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トライバンドを採用した高速・広域Wi-Fiシステム「Orbi」(オービ)をネットギアジャパンが発売

ネットギアジャパン合同会社は2016年11月17日、家庭用Wi-Fiシステム「Orbi」(オービ)の国内販売を発表し12月より発売する。この日に発表されたのは「Orbiスタンダードキット」で親機となる「Orbiルーター」と電波を中継する「Orbiサテライト」で構成される家庭用Wi-Fiシステムだ。価格はOrbiルーターが1基とOrbiサテライトが1基のセットで45,800円(税込)。今後、OrbiルーターとOrbiサテライトはそれぞれ単品でも販売される予定だ。

[2016.11.22]

家庭用Wi-Fiシステム「Orbi」。当初は親機となる「Orbiルーター」が1基と電波を中継する「Orbiサテライト」が1基をセットにしたスタンダードキットのみの販売となる。価格は45,800円(税込)。今後、OrbiルーターとOrbiサテライトの単品販売もする予定だ。

従来構成のWi-Fi環境は速度低下が課題

 

対応する無線通信規格はOrbiルーターとOrbiサテライトのいずれもIEEE 802.11acだが、2.4GHz帯と5GHz帯×2のトライバンドに対応しているのが特徴だ。


OrbiルーターとOrbiサテライトにはそれぞれ子機(デバイス)接続用に独立した2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯が利用でき、これとは別にOrbiルーターとOrbiサテライト間の中継専用に独立した5GHz(1.7Gbps)が利用できる。

ルーターとサテライトを中継する専用の周波数帯を利用することと子機の接続用に2つの周波数帯を利用することで、接続する子機が増えても速度が低下しない工夫がされている。

 

トライバンドWi-Fiシステムのメリットについてネットギアジャパン合同会社 マーケティングマネージャー 曽利雅樹氏が従来の従来のWi-Fi中継器による構成の課題を挙げて説明した。

ネットギアジャパン合同会社
マーケティングマネージャー
曽利雅樹氏

 

従来の中継器では中継用と子機の接続用周波数帯が同じであるため、子機が増えるほど速度が低下する。

ルーターと中継器の構成では接続する子機が増えると速度が低下する。

子機の移動時に生じる途切れも課題

 

さらに子機がルーターの通信エリアから中継器の通信エリアに移動する際に中継器のエリアに入ってもルーターと通信を続け、中継器につなぎ直すため接続が途切れて通信が不安定になる。

ルーターと中継器の構成では子機が接続先を探すため、移動時に適切な接続先に接続されづらい。

接続先が切り替わる際に通信が途切れて不安定になる。

 

こうした課題に対してOrbiではOrbiルーターとOrbiサテライトを独立した周波数帯で中継し、さらにそれぞれ子機用の周波数帯を2つ利用できるため接続する子機の数が増えても速度の低下が少ないという。

Orbiはトライバンドを採用している。

Orbiは中継用の周波数帯が子機の接続用とは別に用意されているため、子機が増えても速度が低下しづらい。

 

また通信の安定性については、Orbiでは接続を子機に任せるのではなくOrbiが最適な接続先に自動的に切り替えるとともに、OrbiルーターとOrbiサテライトが同じSSIDを使用するため子機は切り替えに気付くことなく安定した通信環境が利用できるという。

最適な接続先に子機を接続し同じSSIDを利用するため、子機が移動しても通信が途切れず安定している。

 

会場ではSkypeを使って2台のスマートフォンでビデオ通話をしている最中にOrbiサテライトの電源を切るというデモが実演された。Orbiサテライトの電源が切れたのと同時に別の部屋に設置してあるOrbiルーターに接続が切り替わったが、切り替えが瞬時に行われたためビデオ通話の映像は途切れなかった。

防犯カメラなどIoTデバイスにも効果あり

 

