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ネタと話題 [ Story and Topics ]

セミナー美味しいとこ取り♪ 『NEC iEXPO KANSAI 2016』注目セミナーレポート①

安全・安心・効率・公平な社会を実現するための先進テクノロジーとソリューションを出展

NECが注力しているビジネス領域と、その商材となるソリューションを紹介する総合イベント「NEC iEXPO」の西日本版となる『NEC iEXPO KANSAI 2016』が、7月21日と22日の2日間にわたりグランフロント大阪で開催された。展示会場ではNECが推進している社会ソリューション事業を支える同社の最新技術と先進ソリューションが実演を交えて紹介された。さらに併催されたセミナーでこれらの技術やソリューションが詳しく解説され、来場者は近未来の社会を体験しながらビジネスチャンスを探っていた。

[2016.09.07]

NEC ビッグデータ戦略本部 エキスパート 山本康高氏

データ量の増大によりAI技術の実現が加速

 

ビッグデータを取り巻く環境には、二つの大きな潮流がある。一つ目はIoTによる爆発的データ増加だ。1年間で生成されるデジタルデータ量は、203年の4兆4GBから毎年約40%ずつ増加していき、2020年には44兆GBという膨大なデータ量になる見込みだ。二つ目はAI技術の進化だ。AIとは人間の知的活動をコンピューター化した技術のことをさす。


AIは1950年代の第一次ブーム、1980年代の第二次ブームを経て、2010年代の現在の第三次ブームが起こっている。第二次ブームではエキスパートシステムと呼ばれる、すべてルール化して機械にそれを模倣させることで知能をもたせることを目標に取り組んでいたが、エキスパートシステムの手法はすべてをルール化することが難しい点や、ルール化したシステムをメンテナンスすることにも手間がかかったため、実用には至らなかった。


しかし昨今、IoTの活用が急増したことでデータが増大している。それらのデータを活用することで、ルールを作成し「複雑な社会課題の解決」「ビジネス革新」が実現できるAI技術の実現が加速しているのだ。

半世紀にわたり開発を続けてきたAI群

 

NECでは、このようなAIの研究開発に、半世紀にわたって取り組んできた。AIに必要とされる「認識・理解」においてはOCR、指紋認証、顔認証、「分析」においてはディープラーニング、異種混合学習、「制御・誘導」においては自律適応制御、予測型意思決定最適化など、世界トップ性能を持つAI技術群を保有している。
それらのAI技術群の総称が「NEC the WISE」だ。The WISEとは「賢者たち」を意味する。


それでは、具体的にNECのAI技術はどのような用途で活用されているのだろうか。講演では「認識・理解」「分析」「制御・誘導」の三つの分野で事例が紹介された。

 

まず認識・理解の分野だ。ここで紹介されたのは「群衆行動解析技術」。群衆に関する三つの特徴「混雑度・密度」「移動方向・体向き」「定常性」を定量化し、通常時からのズレによって異常性を判定する。例えば、防犯カメラで捉えている場所の人物が、集団で逃げる行為をしたり、取り囲んだりした場合、その場所の中心にいる人物が危険物を持っていたり、その場に倒れていたりする可能性がある。通常とは異なる群衆の動作をもとに異常発生を認識して検知するのが、群集行動解析技術なのだ。この技術を応用すれば、スタジアムや駅、店舗内での防犯や混雑防止に役立てられる。

小売店の利益を最大化する価格決定をAIで実現

 

次に分析の分野だ。通常テキストの分析をコンピューターが行うことは難しいが、NECのAIであればそれが可能だ。「テキスト含意認識技術」を活用すれば、テキスト内に同じ意味を含んでいることなどを解析する。二つの分の意味包含関係を高速に高精度に認識するため、小売店や車販売店などの「お客さまの声」アンケート調査の分析に役立てられる。解析によって改善施策のPDCAサイクルの高速化や、音声認識と組み合わせてアフターコールワークの時間削減など、業務効率向上に役立てられる。
また、分析の分野ではRAPID機械学習(ディープラーニング)や、異種混合学習技術なども紹介された。


