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中小企業やSOHOでも商談が進む弁当PCって何だ?

[2016.09.06]

モジュール式IT


部品(モジュール)の付け替えで機能を拡張できる製品が登場してきた。既存環境でIoTを手軽に実現するモジュール製品も投入され始めている。ユーザー自身によるカスタマイズを手軽に実現するモジュール式の製品は、その自由度の高さから新たな製品提案の土壌を広げそうだ。

 

 

Desktop PC

 


積み重ねて機能拡張できる“弁当PC”


脱着式のモジュールを積み重ねていくだけで簡単に機能アップが図れるデスクトップPCを日本エイサーが今年の2月に発売した。それが「Revo Build」だ。ベースモジュールとなる本体は幅、奥行きが約135mmで、高さは約56mm、容積が1Lというキューブ型の製品。用意された別売りのブロックを積み上げることで用途に応じた機能向上が実現する。


Revo Buildの開発経緯について日本エイサー プロダクトセールス&マーケティング本部 プロダクトマネジメント部 プロダクトマーケティング 副部長の武富 温氏は次のように説明する。「まずは現在のユーザーのPC設置環境を考えて、小型のデスクトップPCを開発しようと考えました。ただし単純に小型化しただけでは他社製品との差異化が果たせません。そこで、新しいアイデアを加味した製品を生み出そうとした結果生まれたのがRevo Buildです。そのアイデアとは、PCに詳しくなくても手軽にカスタマイズできる製品を実現させるというものでした」


エイサーのCEO ジェイソン・チェン氏が「弁当PC」と呼ぶRevo Buildは、先述したとおりキューブ型の製品で、用意された追加ブロックを本体の上に積み上げることで機能を拡張できる。「キューブ型の形状は、増設しやすく安定して設置できるように考慮した結果です。拡張ブロックはベースモジュールにマグネットで取り付けることができ、ホットスワップでそのまま機能拡張が行えるなど、だれでも手軽にカスタイマイズが可能です」(武富氏)

 


オーディオ、HDD、無線充電ブロックを用意


6月に発表された最新版の「Revo Build M1601-N12N」のベースモジュールは、CPUがIntel Celeron J3060プロセッサー デュアルコア1.60 GHzでメモリーは標準2GB、ストレージは32GB、光学ドライブはなし、IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応、接続インターフェースはHDMI×1、USB 3.0×3などで、必要最小限の構成になっている。このベースモジュールに加えて、追加モジュールが三つ用意されている。それが、「オーディオブロック」「ポータブル1TBハードドライブ」「ワイヤレスパワーバンク」だ。


オーディオブロックはスピーカーとマイクを2個ずつ搭載していて、音声の出力や入力を可能にする。USBケーブルで別のPCに接続して利用することもできる。ポータブル1TBハードドライブはその名称の通り、1TBのHDDだ。ローカルにデータを保存しておきたいユーザーにとって不可欠なブロックと言えるだろう。ワイヤレスパワーバンクは、ワイヤレス充電規格(Qi)に対応したスマートフォンを充電できるブロックだ。「スマートフォンとPCの併用を念頭に用意したブロックです」と武富氏は話す。ワイヤレスパワーバンクブロックは11,600mAhのモバイルバッテリーとして持ち運んで使うこともできる。


この三つのモジュールのほかにも、プロジェクターや光学ドライブ、グラフィクスカードなどのブロックの開発が考えられたという。

 


中小企業やSOHOでの商談も進む


モジュール型のデスクトップPCであるRevo Buildは、ユーザーの選択の自由度を広げる製品と言えるだろう。必要最小限の機能を備えたベースモジュールをまずは購入し、利用過程において必要な機能をそのつど追加できるRevo Buildは、初期導入コストを抑制しつつ将来的な拡張性も確保できる点で魅力だ。販売状況については、「コンパクトさとカスタマイズの手軽さへの反響が大きく、予想以上に売れています」と武富氏は明かす。それは、2月のRevo Buildの発表から約4カ月しか経過していない6月にバージョンアップした製品を発売した状況からも判断できる。


Revo Build自体はコンシューマーを意識した製品ではあるが、中小企業やSOHOでの商談も進んでいる。「Revo Buildはオフィス利用ももちろん可能です。小型で低価格のため、コスト削減につながります。オーディオブロックを追加すれば、Skypeなどを利用した会議も可能です。ケンジントンロックも装備していて、セキュリティ面でも安心です」(武富氏)


PC市場において刺激のある製品を提供していきたいと日本エイサーは考えている。モジュールタイプのRevo Buildはまさにその思想を体現する製品でもある。武富氏は、「Revo Buildのようなおもしろい製品、購入のきっかけとなる製品を提案して、PC市場を盛り上げていきます」と話す。サプライヤーにとっても、新たな提案の仕方を可能にする製品である。

Revo Build M1601-N12N

上から、ワイヤレスパワーバンク、ポータブル1TBハードドライブ、オーディオブロック、ベースモジュール。

日本エイサー プロダクトセールス&マーケティング本部の武富 温氏。

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