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コンバージド、ハイパーコンバージドインフラの包括的なラインアップで勝負するデル

[2016.10.01]

デル


コンバージドからハイパーコンバージドまで


9月7日(米国時間)にEMCとの合併を完了させたデルは、コンバージドインフラ製品とハイパーコンバージドインフラ製品を合わせた幅広いコンバージドソリューションの提供を打ち出している。その根底にあるのは、既存ITから次世代ITへの転換の促進だ。特に運用コストの削減はIT基盤選択の大きなポイントになるとデルは考えている。そこでデルでは、デバイスの数や管理ツールの数を減らしたり簡単に増強できるIT基盤としてコンバージドインフラ、ハイパーコンバージドインフラを提案している。


デル エンタープライズソリューションズ統括本部 ソリューション&パートナーエンジニアリング本部長の馬場健太郎氏は「ITの使い方が変化しています。それに合わせてシステムも変化させなければなりません。その変化を実現させるために必要とされるコンバージド、ハイパーコンバージドインフラを幅広くお客さまに提供できるのがデルの強みです」と説明する。


ラインアップしているのは、ハードウェアレベルでのコンバージドを実現している「Dell PowerEdge VRTX」「Dell PowerEdge FX2」、構成の柔軟性が高い「Dell Virtual SAN Ready Nodes」、少人数の管理者でITを運用しているユーザーでも使いやすい「VCE VxRail Appliance」、ニュータニックスの採用で高度なSDS機能を利用できる「Dell XC Webスケールコンバージドアプライアンス」、統合管理ポータルに優れた「VCE VxRack」、Azureとのハイブリッド連携が可能な「Dell Hybrid Cloud System for Microsoft(DHCS)」だ。


ハイパーコンバージドインフラだけでも多様なニーズに応えられる。Virtual SAN Ready NodesとVxRail Applianceは、VMware ESXiに対応した製品だ。一方、XC Webスケールコンバージドアプライアンスは、ニュータニックスのソフトを搭載していて、マルチハイパーバイザー環境に対応している。例えば、Virtual SAN Ready Nodesは、VMwareが提供するストレージ仮想化ソフト「VMware Virtual SAN(VSAN)」に最適化されたハイパーコンバージドインフラで、SSDとHDDのハイブリッドモデル、オールフラッシュモデルを揃えている。ハードウェアとソフトウェアの保守窓口も一本化されている。

 

 

 

リファレンスアーキテクチャを用意


デルはハイパーコンバージドインフラの適用シーンとして「仮想デスクトップ」「仮想サーバー・プライベートクラウド」「ブランチオフィス・リモートオフィス」「エンタープライズアプリケーション」の四つを想定している。それぞれ、拡張性、管理効率などのハイパーコンバージドインフラの特長が生かされると考えている。「SDS型のハイパーコンバージドインフラはIOパフォーマンスが良くないのではという懸念がありますが、さまざまな検証結果ではパフォーマンスは非常に良好です。サーバー内蔵のストレージを利用するのでレイテンシーが小さいのですね。そのため、ミッションクリティカルなアプリケーションの基盤として利用されるケースも増えてきています」(馬場氏)


デルはサーバー、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェアをワークロードや規模に応じて組み合わせたソリューションモデル「Dell Blueprint」を用意して、システムの導入・提案をサポートしているが、コンバージドインフラ、ハイパーコンバージドインフラでもそれらが利用できる。例えば、通常、仮想デスクトップの導入時にはTCOの算出やサイジングなどが難しい。そこでデルは、VMware Horizonを活用したリファレンスアーキテクチャ「VDI Blueprint Horizon with VSAN」を用意している。これはハイパーコンバージドハードウェア、ソフトウェア、基本導入作業が含まれたオールインワンパッケージで、検証済みのソリューションをシステム工数をかけずに導入可能にする。「エンドユーザーの用途や規模に応じた課題をBlueprintとコンバージドインフラ、ハイパーコンバージドインフラで解決します」と馬場氏は意欲を見せる。

