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市場調査・分析・予測 [ Market research ]

国内仮想化ソフトウェア市場の勢いが続く

クラウドシステムソフトを活用したソリューションに商機

[2016.08.06]

国内仮想化ソフトウェア市場 売上額予測(2015年~2020年)

出所:IDC Japan

 

10年連続二桁成長が止まった!?

国内仮想化ソフトウェア市場の成長にかげりが見えると指摘されている。IT専門調査会社のIDC Japanが2016年7月25日に発表した「国内仮想化ソフト市場予測」によると、バーチャルマシン/クラウドシステムソフト市場は同社が国内で調査を開始した2005年から2014年までの10年間二桁の前年比成長率を続けてきたという。ところが2015年はそれを達成することができなかった。
ちなみにバーチャルマシン/クラウドシステムソフトとはサーバー仮想化やデスクトップ仮想化、クラウド基盤を実現するソフトウェアに加えて、クラウドのコンピューティングリソースを管理するクラウドシステムソフトも含まれる。売上額には有償ライセンスもしくは有償サブスクリプションで提供されるソフトウェアのみを対象としている。
同社の調査と予測によると2015年の国内バーチャルマシン/クラウドシステムソフト市場規模は前年比5.7%増の552億9,900万円、2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は6.0%で2020年には741億円になると予測している。
さて2015年に市場成長が減速した理由としては、ハイパーバイザーと呼ばれているバーチャルマシンソフトによるサーバー仮想化がすでに多くの企業で導入されていること。またデスクトップ仮想化におけるインフラとしての役目も果たしてきたが、仮想基盤構築への投資が一巡したことが挙げられる。

 

まだまだ成長が期待できる

とはいえ市場成長の勢いは十分あるようだ。IDC Japanでは2016年以降について、仮想基盤の更新や拡張に対する需要を中心に前年比成長率は一桁後半を続けていくと予測している。
この市場にはOpenStackやDockerに代表されるクラウドシステムソフトが含まれており、2015年時点ではその規模は非常に小さい状況だが、徐々に本番環境での導入事例も出てきており、2016年以降、市場成長の主要因になると見ている。
IDC Japanのソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャー 入谷光浩氏は「仮想化ソフト市場の成長が落ち着いてきたということは、ユーザー企業がデータセンターで仮想基盤をしっかり形成したことの表れでもある。この仮想基盤にコントロール機能を付加したクラウドネイティブシステムへの拡張が次のステップとなる。ソリューションベンダーはOpenStackやDockerなどのクラウドシステムソフトを活用したソリューションを主軸にすべきだ」とアドバイスする。

 

クライアント仮想化ソフト市場も堅調

クライアント仮想化ソフトである国内バーチャルクライアントコンピューティング市場も、2015年は一桁の前年比成長率となったという。2015年の国内バーチャルクライアントコンピューティング市場規模は前年比3.7%増の236億7,000万円、2015年~2020年のCAGRは6.8%、2020年には329億円になると予測している。
これは同市場を支えてきたプレゼンテーション仮想化の導入が伸び悩み、さらにシンプルなシステム構成によって使用されるソフトウェアの売上単価も下落傾向にあることが要因だという。
デスクトップ仮想化は高い成長が続いているが、大型案件の減少やDaaS(Desktop as a Service)の台頭で成長が鈍化傾向にあり、2016年以降もクライアント仮想化の普及が進み市場は堅調な成長を続けていくと予想されている。
ただしバーチャルクライアントコンピューティングシステムの集約化、DaaSやサブスクリプションモデルへのシフトが市場成長の抑制要因になる可能性もあると指摘している。(レビューマガジン社 下地孝雄)
 

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