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ITサプライヤーの商機は免税手続きにあり 【特集】

[2016.06.06]

1年で免税店が3倍に急増


訪日外国人旅行者の増加と歩調を合わせるようにその数を増やしているのが免税店だ。免税店とは、「外国人旅行者などの非居住者に対して特定の物品を一定の方法で販売する場合に、消費税を免除して販売できる店舗のこと」(観光庁)。免税の対象になるのは生活に利用される物品(一般物品、消耗品)だ。一般物品、消耗品ともに、1人の非居住者に対して同じ店舗における1日の販売合計額が5,000円以上になる場合に免税の対象になる。


購入品に対する消費税が免除されるため、訪日外国人旅行者の多くは免税店での購入を希望するだろう。そこで免税店の数が急増しているのだ。観光庁が公表している最新の数値では、2015年10月1日時点の国内の免税店数は全国で2万9,047店舗。この数字のすごさは、前年の数字と比較するとわかる。2014年10月1日時点では9,361店舗だったからだ。わずか1年で約2万店舗も増えている。この数は、2020年に向けてさらに増えていくだろう。


ITサプライヤーの商機は免税手続きにある。訪日外国人旅行者が物品を購入する際の免税手続では、購入者によるパスポートの提示、免税店側での購入記録票の作成、購入者による購入者誓約書の提出、免税店側での購入記録票のパスポートへの貼付などが必要だ。この手続きが非常に煩雑なのだ。そのため、免税手続きを行うレジが訪日外国人旅行者の長蛇の列になる状況が頻出してしまっている。


そこで、免税手続きの簡素化を実現するソリューションが各ベンダーから提供され始めている。例えば、購入記録票や購入者誓約書への必要事項の記入や発行を自動化するソリューションがそうだ。


免税手続ソリューションとモバイルPOSをセットで


ジェイティービーとジェーシービーの合弁会社であるJ&J事業創造は、免税手続きソリューション「J-TaxFreeシステム」の販売を2013年11月から開始している。同社 取締役 Tax Free 事業本部長であり、全国免税店協会の理事でもある大本昌宏氏は、「免税手続きの簡素化を目的にJ-TaxFreeシステムを開発しました。当初の見込みを大きく上回る需要があり、すでに2,500店で導入されています」と状況を明かす。


J-TaxFreeシステムは、免税手続きにおける購入記録票や購入者誓約書の発行作業を簡易化する。専用アプリをインストールしたPCやタブレットと連動するスキャナーで訪日外国人旅行者のパスポートを読み取ると、購入者情報を取得でき、合わせて購入商品の情報などを選択・入力すればプリンターから購入記録票や購入者誓約書が発行できるようになる。「免税手続きが1〜2分で完了します。パスポートスキャナーの読み取り精度の高さや、免税制度への準拠が万全である点も特長です」とJ&J事業創造 Tax Free 事業本部の土平修彰氏は説明する。

J-TaxFreeシステムはPCやタブレットで利用できる。

J-TaxFreeシステムの利用形態は、オフライン版、オンライン版、POS連動版、POS組込版が用意されている。オフライン版はネットワーク接続不要で利用でき、申請書の作成という必要最低限の機能だけを利用できる。オンライン版はJ-TaxFreeシステムのクラウドサーバー経由でサービスを利用でき、申請書類の作成から管理Webを活用した売上の集計や分析までが可能だ。POS連動版は、店舗のPOSの販売データと連動させられるため、購買情報の入力が不要となる。POS組込版は、PCなどを必要とせずPOSレジだけで手続きを完了させられる。「POS連動型は百貨店など免税の手続きカウンターがある店舗で利用されるケースが多いです。POS組込型はドラッグストアなど個々のカウンターで免税手続きを行っている店舗で利用されています」(大本氏)

 

 

J&J事業創造はJ-TaxFreeシステムのPOS組込版の提供にあたり、J-TaxFreeシステムのシステム構築をてがけているNECとさらなる協業を開始した。NECネクサソリューションズが提供する店舗システム「storeGATE2」への実装や、「NECモバイルPOS」と連携させて販売を加速させる予定なのだ。NEC 産業営業本部 第二営業部 マネージャーの林 隆洋氏は「POSシステムを導入していない店舗は全国にまだまだ数多く存在します。そうした店舗に対しては、モバイルPOSとタブレット、そしてJ-TaxFreeシステムのセット提案が効果的でしょう」と期待する。

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