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市場調査・分析・予測 [ Market research ]

中小企業向けCisco Startが好調/新たに文教市場セレクションを用意

昨年9月に提供が開始されたシスコシステムズの中小企業向けネットワーク製品ブランド「Cisco Start」が好調だ。SOHOルーター市場でのシェアは拡大し、販売パートナーの数も劇的に伸びている。提供から1年が経過した9月28日の記者説明会では、ラインアップのさらなる拡充と業種別ソリューションの展開が発表された。

[2016.10.11]

販売パートナー数が29倍に

 

従業員数100名以下の中小企業をメインターゲットにしたシスコシステムズの「Cisco Start」は、ルーター、スイッチ、ワイヤレス、セキュリティ製品、クラウドサービスで構成されている。「シンプル」「スマート」「セキュア」をテーマに、IT管理者が不在の中小企業でも手軽に管理できる機能や、アプリケーションの可視化、プログラミング機能による自動化、セキュリティ機能などによって運用の負荷を軽減しつつ、手頃な価格を実現させた。シスコシステムズは、ネットワークにおける均一な環境の提供で、中小企業が抱えている課題を解決しようとしている。


提供から1年が経過した9月28日の記者説明会で、シスコシステムズ 専務執行役員 パートナー事業統括の高橋慎介氏はその好調さをアピールした。IDC Japanの調査によると、SOHOルーター市場で同社のシェアが9%から16%に拡大したというのだ(2014年第3四半期~2015年第2四半期と2015年第3四半期~2016年第2四半期の比較)。Cisco Startの中核となるCisco 841MJが、「価格性能比の高さを武器に売上増加を牽引し、さらに同ルーターの導入を機にイーサネットスイッチや無線LANの導入につながるケースが増えている」とIDC Japanは分析している。


また、高橋氏はCisco Startの販売パートナーの拡大にも言及した。発表当時の販売パートナー数は60、それが2016年3月には935に、さらに現在は1,757社にまで広がっている。販売パートナーは首都圏だけでなく全都道府県を網羅。「販売パートナーの飛躍的な増加が、Cisco Startの好調さを物語っています」(高橋氏)

Catalystシリーズを4万円台から提供

 

今回の説明会では日本市場に向けた三つの新たな戦略が発表された。一つは、新製品の追加だ。同社の中核製品でもあるCisco Catalystシリーズの新製品「Cisco Catalyst 2960Lシリーズ」(8、16、24、48ポート)が新たに加わった。Catalyst 2960Lシリーズは国内の中小企業のユーザーニーズに応えるかたちで開発されている。例えば日本語GUIが利用できるため、設定の手間が軽減できる。本体は奥行きが30cm以下のコンパクサイズ。8、16ポート製品にはオプションでマグネットの取り付けも可能だ。「デスクサイドにマグネットで設置できるため、スペースに余裕のないオフィス環境でも快適に利用できます。販売パートナーからの要望が多かったオプションです」と高橋氏は説明する。Catalyst 2960LシリーズにはUSBポートも実装されていて、USBメモリーを利用した初期設定も可能だ。Catalystシリーズの新製品であるCatalyst 2960Lシリーズは、4万円台から提供される(市場想定価格)。


二つ目の戦略はエントリーモデルの拡充だ。無線LAN製品「Cisco Wireless Access Point(WAP)シリーズ」と、スイッチ製品「SGシリーズ」が追加された。WAPシリーズは簡単導入・低価格を謳うモデルで、日本語GUIによるセットアップやネットワーク設定が可能。「スモールビジネスサポートセンター」による設定や操作のサポートも受けられる。また、無線LANコントローラー不要で複数台のアクセスポイントを管理できるクラスタリング技術を搭載している。最新の設定情報をネットワーク内のアクセスポイントに同期させたり、フェールオーバーを実現する。上位モデルはIEEE 802.11ac Wave1にも対応。一方のSGシリーズは簡単導入と低価格が特長のマネージドスイッチだ。こちらも日本語GUIによる管理や、スモールビジネスサポートセンターのサポートが受けられる。USBポートも実装している。


Cisco Startのエントリーモデル製品向けの設定・管理ソフト「Cisco FindIT」も提供する。オンプレミス型のネットワークマネージメントソフトで、社内ネットワークの情報を自動で収集してネットワークトポロジーを生成できる。ネットワーク内に設置された機器の状態や保守が切れそうな機器の確認なども行える。来年初め頃に日本語化される予定だ。

業種別ソリューションの用意でパートナーを支援

 

販売パートナーが提案しやすいように、業種別に最適な製品をピックアップした「業種別ソリューション」の提供も開始する。第1弾は「文教セレクション」だ。2020年に向けて教育の情報化が進められているが、小・中・高校の無線LAN普及率は3割に満たない(総務省)。技術的課題としてシスコシステムズは「品質」「運用性」「セキュリティ」の3点を指摘する。そこで同社は、実績のある製品群から文教市場に最適な製品として、無線LANアクセスポイント「Aeronet 1800/2800シリーズ」、スイッチ Catalyst 2960Lシリーズ、統合型ルーター「Cisco 4331」などを選定した。これらの製品を活用することで、「1台のアクセスポイントにおける40台以上のタブレットの同時接続」「電波干渉の自動軽減によるストレスのない無線LAN環境」「ビデオ授業の円滑な実現」「最大25台のアクセスポイントの集中管理」「高度なセキュリティの実現」が可能になる。高橋氏は、「アクティブラーニングに必要な環境を実現できます」とアピールする。


文教セレクションの提供に際してシスコシステムズでは、販売パートナー向けのサポート窓口などを設置する「販売パートナー支援体制」、トレーニングプログラムなどを用意する「プロモーションプログラム」、認知度の向上や需要創出を図る「マーケティングプログラム」の用意で、販売パートナーに対する包括的なサポート体制を展開する。また、文教セレクション以外では、第2弾として製造業セレクション、第3弾として小売業セレクションの提供も予定している。

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