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すでにグローバルスタンダード。人材採用のトレンドはWeb面接に

[2016.11.13]

採用×クラウド、AI

 

 

Webでいつでもどこでも面接


面接時の非効率性を払拭するソリューションとして提供されているのは、Web面接プラットフォーム「HireVue」だ。人材の採用や昇格・選抜時には面接を伴うことが多いが、その面接には日程調整の手間や、工数、交通費・宿泊費の負担に加えて、選考結果のばらつきといった問題が生じるケースも少なくない。面接の実施回数や関わる人員の数に応じて、そうした非効率性による負担は増していく。これらの課題を解決するのがHireVueである。


HireVueは、PCやスマートフォンを利用して面接を行えるようにするクラウドサービスだ。面接の仕方は録画とライブの二通りが用意されている。録画の場合は、企業側があらかじめ作成した面接内容の録画データを応募者がPCやスマートフォンで見ながら面接を受けるイメージだ。面接の質問はテキスト、動画、静止画像を組み合わせて作成できる。応募者は質問に対してテキストと録画で回答可能だ。録画での回答の場合は、PCやスマートフォンに搭載されているWebカメラとマイクを活用して回答している様子を自撮りする。自撮りは撮り直しもできる。


国内でHireVueの販売を担うタレンタ SVP,CFO,Chief Consultantの中村 究氏は、「応募者がいつでもどこでも面接を受けることができ、面接官はいつでもどこでも面接の内容の評価が可能になります。面接内容はデータとして残るため、選考内容に疑問が生じた場合はいつでも録画を見直せます」とその特長を説明する。

「HireVueはリアルに近い面接をオンラインで実現しています」

 

タレンタ SVP,CFO,Chief Consultant
中村 究 氏

ライブの場合は、リアルタイムでオンライン面接が可能になる。応募者と面接官がそれぞれ別の場所からログインしてPC画面を通じて面接するイメージだ。面接官は3名まで参加でき、面接官同士だけでチャットも可能。応募者の印象などを面接しながら話し合える。「録画もライブも、応募者、面接官の移動や時間調整の手間を省けるため、負担を大幅に軽減できます。特に録画の場合は応募者自身の都合に合わせられるので、面接日程の調整に手間取って採用の機会を逃してしまうことも避けられます」(中村氏)


HireVueには技術系の候補者のプログラミング能力をテストできるプログラミングテスト機能も用意されている。難易度別に160問以上のプログラミング問題が用意されていて、それを応募者に解かせることが可能だ。解答内容は自動判定され、作成されたプログラムの実効速度やリソース利用度なども加味して成績を判定する。プログラムのコピペチェックも可能だ。「エンジニアの実力の把握が手軽にできるため、システム系の企業から好評の機能です」(中村氏)

 


候補者を約1万5,000の属性値で分析


HireVueで記録された面接内容はその後の採用活動にも生かせる。「面接の合格者、不合格者、それぞれの共通項の抽出によってエビデンスを導けます。そのエビデンスデータを利用すれば、面接官による選考結果のばらつきを是正できるようになるでしょう。応募者は公正で公平な面接を受けられることになります」(中村氏)


また、今のところ英語版だけの提供にはなるが、AIを用いた予測分析機能も用意されている。これは面接の録画データに基づいて企業風土に適合する可能性の高い候補者を予測してランキング表示する機能だ。候補者の分析には約1万5,000の属性値が活用される。利用される属性は、「言語属性(言葉の選び方、語彙の豊富さ、表現能力)」「非言語属性(エンゲージメント、モチベーション、悩みの表情、パーソナリティスタイルなど)」「評価属性(過去の類似候補者の採否結果、入社後の成績、人事評価結果、業務達成度)」となる。


こうした機能を提供するHireVueは、すでに世界では面接のスタンダードになりつつあり、IBMやアップルといった著名企業600社ですでに導入されている。国内ではASBeeやNUSTEPなどの靴販売店を運営するジーフットや、美容業を営むミュゼプラチナムが利用を開始している。国内企業の導入もこれから飛躍的に伸びそうだ。

HireVueを使ったWeb面接のイメージ。録画タイプでは、応募側(左)は録画された質問内容に対する回答内容を自撮りして送信する。面接官側(右)は、応募者の回答をスマートフォンなどでいつでも確認、評価できる。

データコンサルのノウハウを生かす


官公庁や大手企業に対して、さまざまなデータ活用の提案、コンサルティングを行ってきた三菱総合研究所もまた、従来の知見を生かしたHRテックサービスの提供を開始している。同社がHR関連で注目したのは人事の採用に関わる顕在化した課題だ。これまでに言及してきたとおり、会社が求める人材を採用する難しさや、採用業務の煩雑さ、採用基準のばらつきといった課題が存在する。そうした課題をデータ活用によって解決するのが、三菱総合研究所のサービスである。


実際にはどのようなサービスなのか。三菱総合研究所 先進データ経営事業本部 副本部長 主席研究員の伊藤友博氏は、「エントリーシートなどのデータから、その応募者が採用基準に合致しているかどうかを判定するサービスです。採用作業の負担軽減やスピードアップを実現します」と説明する。


まずは、企業が保有する従来の人事関連データから、採用の判定基準を作成する。そして、その判定基準に基づいて、応募者のさまざまな属性データをAIが分析して、選考の優先度として5段階で評価する。AIは、企業ごとの採用方針の「学習」、複数データの組み合わせから導く「意味解釈」、学習し続けることによって精度を高める「反復学習」などを行う。


三菱総合研究所 ICTイノベーション事業本部 マーケティングイノベーショングループ 研究員の吉川桃世氏は、「AIによって応募者の人物像や個性、能力が数値やグラフで可視化されるため、面接に進ませる一定の基準を設けたり、採用計画に偏りがないかを確認したりできます」と話す。採用過程における判断が明確になり、従来以上に納得感を得られるようになるのだ。

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