制御・誘導の分野では「予測型意思決定最適化技術」が紹介された。予測型意思決定最適化技術とは、予測結果に対して、戦略や計画立案を機会で高度化・自動化する技術のことを指す。例えば小売店において、販売したい商品が売れなければ値下げなど価格の変更を行う。しかし商品の値付けというのは非常に複雑で、ただ売りたい商品の価格を下げただけでは、狙い通りに売れなかったり、他商品の売上に影響を及ぼしたりする。


そうした状況を解決するのが、予測型意思決定最適化技術だ。最適化を実行することで、総売上が最大になる各商品の価格を自動で決定してくれる。この技術と、異種混合学習を組み合わせることで、正確な需要予測と計画を最適化し、欠品や廃棄のない発注や、よりよい価格戦略を実現できるようになる。例えば消費期限が短い食品や、旅行・シーズン品などの商材を扱う流通・外食、サービス業において効果を発揮する技術なのだ。

AI活用を手助けするコンサルティングとプラットフォーム

 

それでは、上記のような技術を活用してビッグデータを活用する場合、どのようにすれば最適な価値を生み出すことができるだろうか。山中氏はビッグデータの検討プロセス「DIVA」を紹介した。DIVAとはData(データ)、Information(情報)、Value(価値)、Achievement(成果)の頭文字を取ったものだ。例えば、前述した商品の適正価格を決めるような場合、まず「発注量、発注時期、需要、在庫量」などのデータを分析して、「必要な在庫」などの情報を得る。それを元に制御・誘導技術によって「適正量の発注」を行うことで、「在庫の廃棄ロスの削減」といった成果を得られる。しかし、ビッグデータ活用を行う上では、「まず事業目的を考え、そこから解決したい課題を見つけ出す方がよいです」と山本氏。ビッグデータを抱えているユーザー企業は、データから何ができるか考えるケースが多いが、データはあくまで活用する対象であるため、企業内で抱えている課題を洗い出すことが必要になるのだ。


NECでは、企業のAI/ビッグデータ活用を支えるサービス・IT基盤として「AIディスカバリープログラム」と「NEC Analytics Program」を提供している。
AIディスカバリープログラムとは、NEC the WISEを適用してユーザー企業のAIを活用した業務革新・新事業創出の実現を支援するコンサルティングサービスだ。AI活用で目指す事業ビジョン・コンセプトの企画やAI活用シナリオの検討とアクションプランの策定などの、事前準備から検討会、報告までのフェーズを担う。


NEC Analytics Programではデータを一元管理し、部門を横断したアクセスが可能な環境を整えるプラットフォームだ。現状の企業では部門ごとに情報を分けて管理を行っている。しかし今後AIを活用する場合、データが分散しているよりも、一つの場所に膨大なデータがあった方が活用の可能性が高まる。NEC Analytics Programはこれまで部門間で隔てられていたデータを一元化し、データ連係やデータ処理、データ分析などを行うことで価値創造を行うのだ。

技術とノウハウを融合して新たな価値を生み出す指揮者

 

NECの社員が持つ名刺の裏には、「Orchestrating a brighter world」という企業ブランドメッセージとともに、指揮棒の軌跡をデザイン化した「Orchestrating Curve」が刻まれている。このOrchestrating Curveには、顧客やパートナー企業、社会の人々とNECグループが共創・協奏すること、それによって、しなやかで持続可能性の高い「a brighter world」を実現していくというNECグループの想いが込められていると同時に、様々な技術やノウハウを融合して新しい価値を生み出すというNECの企業姿勢を示している。本講演で紹介されたAIやビッグデータ技術もまさにこのOrchestrating Curveであり、AIとビッグデータの活用でともに価値創造を進めて行きたいと、山本氏は締めくくった。

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