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レノボとシスコシステムズのハイパーコンバージド戦略とは?

[2016.10.02]

レノボ


独自のラインアップに強み


ハイパーコンバージドインフラ市場に対して、「VMwareが爆発的に普及した前夜の雰囲気に似ている」と捉えているのがレノボ・ジャパン データセンターグループ事業本部 副事業本部長の橘 一徳氏だ。従来の3層構成の仮想化基盤の課題を一気に解決する製品として同社が提供するのは、ニュータニックスのソフトを搭載したハイパーコンバージドインフラ「Lenovo Converged HX Series」。今年の1月から提供を開始した。


現在発売されているラインアップは四つ(9月15日時点)。2Uに2.5型ドライブ(HDDまたはSSD)×24台でデータベースやI/O中心のワークロードに最適化された「HX7510」、高さ2Uに3.5型ドライブ(HDDまたはSSD)×8台で仮想化やビッグデータに最適化された「HX5510」、高さ1Uに2.5型ドライブ(HDDまたはSSD)×8台でVDIや中小規模ワークロードに最適化された「HX3310」、そして、1Uに2.5型ドライブ(HDD6台、SSD1台)で、ビジネスアプリケーションやVDIなどに最適化された中小企業向けの「HX2310」を揃えている。


HX2310は「Nutanix Xpress」という中小規模のユーザーを想定したライセンスが採用されている。想定されるユーザー層は従業員数500名以下、IT担当者数は1~5名、サーバー、ストレージ、仮想化などに関する予算が200~1,000万円の企業だ。「Nutanix Xpressは拡張性に制約があるため、拡張の予定はないが、迅速に設置・導入できてメンテナンスにも手間をかけたくないというユーザーにオススメのモデルです」とレノボ・ジャパン DCG製品統括本部 SDIソリューション推進本部の伊東大地氏は説明する。


すでに四つのシリーズを展開しているレノボだが、各シリーズにおいて、これからさらにラインアップを拡大させる予定だ。例えば、HX5000シリーズではストレージ拡張モデル、HX3000シリーズではVDIに特化したGPU搭載モデルやオールフラシュモデル、HX2000シリーズでは2U4ノードモデル、そしてリモートオフィスやブランチオフィス環境に最適化させたHX1000シリーズの提供も予定している。橘氏は「お客さまの多様なニーズに応えられる幅広いラインアップを揃えていきます」とアピールする。

 

 

 

ハードの安定性・信頼性が価値を高める


レノボのハイパーコンバージドインフラ製品はニュータニックスのソフトを搭載しているが、その価値をより高めるのが「ハードウェアの信頼性です」と橘氏は断言する。レノボが提供するHX シリーズはSystem xサーバーをベースにしており、CPUやメモリーなどの事前障害予知機能やLED/LCDによる情報表示機能を搭載している。そして、System xと同様、保守サービスはIBMが担当する。障害などが発生した場合はIBMが受け付けて問題を切り分けし、ハード面はIBMが、ソフト面はニュータニックスが対応する。「サーバーの販売や保守の実績を誇る当社だからこそ提供できるハードの安定性や信頼性がHXシリーズの特長です」(伊東氏)


HXシリーズのこれまでの導入例では、サーバー仮想化基盤の更新需要が多くなってきている。「ハイパーコンバージドインフラであるHXシリーズは、サーバーやストレージのボトルネックの問題や投資効率の低さといった既存の仮想化基盤のペインポイントを解決できるからです。まさに次世代の仮想化基盤と言えるでしょう」(橘氏)


パートナーからの評価も高く、HXシリーズをきっかけに新たなパートナーの開拓も実現できている。「HXシリーズを軸にしたシステム構築サービスや保守監視サービスなど、パートナーの方々のサービスを活用したエンドツーエンドのソリューション展開が始まっています。パートナーとの協業によるソリューション提供を広げていきたいですね」(伊東氏)

(右)レノボ・ジャパン データセンターグループ事業本部

副事業本部長 兼 DCG製品統括本部 統括本部長
橘 一徳 氏

 

