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マガジン [ Magazine ]

人事関連の悩みもAIが聞いてくれる?

[2016.11.15]

人事全般×AI

 

 

志望動機の文章もAIが分析


三菱総合研究所が提供するサービスでは、志望動機などの文章情報もAIが分析する。文章を判断するAI辞書を用意していて、文章から応募者の熱意や論理力、人物像などを企業の評価軸に照らして判定できる。これはAIの意味解釈の能力を用いている。


従来まで採用担当者が確認していた大量の文章情報を人工知能が読んで判断してくれるため、採用担当者の負担を大幅に軽減できるのだ。読み落としや読み飛ばしなどもなくなり、判定の迅速化にも貢献する。「言葉の距離をはかる技術を利用して言葉の意味解釈を行い、企業が重視する内容に即した文章になっているかどうかを判定します」と三菱総合研究所 先進データ経営事業本部 主任研究員の山野高将氏は解説する。

「エントリーシートなどのデータから採用基準を満たしているかどうかAIが判定します」

 

(左)三菱総合研究所 先進データ経営事業本部 伊藤友博 氏
(中央)同ICTイノベーション事業本部 吉川桃世 氏
(右)同 先進データ経営事業本部 山野高将 氏

三菱総合研究所が目指すのは、企業、従業員、応募者それぞれがメリットを感じられるサービスだ。今後は、企業の競争力の向上に欠かせない配属のミスマッチの是正やキャリアプランの最適化なども実現させていくという。そのためにはデータの蓄積が必要だが、それを可能にするプラットフォームの提供にも注力するという。

自然言語の質問を理解して回答


自然言語処理と機械学習を使用して、大量の非構造化データから洞察を明らかにするテクノロジープラットフォーム Watsonを有する日本アイ・ビー・エムもまた、HRテックソリューションとして「Kenexa」というサービスを提供している。同社 ソーシャル事業部 インダストリー営業部 IBM Kenexa Japan 課長の民岡 良氏は「人事領域のトレンドとして『暗黙知』の『形式知』化や、グローバル、ダイバーシティ環境下における本質的な『個別人事』(オーダーメイド人事)が求められています」と解説する。続けて、「人事部はイノベーションの中心であるべきですが、現在はコストセンターのようになっています。テクノロジーの活用で本来の働きを取り戻すべきです」と指摘する。

「Watsonのコグニティブ技術を活用しています」

 

日本アイ・ビー・エム ソーシャル事業部
インダストリー営業部
IBM Kenexa Japan 課長
民岡 良 氏

日本アイ・ビー・エムが提供するKenexaは、コグニティブHRを実現すると民岡氏は話す。コグニティブとは「学習」「仮説」「検証」の繰り返しで適正なアドバイスを可能にする行動のこと。Kenexaは、Watsonとの組み合わせによってコグニティブHRを実現しており、採用、配置・異動、育成・活用、評価、処遇、人材保持、企業風土醸成までの一連の業務をサポートする。


特長はWatsonを活用した人事データ分析ツール「Talent Insights」の搭載が挙げられる。利用者による自然言語での質問を理解して、対象データを分析して仮説を生成し、根拠に基づいた回答を提示する。表計算ソフトで表せるような定型的な構造化データを分析して自動的に可視化。「対話的なやりとりを通じて人事データにおける関連性の高い事実を明らかにし、より適切な意思決定に貢献します」(民岡氏)


実際には、利用者が知りたい内容について自らの言葉で質問するか用意された質問リストを選択する。分析対象のデータをアップロードすれば、Talent Insightsがデータの関係を自動認識して探索候補を提示。一覧の中から知りたい情報を選ぶだけで多様な分析結果がグラフ化されて表示される。

(上)Talent Insights の自然言語による分析&対話画面。
(下)サーベイ結果に基づいた必要なアクションプランを確認できる。

パルスサーベイを組織活性化に役立てる


Kenexaは、組織におけるエンゲージメントレベルの継続的な測定を実現する「パルスサーベイ」も可能だ。民岡氏は、「従業員の満足度調査の回数は年に一度が多いですが、実はそれでは足りません。継続的に従業員の声を聞いて分析し、業績向上につなげていく必要があります」とパルスサーベイの必要性を語る。Kenexaではパルスサーベイを実施できる「Employee Voice」が利用可能だ。企業が設計・運用できるサーベイツールだ。従業員はモバイルなどさまざまなツールで回答でき、管理者もその結果やレポーティング画面をいつでも確認できる。


Watsonが提供するコグニティブ分析を利用すれば、サーベイの結果から地域や職種ごとに傾向を分析してグラフィカルに表現できる。例えば、地域や部問、職種ごとのスコアの差異を確認したりして、それぞれの従業員の声を即座に把握できる。また、コメントの内容から感情(ポジティブ、ネガティブ、ニュートラル)のトーンを読み取って解釈するコメント分析機能も利用可能だ。サーベイの結果に基づいて必要なアクションプランも確認できる。


 「HRテック市場では、『従業員と応募者の体験の向上』『コンシューマライゼーション・ゲーミフィケーション』『最適なアクションの提案』などが最近のキーワードになっていますが、Kenexaはそれらのキーワードに対応した機能を提供できます」と民岡氏はアピールする。

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