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マガジン [ Magazine ]

AzureとRed Hatを組み合わせたサービスにビジネスチャンスが潜在

[2016.11.09]

日本マイクロソフト    レッドハット


Azure+Red Hatは広大なホワイトスペース
顧客の用途・目的に応じた選択肢が拡大した


Windowsという強大なプラットフォームでIT業界を長年にわたってけん引し続けてきたマイクロソフトは、ビジネスの主軸をクラウドに置いている。そのマイクロソフトがWindows以外のプラットフォームを提供するレッドハットと戦略的にビジネスで提携した。これまでは「Windows対Linux」の構図で関係性が捉えられてきたが、クラウド時代となった今は「Azure+Red Hat」なのだという。その意味とこれからの展開を両社のキーマンに語っていただいた。

 


マイクロソフトとOSSは協力関係
Azureの3分の1をLinuxが占めている


クラウドの世界ではWindowsやLinuxの壁はない。あらゆるソフトウェアやデバイスがつながり、利用できる。こうしたクラウドの世界でマイクロソフトはどのような戦略でAzureのビジネスを成長させるのだろうか。


日本マイクロソフトでOSS(オープンソースソフトウェア)ビジネスを先導する新井真一郎氏は「クラウドを事業の中核としている現在、マイクロソフトワールドにこだわっているわけにはいきません。クラウドはオープンな世界ですから、できるだけたくさんの選択肢をお客様に提供することが当社の役割です」と説明する。


Azureにおける選択肢として以前よりエンドユーザーからRed Hatへの対応要望が多かったという。マイクロソフトとLinux、AzureとLinuxという組み合わせは、ITビジネスに携わる多くの人にとって意外に映ることだろう。しかし、実はこの組み合わせはすでに定番化しているのだ。


新井氏は「マイクロソフトは2,000以上のOSSコミュニティに参加しており、以前からOSSと協力関係にあります。またAzure上で稼働している仮想マシンの3分の1がLinuxであり、新たにデプロイされる仮想マシンの50%がLinuxです。国内でもAzureのLinux比率は3分の1を占めています」と説明する。

RHEL on Azure は、時間単位で仮想マシンとRHEL を利用できる。RHELのサポートはAzureサポートから提供される。Red Hat Cloud Access(BYOS:Bring Your OwnSubscription)は、Azure から仮想マシンが提供される。RHEL は、 必要な本数をレッドハットから毎年購入する必要がある。

Azureでなければならない要件を満たす
商機が潜在する広大なホワイトスペース


Azure上でRed Hatが利用できるようになったことで、今後どのような商機が期待できるのだろうか。これまでWindowsやAzureを利用していなかったRed Hatユーザーの選択肢にAzureが加わり、Azureの利用者数が拡大することが挙げられる。つまりマイクロソフトは純増でAzureビジネスの拡大が期待できるということになる。


ではレッドハットにとってはどうだろう。レッドハットの佐藤郁朗氏は「オンプレミスでRed Hatを使っているお客様の課題である利用開始までのスピード、拡張性などの物理的な制約、運用・管理の負担、そしてコストをAzureが解決することでお客様を増やせると期待しています」と語る。


さらに新井氏は「クラウドにはAzure以外の選択肢もあります。しかしAzureでなければならないお客さんがたくさんいらっしゃいます。例えばデータセンターが海外にあるサービスに不安を感じたり、日本の法規に準拠していなかったりするなどが挙げられます。こうしたお客様に対してAzureは国内の東日本と西日本の2拠点でデータセンターを設置・運用しており国内の法規にも準拠しているなどの強みがあります。これは国内のメガクラウドでAzureだけです。またAzureにはRed Hatを分単位の従量課金で使える利点もあります」とアピールする。


佐藤氏は「AzureとRed Hatを組み合わせたサービスは、これまでにはない全く新しいビジネスで広大なホワイトスペースです。大きなビジネスチャンスが潜在しています」と強調する。

「老朽化したシステムの更新に困っている中小企業が全国にたくさんある。低コストで高度なシステムが実現できるAzureとRed Hatを提案して欲しい。」

 

レッドハット
パートナー・アライアンス営業統括本部
ソリューション・パートナー営業本部
クラウド・パートナー営業部
シニアパートナーアカウントマネージャー
佐藤郁朗 氏

 

 

「国内2拠点分散や国内法規準拠などAzureだけの利点をアピールしてRed Hatを必要とするお客様にセットで提案して欲しい。」

 

日本マイクロソフト
マーケティング&オペレーションズ
クラウド&エンタープライズビジネス本部
OSS戦略担当部長
新井真一郎 氏

技術支援や販売支援を強化して
地方や中小企業の需要を狙う


Linuxにおいても選択肢がたくさんある。その中でRed Hatは「Linuxの数あるディストリビューションの中でもサポートが圧倒的に充実しています。日本ではサポートが充実していないとお客様に使っていただけません。さらにマイクロソフトとレッドハットが共同で問い合わせ対応する体制も整えました」と新井氏は説明する。


シアトルのマイクロソフト本社敷地内の拠点に、マイクロソフトとレッドハットのエンジニアが常駐してユーザーやパートナーからの問い合わせに一次対応するサービスを提供している。


この問い合わせ窓口で得た技術情報は共同利用するデータベースに登録され、ナレッジを共有することで問題解決をスピーディに実行する仕組みも運用している。


技術支援にも力を入れている。マイクロソフトは提案の方法や技術に関する相談窓口「Azureメンタープログラム」を、マイクロソフトパートナーネットワーク(MPN)に加入していない販売店にもダイワボウ情報システム(DIS)を通じて限定先着順で提供する。


また、DISが販売店向けに提供するライセンス契約管理システム「iKAZUCHI(雷)」を利用すれば、Azureの契約や登録内容の変更などの管理が簡単に行える。iKAZUCHI(雷)ではAzureの提供のみに対応するが、AzureでRHEL(Red Hat Enterprise Linux)の利用ができるようになったため、販売店はAzureとRHELのセット提案がしやすくなる。


佐藤氏は「老朽化したシステムのメンテナンスコストに困っている中小企業が全国にたくさんいます。こうした企業に最新技術を低コストでサービス利用できるクラウドとRed Hatを提案し、ブランド力の高いマイクロソフトのAzureをアピールすれば新たなビジネスを獲得できるでしょう」と意気込みを語る。


そして新井氏は「全国に拠点を持つDIS様なら手薄になりがちな地方や中小企業にもくまなく提案でき、新しいニーズやお客様も掘り起こせると期待しています」と展望を語った。

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