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IoTのPOC(概念実証)にすぐに使える小型モジュールが活用されてるぞ

[2016.09.22]

Internet of Things

 


IoTをすぐに実践できるモジュール


スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からテレビやゲーム機、そして自動車までのさまざまな領域で活用される電子部品を開発・販売するアルプス電気も、IoTを実現するモジュール製品の提供を開始している。このモジュール製品は、組み込む形ではなく単体で使用可能だ。長らく電子部品を手がけてきた同社にとって、新たな試みでもある。製品の形態についてアルプス電気 営業本部 民生・新市場業務部1G 担当課長の稲垣一哉氏は、「組み込む形ではなくすぐに利用できる製品を開発したのは、そうした製品をターゲットユーザーが求めていたからです」と話す。


アルプス電気が提供しているのは、「センサネットワークモジュール 開発キット」と「環境センサモジュール 開発キット」だ。最初に提供を開始したのは環境センサモジュール 開発キット。これは、気圧、温湿度、照度、開閉の各センサーを搭載していて、920MHz帯を利用した通信でデータをやり取りできるモジュールだ。親機と子機に分かれていて、親機はPCにUSB接続する。子機はデータを計測したい場所に設置する。子機の各センサーで計測したデータが親機に送信され、親機を接続したPCでそのデータを確認できる。子機はソーラーパネル式と電池式から選択可能だ。親機、子機ともUSBメモリーを二回りほど大きくした形状だ。

IoT Smart Module センサネットワークモジュール 開発キット

幅27.2×奥行き43.9×高さ10.8mmという小型の本体の中に、6軸センサー、気圧センサー、温湿度センサー、UV/照度センサーなど多彩なセンサーを搭載していて、さまざまなデータを取得できる。

一方、センサネットワークモジュール 開発キットは、6軸(加速度+地磁気)、気圧、温湿度、UV/照度の各センサーを搭載していて、取得したデータはBluetoothでスマートフォンやタブレット端末などに送信する。本体サイズは幅27.2×奥行き43.9×高さ10.8mmと非常に小さく、コイン電池で稼働する。マイコンが搭載されていてきめ細かいセンサーの制御と低消費電力も実現。データを受信する端末に専用アプリをインストールしておくことで、測定データを表示できるようになる。アプリでは使用するセンサーや通信の設定も行える。


 「最初に提供を開始した環境センサモジュール 開発キットは、親機と子機ともに税別で2万円ほどしてやや高価でした。そこで次に提供を開始したセンサネットワークモジュール 開発キットは価格を税別で9,800円に抑えて導入しやすくしています」(稲垣氏)

センサネットワークモジュール 開発キットで得たデータは専用アプリで確認できる。

センサーや通信の設定もアプリで可能。

製造業での利用が多い


センサネットワークモジュール 開発キットや環境センサモジュール 開発キットを提供する際にアルプス電気が想定していた利用シーンは、農業や介護・見守り、フィットネス・ヘルスケアなどの領域だ。農業であれば、農地の状況、環境などを温湿度センサーなどでデータ収集して農作物の育成に生かせる。介護・見守りでは開閉センサーなどで扉の開け閉めデータを収集することで介護・見守り対象者の状況を把握できる。フィットネス・ヘルスケアでは6軸センサーの活用で運動状況の確認が可能だ。センサネットワークモジュール 開発キットや環境センサモジュール 開発キットは、このような状況の可視化とデータ活用を実現する。


 「センサネットワークモジュール 開発キットや環境センサモジュール 開発キットを導入すれば、環境と動きのデータを統合的に収集できます。センサーを多く積んでいるため、普段使用しないセンサーデータから何か別の視点が見えてくる可能性もあります」(稲垣氏)


すでに約200の企業・団体に600個以上の販売実績があるが、「予想外に多いのは製造業での利用です」と稲垣氏は実情を明かす。製造業では製造工程でのデジタル化によるデータ分析などによってコスト削減やマスカスタマイゼーションを実現するインダストリー4.0の試みが世界的に進められている。その影響から製造工程のデジタル化、つまりIoTを実現するために試験的にアルプス電気のセンサネットワークモジュール 開発キットなどを利用しているケースが多いというのだ。「センサネットワークモジュール 開発キットは小型・軽量でどこにでも貼付・設置できる点が評価されています。IoTのプルーフオブコンセプトに最適です」と稲垣氏はアピールする。


現在は大企業やSIerが購入するケースが多いというが、今後は中小企業への提案も進めていく。「まだまだ手探りの状態ですが、センサネットワークモジュール 開発キットや環境センサモジュール 開発キットでIoT市場の可能性や具体的な使い方を探っていき、利益の出るIoTを作り上げていきたいですね」(稲垣氏)

アルプス電気 営業本部 民生・新市場業務部 1G担当課長 稲垣一哉氏。

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