デル エンタープライズソリューションズ統括本部
ソリューション&パートナーエンジニアリング本部長
馬場健太郎 氏

EMC


VMware専用のハイパーコンバージド製品


デルと合併したEMCは、VMwareとシスコシステムズとの合弁で設立し、すでに傘下に入っているVCEからVMwareに最適化されたコンバージドインフラ「Vblock System」やハイパーコンバージドインフラ「VxRack System」などを提供してきた。そのEMC、VCEが今年の3月からハイパーコンバージドインフラの「VCE VxRail Appliance」の提供を開始している。特長を一言で表せばVMware専用であること。それが「他社製品との大きな違いです」とEMCジャパン コンバージド プラットフォーム ディビジョンの小川高寛氏は断言する。


VxRail Applianceは、EMCのシステムと、VMwareのハイパーコンバージドソフトウェアを組み合わせた製品だ。VMware vSphere、VMware vCenter Serverに加えて、vSphereとネイティブ統合が可能なVMware VSANが含まれている。VxRail ApplianceはvSphereエコシステムとシームレスに統合されていて、既存の管理、自動化、監視の方法、VMwareの利用ツールに完全対応している。また、運用管理ソフトの「VMware vRealize Operations」や仮想デスクトップサービス「VMware Horizon Air」などとも統合させられる。「既存のEMCインフラ、VMwareインフラの中で統一環境を構築できます」と小川氏は説明する。


EMCのレプリケーションソフト「RecoverPoint for Virtual Machines」やバックアップソフト「vSphere Data Protection」、クラウド拡張ソフト「CloudArray」なども実装されている。例えば、RecoverPoint for Virtual Machinesは、VMごとのレプリケーションやDRの自動化を実現する。CloudArrayを利用すれば、VMware vCloud AirやAmazon Web Services、Microsoft Azureなどのクラウドサービスを活用したデータの階層化が可能になる。


また、VxRailにはハードウェア環境を簡単に管理できる「VxRail Manager」が搭載されており、ステータス状況などを一括して確認できる。「最初の画面で各パラメーターを入力すれば、15~20分程度で自動的にセットアップが終了します。実際に200以上のプロセスが自動化されています。管理もダッシュボードで一元的に行えます。ハードウェアとVMやリソースの管理は、VxRail ManagerとvCenter Serverの二つで可能なのです」と小川氏は太鼓判を押す。


VxRailの運用や保守は、EMCジャパンが一元的にサポートする。オンラインサポートツールの24時間365日の提供から、パーツ取り付けのオンサイト対応、24時間365日体制のリモートによる監視と修復などを用意している。サービスのリクエストなどはVxRail Manager上から行える。

 

 

 

サーバーの仮想化集約用途で活用


小川氏は、「ハイパーコンバージドインフラは、データセンターにおけるシステム構築とクラウドサービス活用の中間の選択肢として存在します」と指摘する。実際、EMCジャパンの調査によると、ITプラットフォームの課題としてエンドユーザーは、「構築に時間とコストがかかる」「サーバー、ストレージの個別管理」「拡張・増設が複雑で時間がかかる」「障害切り分け」といったポイントを多く挙げている。そうした中で、導入が容易でビジネスの初動を迅速化できるハイパーコンバージドインフラ製品としてEMCはVxRail Applianceを提供しているが、3月の提供開始以来、かなり好評だという。


VxRail Applianceのターゲットユーザーは中堅・中小企業で、サーバーの仮想化集約用途での活用が中心だ。「運用管理に人手を割けない企業に対してスイートスポットの製品になります。実際に中堅・中小企業からの引き合いが多いですね」と小川氏は話す。メディア関連の企業がVxRail Applianceを利用してIT基盤を刷新・統一し、全体のコスト削減を実現した例もある。インターネット分離用途で官公庁が導入するケースも多いという。

EMCジャパン コンバージド プラットフォーム
ディビジョン ハイパーコンババージド
アプライアンス リード
小川高寛 氏

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