menu
市場調査・分析・予測 [ Market research ]

IoT、AI、コグニティブが生み出す価値をちょっと思想的に体系づけて考えてみよう

[2016.12.01]

収集可能と有効活用可能の最大化

 

近未来の社会や産業の発展に寄与するテクノロジーとして機械学習やAIなどのコグニティブとIoTを活用したさまざまなソリューションの効果が期待されている。しかしながらこれらが生み出す価値については、範囲や規模、そして可能性が大きいことから明確化が難しいという実情もある。
そこでIT専門調査会社のIDC Japanは将来的にIoT/コグニティブの双方を組み合わせることで生み出される価値について、2016年11月14日に調査結果を発表した。
まず同社は企業がデジタルビジネス変革を推進する上で「収集可能なデータの最大化」と、その中での「有効活用可能なデータの最大化」という2つの取り組みが不可欠だとし提起している。
2020年にかけて全世界で生成されるデータのうち、データ量の大きさという観点では「非IoTデータ」が相対的に多くを占めるという。またデータ量の成長性という観点では「IoTデータ」が非IoTデータの2倍のスピードで成長すると見ている。
つまり「収集可能なデータの最大化」をけん引する役割を果たすのはIoTであり、IoTデータ/非IoTデータの双方において「有効活用可能なデータの最大化」をけん引する役割を果たすのがコグニティブという役割分担となると分析している。

IoT/コグニティブにおける中期的に多くの支出額を占めるユースケース

※IoTは2020年での支出額が最も大きいと見込まれる10のユースケースについて支出額が大きい順に記載
※コグニティブは2019年での支出額が最も大きいと見込まれる10のユースケースについて支出額が大きい順に記載
※リストの対象はIoT/コグニティブの双方を積極的に活用していると見られる10業種に限定

出所:IDC Japan

IoTデータと非IoTデータの組み合わせ

 

IoTとコグニティブを組み合わせるユースケースが徐々に登場し始めており、そうしたユースケースの重要性は今後さまざまな産業分野で飛躍的に高まるという。具体的には製造業における製品の品質改善や製造機械の故障予兆検知、小売業における店舗内での販売促進、運輸業におけるフリート管理や輸送貨物管理などだ。
ITベンダーは企業の「収集可能なデータの最大化」を進める上でIoTを通じたデータセンシング/処理基盤を充実させることはもちろん、産業分野間にまたがって非IoTを含めたさまざまなデータを組み合わせることも視野に入れたソリューションの提案が求められるようになる。
また「有効活用可能なデータの最大化」を進める上でコグニティブを中心としたアナリティクス技術を駆使して、IoTデータ/非IoTデータを余すことなく活用し価値を最大化することも重要になる。

アジャイル的な考え方が重要

 

IDC Japan コミュニケーションズ マーケットアナリストの鳥巣悠太氏は「ユーザー企業がデジタルビジネス革新を推進するためには「アジャイル」な考え方を養うことが重要になる。例えばIoT/コグニティブを導入あるいは運用を進める上で、導入前にROIを見極めることは極めて困難なため、企業はある程度本番運用で活用していく過程でROIを見極めていくような考え方が必須になる。そうしたアジャイル的な思想を企業の経営サイドが率先して養い、その考え方を強力なリーダーシップで企業風土として浸透させていくことが肝要だ」と述べている。(レビューマガジン社 下地孝雄)

キーワードから記事を探す