルサーバーの集約とデータのバックアップの強化を実現するストレージ基盤の導入も求めた。


  実際に採用された仮想デスクトップ基盤は、ハイパーバイザーがVMware vSphere、仮想デスクトップ管理ソリューションはVMware Horizon View。その基盤上で、約400台のクライアント環境が稼働し、そのうち50台は高度な3Dグラフィックスに対応した仕様となった。


バックアップの課題を
FASシステムの導入で解決


  この仮想化基盤を構築するにあたって、ストレージシステムに求められたのは次の要件だった。

 

1)3Dグラフィクス処理にも対応できる仮想デスクトップ基盤を支えられること

2)学内の事務用・教育用ファイルサーバーの集約と統合バックアップ体制も確立できること

3)深刻なシステム障害や大規模災害にも耐えられる災害対策環境を実現できること

 

  

  こうした要件に合致するストレージとして選定されたのが、ネットアップの「FAS3220AE」と「FAS2240-4A」(以下、FASシステム)だった。広島市立大学のシステム構築を担当したネットアップ 西日本営業部の辻 亜希子氏は「もともと広島市立大学さまは、ファイルサーバーと事務用仮想デスクトップ基盤のバックアップに他社製品を導入されていたのですが、ストレージ容量の不足によりバックアップが十分でないという課題を抱えられていました。また、身近なシステムでバックアップに時間がかかりすぎるという課題もありました」と説明する。そこで、広島市立大学では、仮想化分野における豊富な導入実績と高い信頼性を評価してネットアップ製品の導入を決めたのだ。


  ネットアップのFASシステムは、スケールアウト時のノンストップオペレーションを実現するストレージOS「clustered Data ONTAP」を搭載しており、柔軟性が非常に高い点も支持された。また、「データ重複排除機能やデータ圧縮機能によって、増え続けるデータの容量を効率的に減らしていける点も魅力です」とネットアップ ソリューション技術本部 エンタープライズSE第二部 シニア システムズエンジニア 小形敏康氏はアピールする。


  実際には、学生たちの操作ミスやシステム障害に対するデータ復旧のためにSnapShotを1日に数回取得し、多世代にわたるデータ保護を実現させている。事務用端末の仮想デスクトップ環境も、ストレージ間のデータコピーによってFASシステム上にバックアップを取得している。


  バックアップストレージは、広島市役所が利用しているデータセンターにアクティブ・アクティブ構成のFAS2240-4Aが設置されており、メインストレージからデータレプリケーションを実施している。「レプリケーションが簡単で扱いやすい点もFASシステムの特長です」(小形氏)


  レプリケーションは1日1回、深夜の0時から朝6時に予定されているが、データの差分転送の効率がよいため、平均して2時間程度でデータの同期が完了しているという。FASシステムの導入によって、広島市立大学は迅速で確実なバックアップ体制を構築できたのだ。


授業開始時のブートストームや
3DCGアプリの利用にも耐える基盤に


  仮想化基盤の構築においては、ストレージのI/O性能がボトルネックとなって処理に問題が発生するケースも少なくない。今回の事例では、仮想デスクトップで3Dのグラフィクス処理なども行われるため、高い処理能力やレスポンス性能がストレスのない仮想デスクトップ基盤構築に欠かせない。


  その点についても、「最適なサイジングによってSASディスクで快適な仮想デスクトップ環境を実現しています。授業の開始時間など仮想マシンが一斉に起動されるブートストームにも耐え、授業時の3DCGアプリケーションの軽快な操作性も実現しているなど、仮想デスクトップ基盤の成功事例と言えるでしょう」と辻氏は話す。


  ファイルサーバーもFASシステムに集約されており、約2,000名の学生が利用するファイルサーバーとして、FASシステムは快適なファイルアクセス環境を提供している。


  教育用端末の仮想化をネットアップのFASシステムを採用して実現した広島市立大学では、いつでもどこでも快適に学習できる環境を、仮想デスクトップという形で学生に提供することに成功した。

 


ユーザー概要
広島市立大学


所在地
広島県広島市安佐南区大塚東3-4-1


設立
1994年4月1日


学生数
学部生1,770名、大学院生311名(2015年5月1日時点)


設置学部
国際学部、情報科学部、芸術学部


FASシステム導入目的
・処理能力やレスポンスに優れた仮想デスクトップ環境の構築
・効率的で確実なバックアップ体制の確立
・学内に散在しているファイルサーバーの統合


導入した製品
「FAS3220AE」「FAS2240-4A」

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