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市場調査・分析・予測 [ Market research ]

大手製造業を中心にIoT利用率が向上/提案の窓口はIT部門ではなく事業部門

2016年の企業のIoT利用率(2015年との比較)

[2016.10.04]

出所:IDC Japan

【図の解説】
・左が今回の調査結果(n=4,517)。右が2015年8月に発表した調査結果(n=6,906)。
・調査対象は国内従業員100名以上の企業。
・Webアンケートにて「IoTを利用している」と回答した企業のうちWebアンケートの自由記述欄に記載されたIoTの具体的な利用内容がIDCの定義するIoTと合致している企業を「IoT利用企業」と定義している。
・ビルの空調管理やテレマティクスなど、全ての産業分野に共通して使われる単純用途は除外している。

国内企業のIoT利用率は5.4%

IoTという言葉が広く知られるようになって久しいが、実際の導入について普及している実感はあまりない。そこで2016年9月13日にIT専門調査会社のIDC Japanが発表した「国内IoT市場の企業ユーザー動向調査」の結果に注目してみた。
同社は2016年5月~7月に全国の従業員100名以上の企業を対象にIoTの利用動向に関する定量調査(Webアンケート)および定性調査(個別の対面インタビュー)を実施した。まさに今、企業はIoTを導入しているのか、しようとしているのかがわかる貴重なデータである。
Webアンケートに対して回答があった4,517社の内、同社が定義するIoTの利用企業は245社で利用率は5.4%と前年の調査から0.5ポイント増えた。大手の製造業が中心となりIoTの利用率は着実に向上しており、いずれの産業分野でもIoTに対する認知度は高まってきている。
なおこの調査では厳格なフィルタリングを実施しているため、企業の実際のIoT利用率よりは少ない数字が算出されているようだ。

M2Mの名残りの社内用途が8割以上を占める

同社はIoT利用企業の産業分野を「製造/資源」「流通/サービス」「公共/インフラ」「金融」の4つに分類している。この中でIoTの利用率が最も高いのは製造/資源で利用率は8.5%だった。
これは組立製造/プロセス製造分野を中心に、さまざまな組み込み機器が古くからIoTとして活用されてきたことが関係している。そのほかの分野では流通/サービスセクターが3.2%、公共/インフラセクターが4.0%、金融セクターが3.5%だったという。
用途別に見るとM2Mの名残りとして自社内の業務効率化/コスト削減を目的とした「社内用途」のIoTが全体の8割以上を占めるという。一方で社外顧客へのサービス付加価値向上/新ビジネス創出を目的とする「社外用途」も徐々に広がりつつあると分析する。

事業部門が主体にIoTビジネスを推進

IoTの導入/運用窓口は事業部門の割合が約46%で、約32%のIT部門を上回っている。IoTビジネスは事業部門が主体となって推進しており、今後は企業の事業部門と各産業分野に強みを持つ非IT事業者が連携してIoTの事例を創出するケースが増えると同社は予測している。
IDC Japanのコミュニケーションズ マーケットアナリスト 鳥巣悠太氏は「社内用途でIoTを利用する企業では、費用対効果の明確化の難しさ、セキュリティ懸念、技術力不足、人材育成の遅れなどが課題となっている。社外用途で利用する企業ではIoTによる事業競争力のさらなる強化や、新規顧客開拓に向けて試行錯誤する取り組みが見られる」と述べている。(レビューマガジン社 下地孝雄)

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