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市場調査・分析・予測 [ Market research ]

アウトソーシング市場はドキュメント関連が元気/各種の制度改革がもたらす商機拡大

[2016.11.21]

ドキュメントのアウトソーシングに注目

 

業務の効率化やコスト削減、そして本業への注力による事業成長を目的に、アウトソーシングサービスの活用が進んでいる。中でも文書に関するアウトソーシングサービスの市場が拡大しているようだ。
文書に関するアウトソーシングサービスとは、企業における文書の印刷やスキャン、処理といったドキュメントに関する業務を外部委託するサービスのこと。
欧米ではドキュメントアウトソーシングサービス市場が大きく拡大しており、国内市場の動向が注目されている。
そこでIT専門調査会社のIDC Japanは国内ドキュメントアウトソーシングサービス市場に関して2015年売上実績と2020年までの予測を調査・分析し、その結果を2016年10月26日に発表した。

国内ドキュメントアウトソーシングサービス市場 売上額予測(2015年~2020年)
出所:IDC Japan

高い成長率を続ける期待の市場

 

IDC Japanではドキュメントアウトソーシングサービスをドキュメントに関するビジネスプロセス全体をアウトソーシングするBPOドキュメントサービス、集中コピーセンターの管理を行うインハウスプロダクションプリントサービス、イメージのスキャンとスキャンしたドキュメントの保管をアウトソーシングするイメージング/ドキュメントアーカイブサービス、外注印刷を最適化するプリントソーシング/プロキュアメントサービスに分類している。
同社の発表によると2015年の国内ドキュメントアウトソーシングサービス市場の売上額は2,852億3,000万円だった。また国内ドキュメントアウトソーシングサービス市場の2015年~2020年のCAGR(年間平均成長率)は7.1%と予測しており、2020年の市場規模は4,023億4,500万円になるという。

出力業務と関連業務全般が活況

 

2015年の国内ドキュメントアウトソーシングサービス市場で最大の売上となったのはBPOドキュメントサービスで、前年の2014年と同様の結果だった。
中でも請求明細やダイレクトメールなどの印刷・発送を一括してアウトソーシングするBPOドキュメントサービス(出力業務)は1,890億4,000万円と大きな割合を占めているという。
また返送された書類の入力やエンドユーザーからの問い合わせ対応などの関連業務全体をアウトソーシングするBPOドキュメントサービス(関連業務全般)は580億8,700万円だった。
その他の売上はインハウスプロダクションプリントサービスが131億7,300万円、イメージング/ドキュメントアーカイブサービスが207億9,000万円、プリントソーシング/プロキュアメントサービスが41億4,000万円だった。

制度改革が売り上げ拡大に貢献

 

前述の通り2015年~2020年のCAGRは7.1%と予測されており、国内ドキュメントアウトソーシングサービス市場は2016年以降も大きな成長が期待されている。
中でもBPOドキュメントサービス(出力業務)の2015年~2020年のCAGRは7.3%、BPOドキュメントサービス(関連業務全般)の同期間のCAGRは9.9%と最大の伸びが予測されている。
BPOドキュメントサービス(関連業務全般)で高い成長が期待できる理由として、マイナンバー関連の業務が一段落したもののストレスチェック制度や電力やガスの小売自由化など、業務アウトソーシングを促進するような制度改革が始まり、こうした動きがベンダーの売り上げ拡大に貢献することが挙げられる。

法令順守に加えて業務改善も提案

 

一方でインハウスプロダクションプリントサービスの同期間のCAGRは0.8%、イメージング/ドキュメントアーカイブサービスは1.7%、プリントソーシング/プロキュアメントサービスは0.5%と、BPOドキュメントサービスと比較すると市場の伸びは限定的だ。
IDC Japanでイメージング、プリンティング&ドキュメントソリューション グループマネージャーを務める石田英次氏は「国内ドキュメントアウトソーシングサービス市場はマイナンバー対応などの制度改革の流れを受けて順調に拡大している」と分析する。
企業が法令順守のためにアウトソーシングサービスを利用する際に、ベンダーは他の業務改善アウトソーシングサービスを提案してビジネスを拡大できそうだ。(レビューマガジン社 下地孝雄)

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