Orbiを開発・発売した背景についてNETGEAR Inc.でホームネットワーキング プロダクトマーケティング シニアダイレクター プロダクトマネジメントを務めるサンディープ・ハーパラニ氏は家庭で使用されるデバイスの増加と、ルーターの設置場所の制限を指摘した。

NETGEAR Inc.
ホームネットワーキング
プロダクトマーケティング
シニアダイレクター
プロダクトマネジメント
サンディープ・ハーパラニ氏

 

ハーパラニ氏は「家庭内ではインターネットに接続されるデバイスの数は(BI Intelligenceの調査によると)11台となっており、この数は2019年までに2倍に増加する。Wi-Fiルーターを家の中心に設置すれば約85%の家庭でインターネットを十分に利用できる。しかし多くの家では部屋の隅にサービスプロバイダーの回線があり、Wi-Fiルーターを家の隅に設置せざるを得ない。Wi-Fiルーターから離れた部屋では接続が途切れたり、死角になったりする場所もある」と説明する。


さらに家庭でもIoTデバイスの利用が広がることも指摘した。例えば防犯カメラが挙げられる。こうした屋外に設置するデバイスもWi-Fiを利用するため、Wi-Fiのサービスエリアを広げるには中継器が必要となる。ただし従来のルーターと中継器の構成では前述の通り通信の速度と安定性が課題となり、Orbiが開発されたということだ。

従来構成の2倍、3倍の通信速度を提供

 

Orbiのトライバンドを利用することで従来のルーターと中継器の構成と比較して通信速度が約2倍に向上するとネットギアは発表している。さらにこのスピードは接続する子機が増えても低下しないとアピールしている。

 

ちなみにOrbiのシステムと従来のルーターと中継器の構成との通信速度の比較では、接続する子機が1台の場合は約2倍、3台では3倍のスピードとなると同社は発表している。

Orbiの特徴。OrbiルーターとOrbiサテライトにはそれぞれ最大3台の子機が接続できる。

 

またOrbiルーターとOrbiサテライトのWi-Fiのカバーエリアは単体でともに最大185平方メートル(約56坪)で、両方を組み合わせたシステムでは最大371平方メートル(約112坪)と発表されている。

家庭でのOrbiの設置例。OrbiルーターとOrbiサテライトを組み合わせることで、最大371平方メートル(約112坪)をカバーする。

 

なお1台のOrbiルーターに対して3台までのOrbiサテライトが接続できる。ただしファームウェアのバージョンアップにより、将来は接続できる台数が増える可能性もあるとハーパラニ氏は話した。

家庭での需要を狙って販売

 

Orbiは家庭向けのWi-Fiシステムとして販売されるが、日本の家屋の多くはそれほど広くはないし、マンションに暮らす人も多い。国内ではOrbiのようなシステムを必要とする家庭は少ないのではないだろうか。

 

こうした疑問に対してハーパラニ氏は「屋外に設置するビデオカメラなどのWi-Fiデバイスの接続や、家が広くなくて部屋の数も少なくても家の隅々でインターネットを快適に利用したいというニーズは確実にある」と自信を見せた。

競合の少ない製品で差別化を図る

 

Orbiの発表に加えてネットギアジャパンの国内コンシューマー向けビジネスの状況について、同社のコンシューマ製品 セールスマネージャー 大仁田良平氏が説明した。

ネットギアジャパン合同会社
コンシューマ製品
セールスマネージャー
大仁田良平氏

 

大仁田氏は「2011年からコンシューマー向けのディスクレスのNASや高速Wi-Fiルーターなどを発売し、順調にセールスを伸ばしてきた。さらに競合との差別化を図るために2014年にはWi-Fiルーターのハイエンドモデルを発売した。さらに2015年にはネットワークカメラを発売したが、バッテリー駆動を採用して完全ワイヤレスで差別化を図っている」と説明する。


そして「Orbiも新しい技術を採用したユニークな商品となっている。今後も国内で競合が少ない新しい製品を出し続けて売り上げを伸ばしていく」と意気込みを語った。

(レビューマガジン社 下地孝雄)

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