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マガジン [ Magazine ]

ラック内熱対策を気にしなくても良くなる!? NECのサーバー。

[2016.08.15]

SERVER


40度稼働にこだわる


データセンターで稼働するIT機器の中心はサーバーである。サーバーのExpress5800シリーズを提供するNECに近況を聞くと、データセンター向けのラックマウント型サーバーの販売が金額ベースでかなり好調だという。「仮想化でサーバー販売の単価が向上しています。メモリーを多く搭載したり、既存サーバーよりも上位のサーバーを導入されるケースが増えているからです」とNEC パートナーズプラットフォーム事業部の猿田智広氏は話す。

NEC パートナーズプラットフォーム事業部
猿田智広 氏

 

猿田氏が持つのがDX2000のサーバーモジュール。DX2000は3Uの筐体にこのサーバーモジュールを最大で44枚搭載できる。

NECの製品が高い評価を受けているのは、データセンター向けサーバーに対して、装置冷却の効率化や高温対応を進めてきたからだろう。メインフレームやミッションクリティカルシステムの開発で培ってきた安定稼働のための冷却技術と、スーパーコンピューターの開発で培ってきた高効率・高性能な冷却技術のノウハウを生かして、40度環境での高温稼働に耐える製品設計を実現しているのだ。部材レベルでのパーツ選定や徹底したシミュレーションによる検証、そして、マザーボードレベルまでの設計・開発を自社で行っている強みが、エアフローの最適化を可能にする部材選定や最適配置を可能にしているという。


実際に、40〜42度の環境で半年間CPU負荷100%の状態で連続稼働させて正常に動くことを確認している。高温環境に弱いサーバーでは、ラック搭載時に熱がたまらないようにスペースを空ける必要があったが、NECのサーバーならば、ラック内部の熱を気にせずに効率的に搭載できる。効率的な放熱で装置全体の消費電力も削減可能なため、ラックへの高集積が実現する。

 


ビッグデータ分析基盤として


データセンターでは今後、さらなる高密度化も進展する。そうした環境に対してNECでは、高密度スケールアウトサーバーの「DX1000 Micro Modular Server」と「DX2000 Scalable Modular Server」を提案している。「データセンターでの大きな課題は、電力コストや設置スペースになります。限られたシャーシに対してより多くのサーバーを搭載できれば、高集約のメリットが生み出せます」(猿田氏)


DX1000は、軽量のスケールアウト型ワークロード処理に最適な2Uスケールアウトサーバーだ。2Uのシャーシ内には最大46枚のサーバーモジュールと2台のスイッチモジュールが構成可能。搭載CPUは、インテル Atom プロセッサー C2000製品ファミリーだ。ラックあたりのコア数は5,600個、メモリー容量は22TB、SSD容量は90TB、ネットワーク帯域は18.8Tbpsだ。


DX1000を進化させたのがDX2000である。CPUにはインテル Xeon プロセッサー D製品ファミリーを採用。3Uのシャーシ内には最大44枚のサーバーモジュールと2台のスイッチモジュールが構成可能だ。ラックあたりのコア数は3,536個、メモリー容量は37TB、SSD容量は293TB、ネットワーク帯域は19.5Tbpsだ。CPUとメモリー間の高速データ転送性能で、インメモリー分散処理に最適なサーバー基盤の位置づけになる。メモリー帯域は同社従来製品(R120f-1M)と比較して約5倍だ。

ラックに収容されているDX2000。

 「DX2000は、多種多様な大量のデータをリアルタイムに処理するビッグデータ分析基盤に最適な高集積サーバーです。インメモリー分散処理に適した内部構造によって、一般的なサーバーで数時間要する分析を数秒から数分で実行できます。Hadoopも検証済みで提供するため、導入期間も短縮可能です。さらに、省電力・省スペースによって、データセンターの運用コストも削減できます。スケーラビリティが高いため、はじめはスモールスタートで後からどんどん拡張していけます」(猿田氏)


DX1000とDX2000は、スイッチモジュールとサーバーモジュールの間を広帯域のネットワークで結んでいて、シャーシ内でのサーバーとスイッチのトランザクションを高いパフォーマンスで処理できる。いずれもNECのデータセンターでも稼働している。

DX2000 が稼働しているNEC の神戸データセンター。

NECでもデータセンター向けの冷却ファシリティを扱っているので触れておこう。提供しているのは「相変化冷却ユニット」と呼ばれる局所冷却装置でラックの背面に設置するタイプだ。この冷却ユニットは冷媒が気化する際に熱を奪う原理を利用して、排熱の約50%を電力を使用せずにデータセンターの外に運び出せる。冷媒は自然循環する仕組みで、動力が不要だ。空調負荷を増大させずにラックに搭載するIT機器を増やせるため、データセンターの単位面積当たりの処理能力も向上させられる。「データセンターでは限られたスペースでどれだけ効率的にサービスを提供できるかが重要です。相変化冷却ユニットを利用すれば、効率的な冷却でサーバーの高密度化をサポートします」(猿田氏)

相変化冷却ユニット排気側パネル。

NECではこの冷却ユニットを利用することで、空調の消費電力を30%、フロアコストを30%削減できると謳っている。実際にNECのデータセンターでも活用されており、「NEC Cloud IaaS」のサービス提供基盤として、サービスコストの低減に寄与している。

UPS バッテリー。

コールドアイル。

屋上冷水パイプ。

屋上フリークーリング。

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