(左)同 DCG製品統括本部 SDIソリューション推進本部

シニアソリューションアーキテクト
伊東大地 氏

シスコシステムズ


ネットワークまでの統合を実現


サーバーやネットワークを統合した「Cisco UCS(Unified Computing System)」を2009年からすでに提供してきたシスコシステムズは、そのテクノロジーをベースにしたハイパーコンバージドインフラ「Cisco HyperFlexシステム」をこの4月に発表した。ハイパーバイザーはVMware vSphereに対応している。
同システムのメリットとして、「スピード」「効率性」「将来性」の三つが掲げられている。ハードウェアとインフラソフトウェアの統合で物理ネットワークや仮想サーバーも含めて60分以内にすべて設定可能であり、最大80%のデータ容量の削減と40%のパフォーマンス向上を両立して30%のTCO削減を実現するとうたっている。将来のコンテナや次世代アプリケーションにも対応する予定だ。
このHyperFlexシステムの特長はネットワーク部分にある。同システムでは、「HyperFlex HX Data Platform」を活用したSDSと「Cisco Application Centric Infrastructure(Cisco ACI)」とスムーズに統合するCiscoユニファイドファブリックによるSDNが一つになっている。ネットワークを含めてコンバージドインフラ化されているのが特長だ。運用管理のポイントも一つにまとまっていて、仮想化ソフトからハードウェア、そしてネットワーク部分までシスコシステムズが一元的にサポートする。
シスコシステムズ プロダクトマネージメント プロダクトマネージャの中村 智氏は、その特長を次のように解説する。「HyperFlexシステムは、仮想化におけるネットワーク部分の課題を解決しています。ハイパーコンバージドインフラも冗長化が必要になりますが、ネットワークを含めた設定をどうするか、運用管理をどうするかという問題が発生します。実際、ネットワークの管理ポートやデータ通信ポートの設定などが必要になります。HyperFlexシステムでは、ネットワークもシステム化されていているので、例えば製品を追加する場合でもネットワークの設定が自動的に行われます。ハイパーコンバージドインフラの特長であるスケールアウトのメリットを手軽に享受できるのです」
SDSを実現する独自ソフトのHyperFlex HX Data Platformは、データの効率的な分散を自動で行える点が特長だという。データ圧縮や重複排除などの機能も備えている。

 

 

 

コスト削減とスピード感を求めるユーザーに


HyperFlexシステムは現在、リモートやローカル拠点向けの「HX220c M4 ノード」、ビジネスアプリやテスト開発環境向けの「HX240c M4 ノード」、高い処理性能が必要なアプリやVDIの集約に適した「HX240c M4 ノード+UCS B200 M4 ブレードシリーズ サーバの組み合わせ」の三つのラインアップを用意している。実際のアプリケーションの利用例としては次のようなケースが挙げられている。医療・福祉分野ではVDIやテスト・開発、小売分野ではVDI、リモートサービス、オンラインサービス・ソーシャルメディア分野ではインフラストラクチャー管理、コロケーション/リモートサービス、ビデオ監視、仮想マシンファーム、旅行/宿泊サービス分野ではVDI、ハイテク/製造分野ではVDI、仮想マシンファームだ。
 「HyperFlexシステムは、VDIやデータの格納用途などで高い効果を発揮するでしょう。病院では患者の膨大な画像データを格納する場所が必要になりますが、そうしたケースにおいて、シンプルに拡張できてIT管理者に高度なスキルを要求しないHyperFlexシステムが評価されています」と中村氏。続けて次のようにアピールする。「コンピューティングとネットワーキング、ストレージが統合されたHyperFlexシステムは、迅速な導入が可能であり、データセンターとリモートサイト内外の管理サイロを排除できてシンプルな運用を実現します。コスト削減とスピード感を求めるユーザーに大きな導入効果をもたらすでしょう。また、ネットワークまで含めて当社がサポートするため、販売パートナーの方々にとっては販売しやすい製品であると考えています」

シスコシステムズ プロダクトマネージメント
プロダクトマネージャ
中村 智 氏

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